日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

オリンピック開催費用の削減のためIOCは努力を

2017年01月18日 09時29分42秒 | 日々雑感
 8000億円で開催できるとして手を挙げ、開催が決定した東京オリンピック・パラリンピックは、一時期2兆円~3兆円要するのではないかと心配させた。昨年末になって、ようやく4者協議が開催され、組織委員会が大会全体の総費用が1.6兆円~1.8兆円となる試算を発表した。開催が決定してから、3年以上経つが、まだなお推測部分が多く気休めの数値の気がする。実行段階になると予算をオーバーするのが日本の常識であるので、恐らく簡単に2兆円を超えると予想される。 

 東京大会の次の2024年の五輪開催地は、今年の9月、ペルーのリマで開催予定の第130次国際オリンピック委員会(IOC)総会で決定するそうだ。当初は26に及ぶ都市が立候補を検討していたが、次々と撤退した。その理由の多くが巨額の開催費用が必要とのことで、地元住民の反対によって立候補を断念した都市も少なくないとのことである。

 開催する金があれば住民サービスの為に使えとのことであろう。当初は、モロッコのカサブランカ、インドのニュデリー等も開催の意志を示し、そこでの開催に大きな期待を抱いていたが、途中で断念してしまった。そして最終的に立候補しているのはフランスのパリ、ハンガリーのブダペスト、アメリカのロサンゼルスの3都市だそうだ。

 リオデジャネイロの五輪が南米初ということで決まったように、ブタペストもハンガリー初であり、個人的には大いに期待している。IOCも多彩な都市での開催を望んでいるようであるが、経済面の課題があり住民の反対も根強くあるといわれ、見通しは暗い。

 ブタペストを除けば、パリとロサンゼルスとなり、いずれも3回目になる。つまり五輪開催が可能で立候補できるのは、経済的に余裕のある限られた都市になってしまうのだ。ともあれ、この流れでは今後の五輪は毎度お馴染みの都市で何度も行われる大会になってしまうわけだ。

 それを避けるために、開催費用を低く抑えることが今後の優先課題になっており、IOCも開催都市には約15億ドル(約1740億円)の支援金も準備したり、既存施設の活用や分散開催などを本格的に推奨するなど努力はしているようだ。

 さて、過去の五輪開催費用はどれくらいかかっていたのであろうか。各種発表されているが、ばらつきも多い。インフラ整備等に要した費用を五輪開催費用に含めるか等、考え方によって大幅な開きが出てしまうのであろう。ロンドン五輪(2012年開催)は、100億ドル~150億ドルであり、リオ五輪は(2016年開催)50億ドル~120億ドルと、言われている。1ドル100円で換算すれば、100億円は1兆円となるので、1兆円程度の費用がかかってしまうのであろう。

 ”オリンピックは参加することに意義がある” の精神からすれば、IOCの言うように、各大陸での多彩な都市での開催が理想的であろう。そこで経費削減のためにIOCは更なる努力をするべきだろう。

 例えば、参加種目の制限である。ほとんどのスポーツ種目には、オリンピックの他に世界選手権とかワールドカップがあり、その違いが問われている。ゴルフやテニスなど、毎週、毎月のように世界の選手が参加する試合が行われているのに、わざわざオリンピックで行う必要は無いであろう。

 また、オリンピックは国を代表して試合に臨む名誉のためとの大義の下、賞金は出ない。名誉は腹の足しにならないと、賞金の出ないオリンピックに、何か理屈をつけて参加しないトップ選手もいる位だ。一層のこと、アマチュア選手に限る等の、本来の姿に戻すべきであろう。また、サッカーのように年齢制限を設ける等、オリンピックならではの工夫も必要だ。

 また、競技場の広さ、あるいは観客席の数を最小限に制限すべきだ。会場が大きく、大勢の観衆を動員した方が、選手の励みにもなり、盛り上がることは間違いないであろう。世界新記録等は世界選手権やワールドカップに任せておけばよい。記録より、記憶に残る競技に徹底すべきであろう。

 IOCは、各種目の代表の国際連盟等の意見を聞き過ぎているのではないか。各団体はアスリートファーストとばかり、贅沢を押し付けてくる。もっとリーダシップを発揮し、経費削減のため独自の考えを前面に押し出すべきだ。2017.01.18(犬賀 大好-304)

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