日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

政治家の芸人並みのパフォーマンス

2019年08月10日 09時14分29秒 | 日々雑感
 臨時国会開催の日、カメラを前に”NHKをぶっ壊す”と何度となく決めポーズを見せていたのが比例で約99万票を集め、今回の参院選で初当選した、”NHKから国民を守る党”の立花孝志党首だ。まるで吉本興業のお笑いの芸人だ。

 氏は、NHKテレビにも登場し、NHKと受信契約するが受信料は払わないと公言した。このように刺激的な発言を繰り返すのも、大衆受け狙いの迎合主義の表れかも知れないが、発言の内容は一理ある。

 放送法には、受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない、と規定されているが、受信料を払わなくてはならない、という文言はなく、支払いについては義務付けてはいないのだ。従って、払わなくても法律違反とはならないのだ。

 受信料の不払いに関してこれまで度々マスコミでも取り上げられてきたが、公共放送であるNHKの受信料は当然払うべきものと、深く考えたことは無かった。

 2017年度末、NHK放送受信料の推計世帯支払い率79.7%だったそうで、約2割の家庭が支払っていないことになり、結構な人数が支払い義務が無いことを既に知っていたようだ。大阪市の松井市長も、現職国会議員の受信料不払いを認めるなら、大阪市も役所で契約する分の支払いを拒否すると言い出した。

 この騒ぎに驚いたのか、NHKが先月30日、ホームページに警告文を掲載した。これには、”受信料を支払わなくてもいい、と公然と言うことは、法律違反を勧めることになります”、と書いてあったようだが、8月始めには削除されたようで、現時点では見当たらない。

 クギを刺したつもりが火に油で、NHKの運営の基礎となる放送法の抜け穴を自ら曝してしまった。墓穴を掘るとはこのことだ。今後、受信料不払い世帯が続出する原因になりそうだ。

 立花参院議員は上辺は軽いが、NHKにとって強烈台風の目玉になりそうだ。

 現在、NHKはインターネットと放送の融合で受信設備の多様化が進み、受信料の請求範囲を広げようとしているが、放送法の改正に関しては話題にもなっていない。この点では立花議員の今後の活躍を期待したい。

 政治家の過度なパフォーマンスは大衆の注目を集めること、すなわち票を集めることに間違いないが、立花議員に始まった事ではない。

 自民党の桜田義孝前五輪相は今年5月、岩手出身の高橋比奈子衆院議員のパーティーであいさつし、”復興以上に大事なのは、高橋さんです”と、刺激的な発言をしたのも、注目を集めたいパフォーマンスからであろう。

 極め付きは、塚田一郎前副国土交通相である。塚田氏は、下関北九州道路の道路建設の推進を総理とか副総理が直接言えないので、私が忖度して予算計上したと自慢げに語ったそうだ。自分の力を誇示するためのパフォーマンスであろうが、先の参院選で落選したのは当然だ。

 さて、先の立花参議院議員は、前言を翻し8日NHKの受信料を8割分支払うと宣言したようだ。議員に当選したため早くも保身に走り始めたと思われる。情けない。2019.08.10(犬賀 大好-571)



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