日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

コロナ後の経済GDP3%以上は望みがあるか

2021年12月25日 14時31分25秒 | 日々雑感
 政府は12月23日、2022年度の国内総生産(GDP)成長率について、物価変動の影響を除いた実質で前年度比3.2%増とする経済見通しを閣議了解した。この値は7月時点の2.2%増から1.0ポイント引き上げた数値であるが、最近聞かれなくなった財政健全化の議論においても、経済成長率を3%以上と現実離れした数値を掲げていたが、岸田政権でも超楽観的な姿勢は同様であると心配になる。

 しかし、この楽観的な目標は、少なくとも新型コロナウイルスの再度の感染拡大が回避され、更に政府の掲げる成長路線が旨く軌道に乗ることを前提としているのだろう。最近大阪や京都でオミクロン株の市中感染者が見つかったとのことで、その感染力の強さから急激に拡大する懸念が出てきており、早くも雲行きが怪しくなってきた。

 オミクロン株については、重症化の程度やワクチンの有効性など、まだ分かっていない点が多いが、仮に今後感染が拡大し再度の行動制限強化に追い込まれる場合には、予測値を大きく下振れる懸念がある。また、歴代政府の掲げる成長路線は旨く行った試しがなく、コロナと関係なく根本的な問題を抱えている。

 逆にオミクロン株が大したことなく終焉し、新型コロナウイルス感染が収まったとしても、感染収束後の課題の一つは人手不足と思われる。この人手不足の問題は、コロナ禍に関係した短期的な問題と日本が抱える根本的、長期的な問題がある。

 前者の問題として例えば、自粛要請期間が長く対面型サービス業は人手を減らさざるを得なかったが、感染が収まりお客さんが戻ってきたとしても急に人手を増やすことが出来ない問題があるそうだ。飲食店等のサービスで職場を失った学生アルバイト等が流通業等へ流れ、人手を呼び戻す賃上げをしたいが余力に乏しいことなどから、今後厳しい環境が待ち受けているようだ。

 そもそも今の日本は少子高齢化社会の真っただ中にあり、生産労働人口がどんどん減っている。この人口減を省力化や外国人労働者で補おうとしているが、後者に関してはコロナ禍で大幅に制限されている。

 一方日本企業の労働生産性が低いと言う根本的な問題も背景にある。日本企業がもっとも得意としてきたのは、安価な製品を大量生産するというビジネスモデルであったが、今の時代は中国企業や東南アジア企業の独壇場となってしまった。

 このような職場環境を改善する必要があると10年以上前から叫ばれていたが、一向に改善されず労働者の給与が上がるどころか、下がっているのが現状だ。岸田首相は、”新しい資本主義”、”分配と成長”のキャッチフレーズを掲げるが、中身はどうもはっきりしない。こんな状況ではGDPが3%以上はお先真っ暗だ。2021.12.25(犬賀 大好ー775)


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