日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

米国の銃乱射事件の多発はトランプ大統領の責任ではないが!

2018年12月29日 09時31分54秒 | 日々雑感
 トランプ大統領の米国第1主義は各国から非難され、米国内でも非難の的である。氏の米国第1主義は正確には福音系白人第1主義であり、他はすべて敵である。

 しかし、トランプ氏の本音はどこにあるかよく分からない。気に食わない者を徹底して攻撃するが、敵である筈の各国の指導者には親愛の情を示しており、単に商売上の駆け引きのようでもあり、人気取り戦略のようでもある。しかしトランプ大統領のこの使い分けをほとんどの人は理解できないだろう。

 米ペンシルベニア州ピッツバーグのユダヤ教礼拝所で10月27日朝、男が銃を乱射し、11人が死亡した。犯人は拘束時、ユダヤ人排斥の罵倒を繰り返していたという。彼はトランプ大統領の真似をしようとしたが、ただ、口より先に手が出てしまっただけなのかも知れない。

 また、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊でも現地時間今月7日夜遅く、銃の乱射事件があった。全身黒ずくめの男がバーに押し入り、発煙弾を投げ、およそ30発を発砲したそうだ。容疑者は元海兵隊員で、精神衛生上の問題を抱えていたそうで、トランプ氏の直接の影響は無いにしても、潜在的には影響していたのかも知れない。

 米国では銃の乱射事件はトランプ大統領の登場以前から度々あった。しかし、トランプ大統領の過激な発言に誘発される銃の乱射事件は今後一層増えると想像される。

 さて、アラバマ大学のランクフォード教授は、銃の所有率と銃乱射事件の発生率には相関関係があることを指摘した。

 米国では銃の所有の権利は憲法によって守られている。米国憲法は、米国人に武装し武器を保持する権利を与えている。このため、世界人口に占めるアメリカ人の割合はわずか4.4%に過ぎないが、アメリカ人は世界の銃の42%を所有しているそうだ。

 アメリカの犯罪発生率は他の先進国より決して高いわけではないが、アメリカの犯罪には常に銃が使われ、1件当たりの犯罪に対する死亡者数が他国よりも多いということだそうだ。

 日本でも、ナイフを用いた通り魔事件がたびたび発生する。犯人は誰でもよいから人を殺しかったなどと動機を語るが、銃を持っていたならば大量殺人事件に発展していたかも知れない。

 また、2008年秋葉原の歩行者天国にトラックを暴走させ7人が死亡、10人が負傷した殺人事件があった。犯人が銃を持っていたならば、この程度の被害では済まなかったであろう。

 確かに銃を持つことが、大量殺人に繋がることは間違いないだろう。しかし、犯罪そのものを無くすためには、その根源である人種問題や経済格差、更に精神障害等幅広く考えねばならない。

 トランプ大統領は高校における乱射事件を受けて、教師にも銃を持たせよとの発言をしたそうだ。一見分かり易い理屈であるが、犯罪そのものを無くす抜本的な解決は全く考えていないようだ。この単純さが、国家間の争いにも持ち込まれると思うとゾッとする。

 更に、乱射犯の多くは有名願望に突き動かされている、と指摘する者もいる。これは、乱射事件が起こるとマスコミ各社が競って報道し、犯人をクローズアップするため、名前が広く知れ渡るからである。これこそトランプ流の宣伝法の応用である。しかし、規制には報道の自由と矛盾するところがあり、対応が難しいことも事実である。
2018.12.29(犬賀 大好-507)