日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

中国に見る庶民の足の電気自動車

2023年07月01日 10時12分39秒 | 日々雑感
 中国、欧州そして米国の自動車市場以外では電気自動車(EV)の存在感は未だ薄いが、世界全体の7割のシェアを持つこれらの市場でのEV導入の拡大には目を見張るものがある。国際エネルギー機関(IEA)によると世界のEV生産の約6割は中国が担っているようで、その中国はEVをテコに今年第1四半期に遂に日本を抜き世界一の自動車輸出国にのし上がったとのことだ。 

 中国自動車工業協会(CAAM)によると2021年(1〜12月)のバッテリー駆動EV(BEV)の販売台数は約291万台で、販売割合は約11%となり、また、2022年1〜9月は、約18.4%を占めるまでに成長しているそうだ。

 このように中国でのEVの発展は目覚ましいが、この陰に隠れて余り話題にはなっていないが、小型の電動3輪車または4輪車の普及もすごいらしい。通常の乗用車には衝突時の安全性など多くの基準や法規制が課せられているが、中国ではその枠外にある小型の電動車が存在し、免許不要で、これらの人が街中を走っているというのだ。これらの小型電動車は、日本の軽自動車より小さく、自転車と同じように、車両登録の必要が無く、従ってナンバープレートも無いし、更に、車体の安全基準や車検制度、走行ルール等もあいまいで、保険に入る必要もないとのことだ。

 渋滞が日常的に発生する北京で、小型電動車は渋滞車両の脇を器用にすり抜けて行くだけでなく、あるときは車道を走り、ある時は歩道を走っていく。また、都市部では、タクシーとしてもよく使われているそうで、メーターなどはなく、値段も交渉次第だそうだ。

 低速電動車が本当に売れているのは、都市部よりも農村部であるようだ。都市部ほど所得水準の高くない農村部の住人が、子供の学校の送り迎えといった日常の足として低速電動車を利用している。

 電動車はエンジン車に比べ、構造が極めて簡単であり、従って誰にでも容易に製造でき、安価に提供できる特徴がある。小型電動車はこの特徴を最大限生かしており、庶民の足となっているのだ。しかし、数的にどのくらい出回っているのか統計が無い。低速電動車などの生産台数が不明確なのは、低速電動車だけでもメーカーが 100 社以上存在することに加えて、その法的な位置づけが明確でなく、公的な統計がないとのことだ。

 しかし、自転車の延長としてどんどんと便利に利用される一方、無免許運転等による暴走で沢山の人が亡くなっているそうで、政府の規制が始まっているようだ。便利さと安全性はトレードオフであり致し方ないだろう。

 日本では小型電動車と言えば、電動アシスト自転車や電動キックボードであり、それより数ランク上の軽自動車タイプである。軽自動車タイプは庶民の足代わりとするには高価すぎる。電動自転車と軽自動車タイプの中間でもっと安価で簡易な電動自動車が出てこないであろうか。
2023.07.01(犬賀 大好ー926)


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