日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本の労働人口減は外国人労働者で補えるか

2022年06月15日 09時30分15秒 | 日々雑感
 2020年に生まれた子どもの数は過去最少の約84万人で、一方同年の死亡者数は約137万人となり、死亡者数から出生数を引いた自然減は約53万人と過去最大となるそうで、日本の人口減は顕著である。

 戦後、日本の生産年齢人口は増加を続け、1955年頃から1973年頃までの高度経済成長期を経て1995年にピークの8726万人に到達したが、それ以降は減少を続け、2015年には7728万人となり、2065年には4529万人とピーク時のほぼ半数になると予測されるとのことだ。生産年齢人口とは、15歳以上65歳未満の人口で、生産活動の中心にいる年齢層のことであり、現在の出生数の減少は15年後の生産年齢人口の減少に直接結び付く。

 日本の経済発展のためには生産年齢人口を増加する必要があるが、現在の日本は若者の減少、晩婚化や出生率の低下があり、負のスパイラル状態に陥っている。岸田内閣は少子化対策・子ども政策を ”わが国社会の真ん中に据えていく”と位置付け、子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」を来年4月に創設する予定だが、この類の話は前々からあったが一向に改善されていない。こども家庭庁も掛け声倒れになる恐れ十分である。

 さて、生産年齢人口の減少を外国人労働者でカバーしようとする動きもある。2020年末の在留外国人数は約289万人で、その内、外国人労働者数は同時期で172万人と過去最高を更新し約60%の人々が就労していることになる。また、日本の生産年齢人口は2020年約7612万人であるので、生産に従事する者の約2%を外国人労働者が占めていることになる。

 これまで政府は外国人労働者を技能実習制度の下で受け入れてきたが、深刻な労働力不足を打破するため、2019年4月より「特定技能」という在留資格を創設し、単純労働と言われる業種で外国人を積極的に受け入れる方向に舵を切った。政府はずっと単純労働外国人は入れないと主張してきたが、背に腹は代えられない状況になったのだ。

 技能実習生は3年もしくは5年経過後本国へ帰る必要があるが、特定技能1号の滞留期間は1年であるが、6か月又は4か月ごとの更新で通算で上限5年までとなっている。しかし、特定技能1号よりも高い技能をもつ外国人が取得できる就労ビザに特定技能2号があり、在留期間上限なしとのことだ。日本に定住する外国人労働者が増えてくる。

 現在技能実習に基づく入国が手っ取り早い手段ではあるが、その希望者は年々減っているとのことだ。台湾もまた日本と同様に外国人労働者に依存しており、労働環境は日本より良いとのことだ。ベトナムからの技能実習生は真面目で一生懸命働くとの評判であるが、残念ながら日本はベトナム人からも選ばれない国になりつつあるそうだ。技能実習生制度を特定技能制度に変えたところで、早晩、日本離れを起こすのではないかと懸念する。

 外国人労働者は生産面では自動化等により何とか補える可能性もあるが、消費者としての立場もある。本格的な移民政策を導入しないと人口減の進む日本は経済的にじり貧状態に陥るだろう。2022.06.15(犬賀 大好ー822)


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