ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

精神看護 2019.11 琵琶湖病院で始まっているオープンダイアローグ 医学書院

2020-10-19 22:30:26 | エッセイ
 特集名を省略なしで言えば「琵琶湖病院で始まっているオープンダイアローグを取り入れた日常診療」、昨年の11月号、バックナンバーである。 琵琶湖病院の院長補佐で精神科医の村上純一氏を中心とした取り組みの紹介である。 まずは、第1節、村上氏による「琵琶湖病院がオープンダイアローグに開かれるまで」の報告。「かつて私は、精神医療には「強制的な処遇」「隔離」「長期入院」が不可欠だと認識していました。当事者の . . . 本文を読む
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松本敏治 自閉症は津軽弁を話さない 福村書店

2020-10-17 12:47:32 | エッセイ
 副題は、自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く。 著者は、1957年生まれ。特別支援教育士スーパーバイザーで、臨床発達心理士。弘前大学教育学部教授を退職されているとのこと。北海道大学で教育学の博士を取得されている。 「おわりに」から引いていく。「「自閉症の子どもって津軽弁しゃべんねっきゃ(話さないようねえ)」妻のこの一言で始まった研究は思わぬ展開を示すこととなりました。」(246ページ) この . . . 本文を読む
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中井久夫 こんなとき私はどうしてきたか 医学書院

2020-10-13 13:22:39 | エッセイ
 シリーズケアをひらくの1冊。2007年に第一刷を刊行、2018年で10刷を数える。中井久夫氏は1934年生まれ。 この本は「二〇〇五年六月~〇六年十月まで、兵庫県の有馬病院でおこなわれた「医師・看護師合同研修会」での講義内容をまとめたもの」とのこと。中井氏が70歳を超えて、神戸大学医学部教授を退いたあと、長い精神科医としての経験をもとに行った講話の記録である。「なによりも大切なのは「希望を処方す . . . 本文を読む
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白井聡 武器としての「資本論」 東洋経済新報社

2020-10-04 14:06:11 | エッセイ
 こないだあたり、若干、ネットを賑わせた白井聡氏である。思想史家、政治学者、京都精華大学講師とのこと。 このところ、ベルリンの壁崩壊、引き続くソヴィエト連邦の崩壊以降は、マルクス主義の評判は地に落ちたままであると言っていい。世は、主流派経済学の春である。自由主義、民主主義の価値観を共有する世界となった、みたいな話である。しかし、現今の世の中が、貧富の格差の増大があり、人並みの生活を維持するための激 . . . 本文を読む
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狐の嫁入り 月刊ココア共和国 10月号電子版掲載詩

2020-09-29 19:09:34 | 月刊ココア共和国 投稿詩
開港地の暗闇の斜面の細い坂道を行列が登っていく先頭の羽織袴の男が薄明るい提灯を下げてうつむいてだらだらと行列が続き白無垢の花嫁衣裳の花嫁が角隠し面を伏せて楚々と向かう開け放たれた屋敷へ周旋屋の誂えたほの暗い座敷へ行きは好い佳い帰りは怖い晴れた日に汽船の行き交う港を見下ろして軍船の帰港を寄港を待ちわびてもののふの道は死ぬことと心得て白無垢の花嫁衣裳の花嫁が角隠し耳隠し鼻隠し尖った口隠しひげ隠し尻尾を . . . 本文を読む
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戴冠式   

2020-09-29 15:45:41 | 月刊ココア共和国 投稿詩
太陽の王冠を外して仮面舞踏会のマスクを脱ぎ捨てて真実を撒き散らし生身の人間として中央に屹立つ言葉には依らず一度咳払いをして意図の存在を知らしめ影響はその都度3メートル四方に及びステップを踏みジャンプを跳ぶたびに移動し進行し痕跡を残し影響を拡げ流行を支配するしかしマスクの下には白塗りの顔真っ赤なまん丸い華笑われて笑われて笑われて素顔はどこにもない涙が一粒描かれて流れない涙乾いた涙乾涸びた涙固定された . . . 本文を読む
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精神看護 2020.9 斎藤環氏による読書会『開かれた対話と未来』その3 医学書院

2020-09-28 21:59:26 | エッセイ
 齋藤環氏のオープンダイアローグについての読書会の報告の3回目、最終回が、『精神看護』9月号に掲載されている。取り上げた書物は、齋藤氏監訳、ヤーコ・セイックラとトム・アーンキル著『開かれた対話と未来』(医学書院)である。(前2回の報告についても、すでにここで紹介している。) それとは別に、今号の特集は、「思春期のゲーム依存、ネット依存」であり、他の連載も含め、興味深い記事満載である。そのいちいちも . . . 本文を読む
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樋口直美 誤作動する脳 医学書院

2020-09-24 23:15:25 | エッセイ
 医学書院の「シリーズ・ケアをひらく」の一冊。最近、このシリーズを読むことが増えた。現代日本で最もアクティブでアトラクティブで挑発的なシリーズ、と言っていいと思う。 著者は、レビー小体型認知症の当事者である。 レビー小体型認知症とは、脳の神経細胞の中にレビー小体という、ある種のたんぱく質の塊りが蓄積することによっておこるレビー小体病のうち認知症の症状を有するもののことだという。「私は、レビー小体型 . . . 本文を読む
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村上龍 MISSING失われているもの 新潮社

2020-09-12 20:19:32 | エッセイ
 村上龍、5年ぶりの長編小説らしい。 前作は『オールド・テロリスト』か、読んでなかったな。その前の『55歳からのハローライフ』は読んでいるが、こちらは連作短編というべきだろう。2013年2月に読んで感想をツイートし、その後、14年6月に、NHKでドラマ化され放映時に書いたものをつけ加えて、ブログにアップしている。読んだ時、私はちょうど56歳くらいで、人生の時期としてまさしくぴったり当てはまるところ . . . 本文を読む
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当時のブリティッシュ・ロック

2020-09-03 20:04:57 | エッセイ
 最近、昔のテン・イヤーズ・アフターとかアルヴィン・リーのCDを買うついで、というか、ウィッシュボーン・アッシュも聴きたくなって、「ライブ・デイト」を買った。(ちょっとしてから、百眼の巨人アーガスも)、で、フリーもライブを買って、しばらく前に買っていた、ハンブル・パイの「ロッキン・ザ・フィルモア」も聴いて、このあたり繰り返し聴いている。で、ロリー・ギャラガーの「アイリッシュ・ツアー’7 . . . 本文を読む
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村上春樹 一人称単数 文藝春秋

2020-09-01 23:20:40 | エッセイ
 6年ぶりの短編集とのこと。長編は、『騎士団長殺し』が2017年であるが、短編集は『女のいない男たち』が2014年か。 長編と短編交互に、このくらいの間隔で出してもらえるというのが、読む側としてちょうどいいかもしれない。 ここで、ちょっと変なことを書いておくが、引き続き村上龍の長編小説「MISSING 失われているもの」を読んでいる。どうも、これら二つの世界をどこか混同している。春樹の世界と、龍の . . . 本文を読む
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精神看護 2020.7 斎藤環氏による読書会『開かれた対話と未来』その2 医学書院

2020-08-23 09:51:35 | エッセイ
 精神科看護分野の専門誌『精神看護』7月号は、齋藤環氏のオープンダイアローグについての読書会の報告第2回が掲載されている。取り上げた書物は、齋藤氏監訳、ヤーコ・セイックラとトム・アーンキル著『開かれた対話と未来』(医学書院)である。(第1回の掲載された5月号についても、このブログで紹介している。) それとは別に、今号の特集は「新型コロナでどうなりましたか?」であり、時宜を得た大切なテーマである。  . . . 本文を読む
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2020-08-21 17:55:28 | 月刊ココア共和国 投稿詩
一瞬冷たい西風が吹いて柔らかな女神が降臨する無数の女神が行列をなして天空から斜め下に滑り落ちるそれぞれの地上の女神を見つけて黒い髪を濡らす赤い唇を濡らす青いドレスを濡らす青いドレスを濡らして沁みとおった肩を濡らす大理石の白い肌を濡らす陸前リアス式海岸の大理石の岸辺の波の雫と見分けのつかない雨の雫があの場所を濡らす暖かい雨が入り江の最奥部のあの場所を濡らす沁みとおってあからさまな視線を受け止めてあの . . . 本文を読む
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佐々木中氏による小沢健二氏の誤読?

2020-08-14 15:56:50 | エッセイ
 佐々木中氏は、思想家、作家で、評論、小説とも何冊か読ませてもらい、このブログでも紹介している。京都精華大学人文学部准教授でもある。私にとっては、読むべき著作家のひとり。ツイッターもなさっていて、明確なもの言いで、なかなか好ましいと思っている。1973年8月2日生まれの47歳、東大文学部卒から博士課程修了なさっている。 以前に、私は、「定本 夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル」(河出文庫) . . . 本文を読む
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もうひとつの世界(2020・8月版)

2020-08-14 12:06:11 | 2015年4月以降の詩
もうひとつの世界があるこの世界は見えないもうひとつの世界があるこの世界は冷たい暖かな温もり肉体の実在あなたがいるからここは暖かい屋外は冷たいこの世界はないこの世界は冷たく意味がないもうひとつの世界がある豊かな意味を育んでもうひとつの世界がある あなたがストーブに火を灯し灯油が燃えるからこの部屋は暖かい想像しても部屋は暖まらない想像するだけでは部屋は暖まらないあなたが誰かが火を灯さなければ . . . 本文を読む
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