日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本人のルーツを探ることは興味深いが!

2019年06月01日 09時24分57秒 | 日々雑感
 DNA(デオキシリボ核酸)解析の目的は、すべての生物が持つ遺伝情報伝達物質であるDNAの塩基配列を読み取ることにより、ある種の病気に関する発症リスク、体質、祖先のルーツなどについての情報を得ることである。DNAは分子の塊であり、分子の配列の仕方に遺伝情報を保持している物質として遺伝子の本体あるいは遺伝情報の本体と呼ばれるそうだ。

 生物であることの定義の一つは遺伝子を有することであり、遺伝子は生体を形成する全細胞に含まれ、一生変化することなく、親から子へと引き継がれていく。その過程で突然変異によって、塩基配列が変化することがあるが、原則そっくり伝えられるために、その家系が有する体質や先祖のルーツなどが分かる訳である。

 さて、今年5月13日、国立科学博物館などの研究チームが北海道・礼文島の遺跡で出土した3500~3800年前の縄文女性の歯から採取したDNAを分析した結果を発表した。

 この縄文人は現代の日本人と比べ肉や魚を消化しやすい遺伝子を持ち、肉など高脂肪食の消化を効率的に助けるタンパク質を作る遺伝子を有し、この特徴はアザラシなど肉食が中心の北極圏のエスキモーに多くみられ、現代の多くの日本人にはみられないという。

 国立科学博物館の篠田謙一人類研究部長は、縄文人の特性がかなり分かり、今後は日本人の成り立ちとの関わりも解き明かしたい、と話しているそうだ。日本人のルーツに関しては、これとは別のDNA解析からも次第に明らかにされてきている。

 ハプログループとは、人間の細胞内のミトコンドリアと呼ばれる小器官のDNAの型により分類される遺伝的なグループである。ミトコンドリアは祖母から母親、母親から自分と母系を伝って受け継がれるため、ミトコンドリアのDNAを調べることによって母系の祖先のルーツを辿ることができると考えられている。

 様々な研究が進んでいる現在では、各ハプログループに属する人々の母系の祖先が、人類誕生の地とされるアフリカからどのような経路で大陸を移動して日本に辿り着いたかが少しずつ明らかになってきているようだ。

 中国中部が起源とされるハプログループDは、35%以上の日本人が該当する最大のグループだそうだ。中国中部が起源と言っても、人類誕生はアフリカとのことであるので、ある時期アフリカから移動したある集団が中国中部に留まる間に突然変異を受け、グループDを形成したのであろう。

 このグループは、日本以外では中国や朝鮮半島にも多く、中国中部で原始的な稲作を開始し、その技術とともに日本へやって来ることで弥生時代の到来に貢献したと考えられている。

 大相撲ではモンゴル出身の力士が大活躍であるが、モンゴル人の顔つきは日本人そっくりである。日本人のルーツの一部は中国中部にあるとの説はなるほどと納得できる。

 また、中国南部が起源とされるハプログループBは、ハワイを含む太平洋の島々から南米大陸まで、全世界に分布を拡げた開拓精神あふれるグループで、 日本人の約13%が該当するそうだ。このように日本人は地球上のあちこちからやってきた人々の混血であると考えられている。

 さて、日本の天皇は万世一系と称され、ある系統が脈々と引き繋がれてきたと説明される。一般日本人のような混血が無いとすると、そこに独特なDNAが存在し天皇家のルーツが縄文、弥生時代まで遡って分かるかも知れない。非常に興味深いが、宮内庁を始め右翼系の人々はこのDNA解析に猛反対するであろう。2019.06.01(犬賀 大好-551)


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