ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

霧笛146号編集後記 145号へのお便りからも含む。

2024-07-14 09:09:21 | 霧笛編集後記
〈145号へのお便りから〉 絵本作家の長野ヒデ子さんも震災後、気仙沼に通っていただいたが「理論社の編集者に…今も中川ちひろさんや石津ちひろさん達は気仙沼に通ってるよとお聞きして、えらいなあ‼とびっくりしました。…詩誌40周年もすごいですね。…どの方もすごくまじめでどの作品も深く見つめて清く正しくの感じで、アホの私などついて行けないな~と思ってしまいました」 . . . 本文を読む

霧笛145号 創刊40年記念号 〈144号へのお便りから〉

2024-03-10 15:29:18 | 霧笛編集後記
 宮城県詩人会の色川幸子さんから「千田さんのDead or Alive、霧笛も聞こえてきそうな港町に犯人らしき人物と、俺には関係ないことだ!どっちだっていい!という人物が映画のようにくっきりと見えてきて、この人物の次の〝日〟をも読みたいと思いました。/「祭礼」及川良子さん…きょうはよき日!なんでもない日よ続け!きりりとした詩に心、動きました。/千田遊人さんのみずみずしい感性はうらやま . . . 本文を読む

霧笛第145号 創刊40年記念号 〈編集後記〉 霧笛の四〇年、私の四〇年

2024-03-10 15:13:45 | 霧笛編集後記
◆創刊四〇年である。 いつのまにか、時が経ている。 私が、二十歳代のときは、未来に明確な希望があった。世界中のすべてのひとが、総体として少なくとも今よりは幸せな生活を送ることができる未来があると信じていた。自分自身の未来も、同様に信じられたと思う。 いや、私はすでに挫折していた。都落ちした人間であった。しかし、故郷の小さな町で新規まき直し、希望をサイズダウンしながら生き直して行けるはずと思った。世 . . . 本文を読む

詩誌霧笛 第144号 〈編集後記〉

2023-11-18 10:29:37 | 霧笛編集後記
◆7月の朗読会の後、10月21~22日、気仙沼市市民文化祭参加「詩の展覧会・五行歌展示会」を、市民会館中ホールにて開催した。報告は次号にて。◆白幡みゆさんの表紙について、夏谷胡桃さんから「新しい表紙もいいですね。童話のさし絵のようです。」と。夏谷さんは、早池峰山麓の私設図書室「やませみ文庫」を、ご主人と営む。詩人であり、俳人。続けて、霧笛の詩について「皆さんがフツーの生活者であり、子どものような心 . . . 本文を読む

霧笛143号 「チヒローズのおふたりから」と〈編集後記〉

2023-07-26 10:40:09 | 霧笛編集後記
  チヒローズのおふたりから石津ちひろさん、なかがわちひろさんの「チヒローズ」のことはここでも何度も紹介しているところだが、なかがわちひろさんから、142号のご感想をいただいた。「ぱらりと開いて、最初の畠山さんの「そのときを」を読み、ふっと涙ぐみました。とても平明なリズムで。ロシアのワグネルでは、「人のTSUNAMI」になれと強要されるそうですね。前線の兵が死んでもその死体を超えて突進しろという意 . . . 本文を読む

霧笛142号編集後記 気仙沼宮脇書店で発売中

2023-05-03 08:55:09 | 霧笛編集後記
〈編集後記〉◆熊本吉雄さんが、当面、休会される。3月19日の河北新報の歌壇に「どこまでもそらいろの空果てしなくクレヨン一本使いきるまで」。これまでの作品とは違い、何かが吹っ切れたような感触。◆菊池さかえさんは今号休載。◆小田亜希子さんには、三年前の第133号から表紙をお願いし、ちょうど一〇号、霧笛の仲間として展示にも参加され、この間、個展開催、三陸新報の元旦号にも紹介、美術家として成長された。次の . . . 本文を読む

霧笛141号〈編集後記〉 気仙沼市仲町 宮脇書店にて発売中

2022-12-22 12:00:35 | 霧笛編集後記
◆秋、文化的なイベントがずっと続いている。秋とはそういう季節に違いない。◆気仙沼市民文化祭参加「絵と詩の展覧会」を10月22~23日の土日、市民会館中ホールにて実施。同人全員の詩作品を、同人以外の他作者の絵や書などと展示した。昨年度は明けての2月、つい半年前の開催であった。◆宮城県民文化祭が、持回りで今年は気仙沼・南三陸町地域にて開催となり、11月26~27日の土日、本吉総合体育館の展示部門に霧笛 . . . 本文を読む

霧笛140号〈編集後記〉

2022-09-05 10:15:57 | 霧笛編集後記
◆同人照井由紀子さんが店主の陸前高田ジョニーにて、7月10日(日)午後1時30分から、内輪の朗読会を行った。参加は、照井、西城健一、鈴木東吉、小野寺正典、及川良子、小野寺せつえ、畠山幸、夕庵土味、千田遊人、千田基嗣。ジョニーでの朗読会は震災のずいぶん前に一度行なったきりである。土地のかさ上げ、区画整理を経て、商業施設アバッセ高田、図書館や市役所もほど近い立地に新装オープンしたお祝いを兼ねて集まった . . . 本文を読む

霧笛の西城、熊本が、河北歌壇2022/8/21に

2022-08-22 10:04:39 | 霧笛編集後記
 昨日8月21日(日)の河北歌壇に、霧笛同人の西城健一、熊本吉雄の両氏が選ばれていた。しかも、花山多佳子、佐藤通雅両選者の選に、両名とも重ねて、であり、花山氏は西城氏の作を、冒頭の講評付きの三作の内に選ばれている。 西城健一氏の作は「いつも座る母の残しし椅子不機嫌「静かに座れ私も老いた」と」 熊本吉雄氏の作は「べた凪の暑熱の港人も絶え乾びた海星(ひとで)に汐が這いゆく」(括弧内はルビ) 西城氏への . . . 本文を読む

熊本吉雄、西城健一の短歌が河北歌壇に ー霧笛139号から

2022-04-29 10:00:16 | 霧笛編集後記
 河北新報に毎週日曜日掲載、河北歌壇の良き読者ではないが、気仙沼の人の作品だけは確認している。その中でも特に同人の熊本吉雄さん、西城健一さん。 熊本さんは、このところ立て続けに、歌壇欄冒頭の秀作三点のうちに取り上げられた。 2・6、花山多佳子選第2席、「卒寿なる母は箒を杖にして遅参の息子に雪掻き指示す」 花山氏の評は「卒寿の母の矍鑠(かくしゃく)とした姿がユーモラスだ」と。 2・13は、佐藤通雅選 . . . 本文を読む

霧笛139号 編集後記

2022-04-27 12:24:18 | 霧笛編集後記
〈編集後記〉◆3月の半ば過ぎて、大きな地震があって、雪が降っている。嫌なことだ。東ヨーロッパでは、今の世とは思えない事態が進行している。感染症も行く末が見えない。嫌なことばかりである。なんでこんなに嫌なことばかりなのだろう。嫌なことがつきる世というのは、永遠に来ないのだろう。東日本大震災の復興というものも成し遂げられることは永遠になく、またどこかで別の厄災が起こって上書きされて忘れ去られるのみであ . . . 本文を読む

霧笛138号編集後記 

2021-12-11 19:55:08 | 霧笛編集後記
〈編集後記〉◆気仙沼は、なんと言っても「おかえりモネ」の話題で持ちきりだった。開始前、私は、あの傑作「あまちゃん」を超えるドラマは難しいだろうと悲観していた。しかし、始まってみると今回は全く別種の作品として成り立っていた。一方の徹底した軽さに対して、重さのドラマだった。しかし、清澄な重さである。生々しい悲しみを濾過した深い哀しみ。上澄みのような苦悩。被災地の私たちを突き落とすのでなく、透きとおる美 . . . 本文を読む

詩誌霧笛 第137号 編集後記

2021-08-26 12:36:18 | 霧笛編集後記
〈編集後記〉◆さて、おかえりモネとオリンピックとコロナ・ウィルスの三題噺か。コロナ騒ぎがなければ、今頃気仙沼は晴れ晴れと、浮かれっぱなしの夏,喧噪の夏を迎え、観光客で溢れ返っていたはず。三陸道のベイブリッジも、震災後に再開した海水浴場も、内湾周辺も、8月後半に設定したみなとまつりの頃まで途切れることなく賑わっていただろう。ウィルスは、祭りのムードに冷や水を浴びせ、アンチ祝祭の役割を果たした。あ、コ . . . 本文を読む

霧笛136号〈編集後記〉 付 お便りの紹介 付〈編集後記〉長尺バージョン

2021-04-27 14:49:25 | 霧笛編集後記
◆震災から十年経つ。コロナ騒ぎも一年を超えて続く。◆現代詩手帖の3月号、震災アンソロジーとして、詩、俳句、短歌が取り上げられる中で、気仙沼市百一歳、菊池謙さんの歌「海ゆかばみづくかばねと十字切る強き地震の襲ひ来る夜」が掲載。そして、熊本吉雄さん、「とりあえず通販で買ったような町 なんかイヅイなあ もぞもぞ歩く」また、3月3日付の河北新報「10年の震災詠選」にも「外来種の店がにょきにょき生えてきて更 . . . 本文を読む

霧笛135号 編集後記 およびお便りの紹介

2020-12-20 12:58:11 | 霧笛編集後記
◆前号の及川良子さんの「Nの目撃「天空ヒマラヤ部族」を見て」で、原文でほぼ一行分、欠落があった。校正で見落とした。2ページ目、29ページ第2段12行目である。その少し前から再掲する。「隔絶されたヒマラヤの山中に暮らす人々。400年もの間変わらぬ同じしきたり。同じ祈りの中で生き続けている。気持ちを強く結び合った。敬虔な祈りを中心としたその暮らしはゆったりとした時間感覚のもとに営まれている。さすがの欧 . . . 本文を読む