日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

スウェーデンと中国のコロナウイルス対策はどちらの方か良いか

2022年04月13日 10時05分55秒 | 日々雑感
 中国、上海市が今月10日発表した声明によれば、9日の新規感染者は2万4943人で、同市がロックダウンを始めた3月28日は4477人と報告されており、5倍余りに増えている。そこで5日に解除予定であったロックダウンも当面延期されることになったそうだ。

 中国の”機動的ゼロコロナ対策”では、地域に一人でも感染者が出るとその地域全体にPCR検査を強制的に実施し、地区内の感染が14日間ゼロ等を外出禁止の解除の目安とする等、住民の行動を厳しく規制している。

 しかし、このところ感染しても無症状の人がほとんどであることから、入院ではなく自宅療養で済む等、緩和し始めたようである。とは言え上海では今月1日以降は市内全域が封鎖状態に置かれており、市当局は一部地域で野菜など生鮮食料を配布する等、生活維持に努めているが、食料が底を突き始め、住民の不満が高まりと警官との衝突も生じ始めているとのことだ。

 最近になって多少規制が緩くなっていると言っても相変わらず厳しい規制が行われているにも拘わらず、上海の感染状況は続いており、このような状況が全国に広がる恐れもある。

 これに対し、スウェーデンでは、新型コロナウイルス感染症をめぐり、一貫して国民の自主性を尊重し、飲食店の閉店やマスクの義務化をせず、集団免疫を目指した。ロックダウン措置も導入しなかったが、病床数確保のため、国は高齢の感染者を集中治療室に入れないような命の選別もあったそうだ。結果、死亡率は人口100万人当たり約1200人と世界有数で、日本の約20倍だそうだ。
 
 しかしその結果、昨年8月以降、スウェーデンでは経済・社会活動の再開が着実に進んでおり、今年2月スウェーデン政府は新型コロナ関連規制についてほぼ撤廃した。

 スウェーデンでの感染者数は4月13日現在、平均で1日589人の新規感染者となり、1日平均人数のピークだった1月27日の1%になると報告されており、完全に終息している訳では無さそうだが、経済活動は活発になっているのだろう。

 このように新型コロナウイルス感染症対策は、中国とスウェーデンでは両極端であるが、日本をはじめ世界の主だった国は中間の対策をとっており、現段階ではどちらの方が優れているかは判断できない。

 感染者数、死亡者数、対策費、経済的な損失等、での比較が必要であるが、今なお感染の完全な終息に至っておらず、終息後の検討を待たなくてはならない。2022.04.13(犬賀 大好ー806)

至る所に見られる税金の無駄使い

2022年04月09日 17時31分03秒 | 日々雑感
 コロナ禍で経済が落ち込み、政府は経済立て直しに必死である。コロナ拡散を防止するため、緊急事態宣言や蔓延防止対策等が実施され、企業活動が制限され、その代償として各種のコロナ対策支援金がばらまかれている。

 例えば、事業復活支援金は新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、今年3月までの見通しを立てられるよう、地域・業種問わず、固定費負担の支援として、5か月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付する制度だ。

 この制度のお陰で、助かった企業も多くあったであろうが、コロナ禍が無くてもつぶれていた個人事業者が生き延びたとの話もよく聞く。新しい制度が出来ると、その制度の不備を突いて悪用する輩は必ずいる。コロナ終息後、悪用したものに対する厳しい罰則とその制度の効果の検証を是非やってもらいたいものだ。

 さて、3月22日、過去最大の107.6兆円の令和4年度予算成立した。東京都の予算も7.8兆円と過去最大となっている。一般家庭においては、限られた収入の中で支出を決めるが、国はお金は印刷すれば無限にあるとばかりに予算を組む。

 歳出は税収で賄うのが本来の姿であろうが、税金だけでは足らず赤字国債の発行等による借金で補っている。その借金残高が今や1千兆円を越えているのに、その危機感はほとんどない。

 国家予算にもその危機感ははない。国会議員には年間2180万円の給与に当たる歳費とは別に、毎月100万円、年間1200万円もの自由に使えるお金が支給される文書通信交通滞在費がある。就任1か月の新人議員にも1年分の文通費が支払われることから話題となり、国会議員の間で検討されていたようであるが、検討結果は文通費は日割り計算で算出することくらいであり、肝心の使途の制限も公開義務も従来通り無いことに落ち着いた。国家予算全体から見れば大した金額ではないが、国会議員が先に立って身を切る改革をしてもらいたいものだ。

 また、政府の新型コロナウイルス対策で約8000万枚の大量在庫が問題になった布製「アベノマスク」について、配布希望の殺到により、配送料が10億円に上るとの試算が判明した。配布せずに全て廃棄した場合は6000万円程度の費用で済んだとみられるそうだ。

 アベノマスクの不評を少しでも補おうとする配布であろうが、6000万円で済むところを10億円で贖罪しようとするのは、ポピュリズムそのものであろう。これも国家予算に比べれば大した金額ではないが、1円たりとも無駄にしない気骨ある官僚、政治家がいないであろうか。

 兎も角、国の借金が1千兆円にもなり、ここでわずかばかり増えたところで影響が無いとばかりの無駄使いが目に付く。大きなしっぺ返しが懸念される。
2022.04.09(犬賀 大好ー805)

コロナウイルスへの今後の対策は如何にあるべきか

2022年04月06日 11時00分11秒 | 日々雑感
 全国の新型コロナウイルスの第6波の新規感染者は、2月5日の10.5万人を最高に、4月3日には4.7万人と半減したが、その減り方はこれまでになく緩やかで、最近では逆に再拡大する兆候も見られる。

 都の専門家会議も感染の再拡大の危険性が高く、第7波の到来の可能性が高いと分析している。まん延防止措置が全面解除され、桜を楽しむ等、接触機会の増加が可能性を高める。現在流行中のオミクロン株は「BA.2」と称する変種のようで、感染力は高いが、重症化するリスクは高くないと言われている。

 ただ、ワクチン接種率が上がれば、感染者数が下がる可能性があるとの見方もある。しかし、これまでの経験からもその通りであろうが、一時的な減少に過ぎない気がする。集団免疫効果が余り期待できないため、いったん収まっても再拡大する可能性が高い。

 イスラエルは世界に先駆けてワクチン接種を開始し、国民の約70%が少なくとも1回の接種を終えた昨年5月から6月にかけては、感染者数や死者数がゼロに近づき、新型コロナウイルス感染症の終息に成功したかと期待された。しかし、7月以降、デルタ変異株による感染の再拡大に見舞われた。原因は変異に伴う感染力が強くなったこと、あるいはワクチンの感染予防効果が減少したことが考えられている。

 現在、イスラエルでは4回目のワクチン接種が進められているが、同国のある病院が、初期段階での研究結果として、4回目の接種で抗体の量は増えたものの、オミクロン株の感染を防ぐ効果は十分には得られない可能性があると1月に発表した。イスラエルは世界の中でもワクチン接種が一番進んだ国であるが、集団免疫効果が現れず、感染終息の話は聞こえてこない。

 さて、冬季北京オリ・パラが3月14日無事閉幕した中国では、政府の進める”機動的ゼロコロナ対策”で感染者をほぼゼロに抑え込んでいたと思われた。しかし、中国の衛生当局は3月16日、前日に確認された中国本土の新型コロナウイルスの市中感染者が3054人だったと明らかにした。オミクロン株が急拡大し、各地で事実上の都市封鎖や厳しい行動制限が相次いでいるそうだ。

 上海の4月4日の市中感染者は1.3万人を越えたとのことだ。5日に解除予定であったロックダウンも当面延期されることになったそうだ。ただ3月中旬以降は無症状感染者数が急激に増加し、感染者の96%が無症状だったそうだ。

 中国では一人でも感染者が発見されるとその地域全体の住民対象にPCR検査が強制的に実施されるそうで、無症状の感染者の割合も正確な数値であると思われ、この数値を信ずれば、ほとんどのコロナ感染者が無症状となる。

 中国政府は、「オミクロン株は重症率や致死率は低いが、感染力は強く、感染者数が増大すれば重症者、死者の絶対数が大きくなり得る」として、従来の政策を継続する理由を説明している。世界の動向は経済的な活動を重視し規制を緩める方向であり、日本も同様であるが、中国の今後の政策に注目される。2022.04.06(犬賀 大好ー804)


日本の経済政策は物価上昇促進か抑制か

2022年04月02日 09時56分04秒 | 日々雑感
 日銀は今年3月の金融政策決定会合で、従来通りの金融緩和を継続すると決めた。黒田総裁は今年1月の金融政策決定会合の後の記者会見で、”賃金上昇を伴わない資源高主因の物価上昇は一時的にとどまる”と述べ、最近の諸物価の値上げラッシュにも拘わらず金融緩和政策を続行する決意を示していたが、今回もその姿勢は全く変わらない。

 日銀の黒田総裁と安倍元首相が始めた異次元金融緩和はデフレ脱却が目的で、市中に金を溢れさせ諸物価の値上がりを目指しており、ゼロ金利政策もその一環だ。

 昨年2021年は世界の多くの国・地域においてインフレが加速し、歴史的な高水準となり、米国の12月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比+7.0%に達し、39年ぶりの高水準となり、金融政策を決めるFRBは、2022年中に3回の利上げを見込む。日本の金利より米国のそれが高くなると円安が進み輸入品の値上げとなり、これも日銀が望むところであると解釈できる。

 しかし、金融緩和に関係なく日本では去年から相次ぐ値上げラッシュだ。コロナ禍で原材料費や輸送費が高騰していた中、ロシアによるウクライナ侵攻がさらに追い打ちをかけた。小麦粉はアメリカなど主な産地で不作となったことや、ウクライナ情勢の悪化で国際価格が上昇したそうだ。政府は4月から製粉会社に売り渡す価格をおよそ17%引き上げる予定だ。トマトソースや食用油も価格が上がるそうだ。 

 総務省の統計局による今年2月の消費者物価指数の総合指数は2020年を100として100.7、前年同月比は0.9%の上昇、前月比は0.5%の上昇となっており、どの値も昨年からの値上げラッシュとは無縁の数値だ。統計処理に時間がかかり数値にまだ反映されていないのか、あるいは値上げラッシュと言っても極一部の商品だけの話で全体的には値上げとなっていないのかよく分からない。兎も角、現在の消費者物価指数は現状を表していない。

 岸田総理大臣は3月29日の閣僚懇談会でウクライナ情勢に伴う物価の上昇をめぐり“原油や穀物の国際価格が高騰し、一部の水産物などの安定供給に懸念が生じている。社会経済活動の順調な回復の妨げにならないような対策が必要だ”との主旨の発言をし、小麦などの価格上昇に伴う食料品や飼料などへの対策等、緊急対策を策定する考えを示した。これは夏の参院選に向けた物価高騰対策であるが、日銀の物価上昇への施策と真逆の対策である。

 このように現日本では、物価高騰の要因と物価低迷の要因が入り乱れており、物価高騰の主因は海外にあるかも知れないが、物価低迷の原因は国内にある。日本の一流の経済通が集まっていると思われる金融政策決定会合は、この10年成果を見ない異次元金融緩和をまだ続けるようであるが、海外の動きは想定外の方向に向かっている。

 借金大国の日本は国際情勢の変化に対応できるか、甚だ心配だ。2020.04.02(犬賀 大好ー803)