日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

ロシアと日本に見る長期政権の弊害

2022年05月11日 09時20分08秒 | 日々雑感
 ロシアのウクライナ侵攻が泥沼化している。1週間程度で首都キーフを攻略し傀儡政権を樹立し、ウクライナをロシアの思い通りに操る予定のプーチン大統領の思惑が外れたのは、ウクライナに関する情報が間違っていたためとする説に納得力がある。

 プーチン大統領は、2000年の大統領就任以降、途中で首相に転じた時期もあるが、一貫してロシアの最高権力者の座に君臨している。その政権運営は「シロビキ」と呼ばれる数人の側近達と「オリガルヒ」と呼ばれる新興財閥に支えられているそうだ。

 「シロビキ」とは国防、治安組織の出身者達のことで、ウクライナ侵攻を決めたとみられるのが最側近の4人のシロビキだそうだ。プーチン大統領がロシアの情報機関(KGB)で活躍していたころからの知り合いで、彼らは下に大きな組織を抱えており、その一つにウクライナに関する情報収集のための機関があり、そこからの情報が大統領のご機嫌を損なわないように都合の良い情報しか挙げていなかったことが大統領の判断を誤らせたとのことだ。

 プーチン大統領は20年以上ロシア政治を牛耳っており、下の者は言いなりに動けばご機嫌を損なうことなく出世できる体制が出来上がっていたのだろう。周りを頭の切れるごますり人間が固めておれば、大統領の一言を忖度あるいは拡大解釈し物事はスムーズに進むが、考え方は画一化し、世の中の変化についていけない恐れがある。

 このようなことは、遠い国の出来事ではなく日本にもある。安倍政権はプーチン政権程ではないが7年8カ月にわたる長期政権であった。安倍政権の功罪はいろいろ議論される。長期政権の利点は長期にわたり首尾一貫した政治が出来ることであるが、同時に政治家や官僚が首相におもねる忖度政治も引き起こした。その典型が「森友・加計」問題や「桜を見る会」の問題である。

 森友学園問題は、2016年、森友学園の当時の籠池理事長が国有地に小学校を建設するため、工事代金を水増しした虚偽の契約書を提出する等して国の補助金を騙し取った事件である。この事件に関し、安倍氏はもし自身や伴侶が関わっていることが明らかになれば首相や議員を辞職すると大見えを切った。

 理事長は有罪判決を受けたが、安倍氏の関与に関しては有耶無耶のままだ。勘繰るに、安倍氏が直接関与したわけではなかったが、昭恵夫人の軽率な発言や行為に籠池氏の期待が膨らみ、そこに官僚が過大な忖度を働かせた為の事件であろう。一を聞いて十を知る能力は官僚には欠かせない。この能力を国民の利益に生かせれば理想的な公務員であろうが、出世の為となれば亡国の輩となる。

 権力者を暴走させるのは周りのごますり人間であることはどこの国でも同じだ。2022.05.11(犬賀 大好ー812)


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