みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

「セディック・バレ 第ニ部」観ました。

2015-07-10 16:00:00 | アジア映画
2011年:台湾。 監督:ウェイ・ダーション。 WOWOWからの録画。
きのう観た<第一部>の続きです。

 
反乱の代償として部族の全滅を覚悟。        いよいよ出発の号令。

日本人は鉄砲のみならず、大砲や飛行機まで持っている。本当の戦争になったら
勝てるわけがない。やったら全滅だ。そう思い隠忍自重していたモーナ頭目。

だがある日、自分の秘密の場所で亡き父親の霊に出会い諭される。
お前は先祖たちから綿々と伝えられてきたセディック・バレの誇りを忘れたのか。
立派に務めを果たしたお前たちと虹の橋で会えるように先祖一同が待っているよと。
彼はついに決断を下す。

 
運動会場になだれ込む戦士たち。          霧社の惨状はたちまち台湾各地の日本人社会に伝わる。

年一回、霧社では運動会が開催される。地域の日本人が多く集まる数少ない催し。
皆この日を楽しみにしている。そこを狙って急襲。
霧社の日本人たちが全滅するまでに幾らの時間もかからなかった。

 
警察は急ぎ掃討部隊を組織して出動させる。     だが霧社に着いてみると誰もいない。死体のみが累々。

状況の深刻さに日本側は震撼する。警察隊のみならず、陸軍も討伐隊に加わる。
だが山地での行動に慣れた戦士達に日本人たちは劣勢を強いられてしまう。
状況を有利にもっていくために、大砲から毒ガスの攻撃までためらわない日本側。
時間経過とともにジリジリと追いつめられていくセディック・バレたち。

 
女たちは男たちが存分に戦えるよう自ら命を絶つ。  死は恐れない。誇りのために戦うのだから。

全編を観終えて、大変な疲労を覚えました。身体中の精気を抜かれたかの感じですね。
一方で良い映画を観たという高揚感も同時に大いに来ました。
それにしてもこれだけの長編で終始高水準の緊張感を持続させる手腕は正に稀有のこと。
監督のウェイ・ダーション氏は大いに称揚されるべきと思います。

映画の中では戦士たちが終始戦いを優勢に進めているような
描写が続きますが、実際には無防備な日本側を襲った序盤はともかく、
武器装備に優れた日本側の圧勝だったというのが事実だったようです。


それにしてもこれは、つくづくと哀しい映画です。
”滅びゆくものの美学”なんて安易な言い方はしたくはないけど....。
こんな凄い映画を二本も続けて観ちゃうと、
じっくりと余韻に浸るためにも、2~3日は映画を観たくないな~。

あと、川での戦闘シーンが多く見られましたがその流れの清らかなこと!
台湾にはあのように美しい自然がまだまだ残っているのでしょうか。