日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日韓問題への打開は若い世代の台頭を待たなくてはならないのか

2019年11月20日 09時17分47秒 | 日々雑感
 日韓間の懸案である日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は韓国政府の翻意が無ければ、二日後深夜をもって終了することになるそうだ。

 米国は日米韓3ケ国安全保障体制維持の必要性から国務次官をソウルに派遣する等、撤回するよう説得を試みているが、韓国政府は日本が一連の経済制裁措置を撤回しない限り、破棄の方針を変えるつもりはない、と強硬姿勢を崩していないようだ。文大統領は安全保障より経済問題を最優先させているのだろう。

 韓国の世論調査会社;リアルメーターは11月7日、GSOMIA破棄の賛否を問う世論調査の結果を発表した。結果はこのまま破棄すべきが撤回すべきを10ポイント程上回り、韓国世論も後押しているようだ。

 GSOMIAは北朝鮮に対する備えが主と思われる。最近北朝鮮は短距離ロケットを頻繁に打ち上げる一方、文大統領の北朝鮮戦略も金正恩委員長から袖にされているが、それでも韓国国民の多くは文政権を支持しているのだ。これも韓国には北朝鮮を故郷とする人、北朝鮮に親戚を有する人等が多く存在し、北朝鮮をそれほど脅威と感じてはいないと言うことだろうか。

 米国は韓国に防衛費分担金の大幅引き上げも要求している。分担金はこれまでの数倍になる50億ドル(約5000億円)を要求しており、破棄を思い止まらせる脅かしと言われている。米軍関係者は破棄の撤回に重きを置くが、トランプ大統領はそれより分担金の増額に関心があるとのことであり、来年の大統領選挙にはその方が得だと判断しているのだろう。

 さて、世論調査会社;コリア・リサーチ・センターの11月始めの世論調査によれば、文大統領の国政運営について評価すると評価しないは伯仲しているようだ。文政権が米国の圧力に屈する形で破棄を撤回すれば、政権支持率低下に繋がる恐れもあり、文大統領は寝られぬ毎日を送っていることだろう。

 来年4月の韓国総選挙を前に支持層を結束しなければならない時に、撤回するにしても米国の圧力に屈したという形ではなく、国民を納得させることのできる大義名分が必要となるが、何かあるだろうか。マスコミ報道では撤回を一時延期する位が関の山だ。

 韓国の文喜相国会議長は、文大統領の窮地を見兼ねたのか、日韓の企業と国民の寄付に基づいて新たな基金をつくり、元徴用工らに支給する法律案を提案した。日韓問題の一つの打開策ではあるが、日本政府は韓国政府からのきちんとした提案でない限り、外交上の検討材料にはならない、とにべもない。

 さて、一方では民間同士での友好関係を築こうとの動きが盛んになりつつあるようだ。慰安婦も徴用工も直接関係ない若者にとって隣国同士の文化的交流は当然の流れであり、政府の規制も及ばないであろう。もう少し時間が経てば大きな流れとなるであろうが、来年4月の韓国総選挙に影響するまでにはなりそうにない。

 今週末のGSOMIAの成り行きが当面の関心事である。文国会議長の動きは不評だが、文大統領の体面を維持しつつ何かしらの妥協案が早急に期待されるが、見通しは極めて暗い。歴史にとらわれない若い世代の台頭を待つしかないのであろうか。2019.11.20(犬賀 大好ー550)


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