今回の新型コロナウイルス騒動の切っ掛けを作った中国武漢では世界に先駆けてコロナウイルスを終焉させ、封鎖を解除し、経済活動を始めたと習近平国家主席は胸を張るが、それだけ自信があれば世界のモデルとして情報公開を徹底して欲しいものだ。
4月8日、2カ月半にわたるロックダウン解除された武漢市内では外出制限はなくなり、公共交通や職場は復旧し、市内にはかつての賑わいが戻り、市民は平穏な日常生活を取り戻しつつあるとのことだ。実際、4月4日からのほぼ1か月間新たな感染者が出ておらず、4月26日には入院患者が全て退院し、それ以降は武漢市では感染者がいないという状態が続いていたそうだ。しかし5月9日には1人、10日には新たに5人の合わせて6人の感染が確認され、武漢市は10日以内に全市民にPCR検査をすると決定した。
6月2日地元当局は、5月14日から今月1日までに、およそ990万人の市民にウイルス検査を実施し、無症状の感染者が300人いたが、発熱などの症状のある感染者は1人も確認されなかったと報告した。そもそも今回の検査を実行する切っ掛けが、新規感染者が見つかったことであったが、彼らは症状があったから見つかったのであろう。それ以降症状の出ている感染者が皆無とは到底信じられない。
もし彼らを含めて無症状であったとすれば、感染者をどうやって見つけたのであろうか。無症状の人でも見つけ出す検査が普段から行われているとすれば、立派な対策であるが、中国のことだ無症状であればわざわざ発表する筈が無いし、無症状の人300人とはどう考えても信じられない。
恐らく無症状とは日本で言う無症状と同じ定義ではないのであろう。一方、1000万人近い市民を検査した早さと費用は見習いたいものだ。検査に2週間要したとして、1日当たりの検査人数は、70万人以上になる。検査にあたっては、複数の人の検体をまとめて検査する手法も使って効率化を図ったとしており、かかった費用は日本円で130億円余りだったとされており、計算上1300円/件位だ。
日本ではPCR検査の費用は1件当たり2万円との報道があるが、この違いは効率化の違いであろうか。共産党一党独裁政権ならではの感がするが、それでも見習うべき点はある。経済再開による感染者数のぶり返しは東京でも起こっており、武漢での対応の仕方を本来であれば参考にすべきであろうが、中国の発表には政治的な宣伝の色彩が濃いため、どこまで本当か分からない。
さて、封鎖開始の2日後の1月25日から3月24日までの60日間、武漢での日々の暮らしを日記に綴った作家、方方さんが今、国内で激しいバッシングにさらされているそうだ。方方さんの日記の英語訳班の予約販売が始まったのは4月始めだそうで、その頃からバッシングが始まったのであろう。バッシングの内容は武漢の恥をさらけ出し、売国奴だと言った非難らしいが、当然バッシングの裏には政府が糸を引いていると思われる。
武漢での感染が再発し始めたのは5月の始めであり、再発時の様子やその対応の仕方こそ外部の人間にとって参考にしたいことであるが、政府にとって公にしたくないことが沢山あるのだろう。方方さんの日記がバッシングされていること自体に習氏の発表内容にかなりの脚色があることを伺わせる。2020.07.01(犬賀 大好-613)
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