日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

マイナンバーの普及はデジタル庁がやっていると思っていたが

2022年04月23日 14時27分56秒 | 日々雑感
 マイナンバーは、住民票を持つ日本国内の全住民に付番される12桁の番号だ。このカードは日本国民に個別の番号を付し、税金や健康保険等の行政サービスをこのカード一枚で受けられるように、昨年2021年5月19日に公布され2016年から運用が開始された。

 マイナンバーによって個人の特定が確実になるため、行政機関の間で情報連携することにより事務処理もスムーズとなり、行政サービスが向上する筈である。例えば引っ越しをする場合、役所へ転出・転入届け、国民健康保険や国民年金の住所変更、児童手当や保育園・幼稚園の転園手続き等、何枚もの書類を書かなくてはならなかったが、これらの手続きが1枚の書類で済むとなれば利便性が格段に高まることが予想できるが、人生において引っ越しは頻繁に起こる訳ではなく、この利便性もなかなか一般に広がらない。

 当初、国民皆背番号制と揶揄されたように、複数の銀行に口座を有する人もすべて同一人と分かり、税金逃れが出来無くなり、完全に公に晒される少額の預金者にとって公平感が増すとの期待があったが、金持ちの反対意見も根強く遅々として進んでいないようだ。

 またコロナ禍でいろいろな補助金が支給されているが、その支払い対象が適切かどうかを調べる事務作業が煩雑で、急ぐあまり不適当な支払いも結構あるとの話である。マイナンバーが徹底されておれば、事務作業がスムーズの行われていただろうにとの恨み節も聞かれる。

 政府は2023年3月末までにほぼ全国民のマイナンバーカード取得を目指している。ちょうど1年前、2021.04.14に”創設されるデジタル庁は縦割り行政の弊害を打破できるか”のブログを記したが、総務省や内閣府などに所管がまたがっている業務をまだ一本化は出来ておらず、道のりは遠そうだ。

 総務省は現在マイナポイント事業として普及の音頭を取っている。先述のように、マイナンバーを所有する個人的なメリットが余り感じられず、折角取得したマイナンバーカードも机の中にしまい放しの人も多いだろう。そこでマイナーカードをナイナーポイントと結び付け、キャッシュレス決済サービスの利用等のメリットを宣伝しているが、当初想定した国の行政手続きの簡易化とは関係のない話だ。

 マイナンバーカードを健康保険証としての利用すると複数の病院での事務手続きが簡単になる等の利便性が増すが、利用申込みを行うと7,500円相当のポイントが付与され等の「馬の鼻先に人参をぶら下げる」作戦も展開している。

 マイナンバーの普及は一般国民にとって行政サービスの向上に役立つであろうが、それよりお役所の組織の簡素化にも役立つこと間違いない。しかし、現時点でそこで働くお役人にとって、自分の首を絞めかねず、普及には消極的になるだろう。

 デジタル庁は菅前首相の肝いりで創設された。岸田現首相に組織の一本化等の再構築をする熱意はあるだろうか。2022.04.23(犬賀 大好ー809)