日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

今回の市長選の結果横浜のIR誘致は当面無くなったが

2021年08月28日 10時57分42秒 | 日々雑感
 横浜市長選挙が8月22日に投開票され、新人で元横浜市立大学教授の山中竹春氏が、元閣僚の小此木八郎氏や現職の林文子氏等を破って、初当選を果たした。小此木氏は元自民党議員でありながらIR誘致反対の立場から立候補したが、獲得投票数は2位ながらも大差で敗れた。

 これまでIRを推進してきた菅首相もIR反対に豹変し小此木氏を応援した。横浜市は菅首相のおひざ元であり、本来はIR推進の立場から、現職の林文子市長を支持するのが自然であったろうが、林氏では当選できないと判断したためと言われている。当面の不利益を我慢して、将来の利を得るための高度な政治的な判断かも知れない。

 林氏は、少子高齢化社会の中で横浜市の長期財政健全化を目的にIRの誘致を促進していた。IRは利権の巣窟であり負の側面も大きいが、それでもIRを誘致するとは余程儲かる商売であろう。

 山中氏の当選で横浜市へのIR誘致は当面無くなったが、未来永劫かと思うとそうでもないだろう。ここで思い出すのは1995年東京都知事選挙である。それまでの都知事であった鈴木俊一氏は、東京臨海副都心の再開発を目的に世界都市博覧会を招致することを公約にして立候補した。

 当時、都市機能が東京都区部へ過度に集中したため、通勤混雑や住宅の取得難、災害に対する脆弱性といった大都市問題が深刻化しており、東京臨海副都心での博覧会開催は一層深刻化させるとして、博覧会を中止し開発見直しを掲げた青島幸男氏が選挙戦に勝利した。

 青島氏は世界都市博覧会中止を決め、東京臨海副都心開発は見送られた。しかし、青島氏の活躍はそこまでで、大都市問題に対する実績には見るべきものが無い。次の石原慎太郎都知事は臨海副都心開発を目的にオリンピック誘致を掲げた。その結果が、2021年の東京五輪である。臨海部の再開発を目指し、当初コンパクトな開催をコンセプトにしたが、有耶無耶になってしまった。新たに臨海部に建設されたスポーツ施設は今後維持費が懸念され明るい未来が待ち受けているわけではない。

 また、選手村跡地は晴海フラッグを称する大型居住区に生まれ変わる予定であるが、現時点では若者の居住希望者が圧倒的に多いと言う話であるが、人間は歳を取り高齢化が待ちうける、いつまで持つであろうかの不安は残る。

 山中氏の横浜市長就任でIR建設は当面無くなったが、建設予定地の山下埠頭の再開発問題、横浜市の財政健全化問題は残る。これらの問題に適切な解決の処方を示さなければ、いずれこの問題は再発すると予想される。2021.08.28(犬賀 大好ー741)



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