先日、政府が日銀総裁として再任した黒田東彦氏は、デフレからの完全脱却に向け、総仕上げを果たすべく全力で取り組む覚悟だと、大規模な金融緩和路線を続ける方針を表明した。
総裁が ”2019年度ごろには出口を検討する” とちょっと触れただけでも市場は円高になるなど、緩和縮小の発言は市場を混乱させるため、続行すると言わざるを得ない状況でもあるのだ。某財務省幹部も、日銀が路線変更に動き始めたと市場が感じた時に混乱するリスクを怖れていると発言しているのだ。
一方では、国債の買い増し量も年80兆円を目途としているが、最近は年40~60兆円程度に縮小し、既に日銀は出口に向かっているのは誰が見ても明らかであるが、”出口を検討”と口にすること自体にそんなに影響力があるとは理解に苦しむ。
新しく任命された副総裁の一人は若田部早稲田大学教授であるが、・2%達成以前の出口戦略の発動はあり得ない、・達成したからと言って直ぐに出口をやることもあり得ない、・副作用はまだ顕在化していない、と語っているそうだ。
若田部氏はリフレ派の論客とのことであるが、リフレ派の主張は長期国債を発行して一定期間これを中央銀行が無制限に買い上げることで、通貨供給量を増加させて不況から抜け出すことが可能だとするものであり、異次元金融緩和の根拠そのものである。
前任の副総裁の岩田規久男 学習院名誉教授は2013年の就任時、2年で2%を達成できない時は辞任する、決して言い訳しない、と大見得を切ったが、現在目標達成の目途すら立っていない。岩田氏はリフレ派の理論家で有名であったらしいが、どうも経済学者の話はまともに信ずる気になれない。
さて異次元緩和だけでは2%達成困難と見るや、デフレ脱却には財政出動による後押しも必要だ、との声が首相の周辺で高まっているそうだ。この急先鋒が本田悦朗駐スイス大使であり、彼が日銀副総裁候補に挙がっていたが、財務省が猛反対した結果、若田部早大教授に決まったそうだ。しかし若田部氏も財政出動を主張する可能性があるそうだ。
財政投資とは税金や国債などの財政資金を公共事業などに投資することによって公的需要・総需要を増加させ、国内総生産(GDP)や民間消費などの増加促進を図ることであるが、1000兆円を超える国の借金を更に増加させる方策だ。財政健全化の第1歩であるプライマリーバランスなどどこ吹く風だ。
既に異次元緩和により市場には資金があふれ、一部不動産バブルも起こっているとの話だ。また、企業の内部留保は400兆円を超えていると言うのに、物価上昇2%は達成されていない。財政投資により、庶民に金が回る勝算があるのだろうか。
異次元金融緩和による副作用に関しては、将来の金利上昇局面で日銀の財務が悪化する等が指摘されているが、それが庶民にどう影響するか経済素人には理解できないことが多い。しかし、金融緩和中止宣言による市場混乱が副作用の一つらしいことは解る。
また、銀行に対する副作用も理解できる。すなわち日銀の超低金利政策が長期化すると、銀行の利ざや縮小や収益悪化といった副作用があることは理解できる。何しろ銀行の儲けの基本は多くの人から安い利子で金を集め、企業に高い利子で貸付て、その差で儲けるのを役目とする話は、中学生くらいの時に教えられた。
銀行の収支悪化や、銀行の業務のAI化による効率化で今後人員整理も避けられないと、銀行業務の先行きはさほど明るくないと思うが、今年も大学生の就職人気度は高く、相変わらず銀行が上位を占めているようだ。銀行には長年培われてきた蓄積があり、給与は高く、福利厚生は完備しており、ここで指摘される副作用は騒ぐほどでは無いようだ。2018.03.21(犬賀 大好-426)
総裁が ”2019年度ごろには出口を検討する” とちょっと触れただけでも市場は円高になるなど、緩和縮小の発言は市場を混乱させるため、続行すると言わざるを得ない状況でもあるのだ。某財務省幹部も、日銀が路線変更に動き始めたと市場が感じた時に混乱するリスクを怖れていると発言しているのだ。
一方では、国債の買い増し量も年80兆円を目途としているが、最近は年40~60兆円程度に縮小し、既に日銀は出口に向かっているのは誰が見ても明らかであるが、”出口を検討”と口にすること自体にそんなに影響力があるとは理解に苦しむ。
新しく任命された副総裁の一人は若田部早稲田大学教授であるが、・2%達成以前の出口戦略の発動はあり得ない、・達成したからと言って直ぐに出口をやることもあり得ない、・副作用はまだ顕在化していない、と語っているそうだ。
若田部氏はリフレ派の論客とのことであるが、リフレ派の主張は長期国債を発行して一定期間これを中央銀行が無制限に買い上げることで、通貨供給量を増加させて不況から抜け出すことが可能だとするものであり、異次元金融緩和の根拠そのものである。
前任の副総裁の岩田規久男 学習院名誉教授は2013年の就任時、2年で2%を達成できない時は辞任する、決して言い訳しない、と大見得を切ったが、現在目標達成の目途すら立っていない。岩田氏はリフレ派の理論家で有名であったらしいが、どうも経済学者の話はまともに信ずる気になれない。
さて異次元緩和だけでは2%達成困難と見るや、デフレ脱却には財政出動による後押しも必要だ、との声が首相の周辺で高まっているそうだ。この急先鋒が本田悦朗駐スイス大使であり、彼が日銀副総裁候補に挙がっていたが、財務省が猛反対した結果、若田部早大教授に決まったそうだ。しかし若田部氏も財政出動を主張する可能性があるそうだ。
財政投資とは税金や国債などの財政資金を公共事業などに投資することによって公的需要・総需要を増加させ、国内総生産(GDP)や民間消費などの増加促進を図ることであるが、1000兆円を超える国の借金を更に増加させる方策だ。財政健全化の第1歩であるプライマリーバランスなどどこ吹く風だ。
既に異次元緩和により市場には資金があふれ、一部不動産バブルも起こっているとの話だ。また、企業の内部留保は400兆円を超えていると言うのに、物価上昇2%は達成されていない。財政投資により、庶民に金が回る勝算があるのだろうか。
異次元金融緩和による副作用に関しては、将来の金利上昇局面で日銀の財務が悪化する等が指摘されているが、それが庶民にどう影響するか経済素人には理解できないことが多い。しかし、金融緩和中止宣言による市場混乱が副作用の一つらしいことは解る。
また、銀行に対する副作用も理解できる。すなわち日銀の超低金利政策が長期化すると、銀行の利ざや縮小や収益悪化といった副作用があることは理解できる。何しろ銀行の儲けの基本は多くの人から安い利子で金を集め、企業に高い利子で貸付て、その差で儲けるのを役目とする話は、中学生くらいの時に教えられた。
銀行の収支悪化や、銀行の業務のAI化による効率化で今後人員整理も避けられないと、銀行業務の先行きはさほど明るくないと思うが、今年も大学生の就職人気度は高く、相変わらず銀行が上位を占めているようだ。銀行には長年培われてきた蓄積があり、給与は高く、福利厚生は完備しており、ここで指摘される副作用は騒ぐほどでは無いようだ。2018.03.21(犬賀 大好-426)
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