日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

東京五輪中止の外堀は既に埋まったか

2021年01月27日 09時20分16秒 | 日々雑感
 菅首相は、1月18日召集された第204通常国会での施政方針演説で、”夏の東京オリンピック・パラリンピックは、人類が新型コロナウィルスに打ち勝った証として、また、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい”、と従来の発言を繰り返した。しかし、コロナウイルス感染拡大が止まらず、緊急事態宣言の真っただ中、いよいよ中止の雰囲気が周辺で強くなってきた。

 米国の有力紙ニューヨーク・タイムズが15日、国際オリンピック委員会(IOC)等から安全な開催は不可能との声が出始めたとし、第2次大戦後初の五輪開催中止に追い込まれる可能性があると伝えた。

 IOCのバッハ会長は1月21日のIOC委員向けに開いた非公式会合の中で、新型コロナウイルスの影響で実施を危ぶむ声が出ている今夏の東京五輪について、開催する方針を改めて示し、今後の課題として、1万人を超える参加選手や関係者への供給に必要となる大量のワクチンを確保することを挙げたそうだが、全世界の人々へのワクチン供給とオリンピック関係者のみへの供給のどちらを優先すべきかを考えた場合、オリンピックは世界平和の為を考えると答えは簡単に決まる。会長も内心では中止の方向だろう。

 米国ではサキ新大統領報道官が1月22日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大で開催の可否が注目される東京オリンピックについて「五輪の大ファンとして楽しみにしている」とした上で、「まだバイデン大統領や安全保障チームと協議していない」と述べ、新政権として立場が固まっていないことを明らかにした。

 目下米国はコロナウイルスの最大の感染国で、累計感染者数は世界で断トツ1位の2490万人でバイデン新政権はその対策を最優先課題にしている。新大統領は、トランプ前大統領と違い独断で決めることは無く、周囲の意見によく耳を傾けると言われ、誰もが納得のできる方向を示すと思われるが、コロナ禍を好転させるには数カ月かかると自ら述べている。半年で完全終息出来ればそれだけでも大成果だ。

 東京五輪の開催の可否は国際オリンピック委員会(IOC)が握り、その会長が最終的に決断を下すのであろうが、IOCへの主な資金は米国テレビ局が握る。米国からの選手団の派遣が無い限り最大のスポンサーであるテレビ局は開催に躊躇するだろう。オリンピックを事業と考えているIOCはテレビ局の意向には逆らえない。従って日本のコロナ騒動は勿論、米国のコロナ騒動が収まらないと東京五輪は絶望的となる。

 英紙タイムズ紙は21日、自民党有力議員の話として、政府が内密に東京五輪の中止を結論付けたと報じた。菅首相は表面上絶対に開催すると主張しているが、これだけの状勢でも開催するのは自殺行為でしかない。秘かに、政府が内密に東京五輪の中止を結論付けているとしても不思議ではない。

 それでも22日、関係者への取材で、東京オリ・パラの観客数を巡り、政府、東京都、大会組織委員会は・上限なし、・50%削減、・無観客の3案を想定しており、中止の案は無いことが明らかになったそうだ。中止に対する外堀は埋まりつつあるが、政権は中止の為の大義名分を探っているのでは無いだろうか。2021.01.27(犬賀 大好-673)


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