みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『黄金のアデーレ』観ました。

2016-12-14 16:00:00 | 洋画
2015年:英・米。 監督:サイモン・カーティス。 WOWOWからの録画。
以前からちょっと気になっていた映画です。本日ようやく観ましたが....
とても面白かったです!

 
仲の良かった姉の葬式。              遺品の中に気になる手紙が。

最近、姉ルイーゼを亡くしたマリア・アルトマンは、姉の遺品の中から気になる手紙を発見。
ぜひ信頼できる専門家に相談したいと、旧知のバーバラ夫人に打ち明ける。
弁護士の息子をもつ彼女は、さっそく息子ランドルに電話してマリアの件を知らせる。
姉の手紙には、かつてナチによって没収された絵画や美術品の返還にむけて、ようやく
オーストリア政府が動き始めたようだと記されていた。

 
クリムトの画を元にした絵ハガキ。         美術品返還法の改定に望みを託すマリア。

マリアはナチスによるユダヤ人狩りから逃れ、夫と共に故国オーストリアからアメリカに
やってきた過去をもつ。
ナチによって無法に没収された美術品を、裁判で何とか取り戻せないかというのがマリアの言い分。
で、その美術品の評価額だが、何と一億ドル以上!

  
忌まわしい過去の地、ウィーンへ飛ぶ。       まずは政府の審問会に申請する二人。

ランドルはマリアと共に、絵画の返還を求めてオーストリア・ウイーンに飛ぶ。
地元の雑誌ジャーナリスト・チェルニン氏と知り合い、友人として様々な助力を得るが、
結局オーストリア政府には本気で美術品を返還するような気はないことが見えてくる。

 
ウィーン市内。美術館ではクリムト展。       結局オーストリア政府に美術品返還の意思はなさそうだ。

あまり知名度のない、ニ級の美術品ならば、割とすぐに返還が認められる。
だがモノが一級品となれば、態度はがらりと変わる。
特に”ウイーンのモナリザ”とも言われる、クリムトの傑作『アデーレの肖像』とも
なると、文字通りの別格扱い。
まず裁判を起こすだけでも180万ドルの預託金が必要になる。到底そんな金はない。
あれやこれやで形勢不利と見たマリア、ランドル側はいったんアメリカに帰国するが....。

 
ナチスドイツのオーストリア併合。         同胞ユダヤ人が痛めつけられていても何もできない。

第二次欧州大戦勃発直後、ナチスドイツは直ちにオーストリアを併合。
ドイツ本国と変わらぬユダヤ人排斥の嵐がオーストリアにもやってきた。
両親の見通しの甘さからアルトマン一家は逃げ遅れ、故国からの脱出は
文字通り、命がけの逃避行。当然ながら可なりの緊迫感が連続するシーンとなります。
年老いた両親は、娘夫婦の足手まといになることを恐れて、そのまま家に残ると決意。


かつてナチが強奪したクリムトの傑作『アデーレの肖像』。

現在と過去がたびたび入れ替わってストーリーは進んでいきます。
ところでヘレン・ミレンの高齢からくる問題なんでしょうかね~?
なにかフッと演技の緊張感の途切れを感じる瞬間が時々あって、ちょっと気になりました。