森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

クラゲに刺されて死にかけた話

2012年04月21日 | 日記


と言っても、これはハワイアン夫の話なのですが…。
皆さんはボックス・ジェリーフィッシュってご存知ですか? 日本語では箱クラゲと呼ぶのでしょうか。とにかく、ハワイの海に出没する猛毒のクラゲなのです。人を刺すクラゲは世界で70種くらい知られているそうですが、その中でもトップクラス。刺された人が死ぬこともあります。蜂のアレルギーと一緒で、一度目はよくとも、2度目に刺されるとショック状態になることがあるからです。アナフィラキシー・ショックですね。

そう、二度目にやられた時こそ危ないのですが…。夫は、信じられないことに! 二日続けてカカアコ沖の海に入り、二日続けてボックス・ジェリーフィッシュに刺されて。ひどいアレルギー症状が出て大変な目にあったのでした。

夫はボディサーファーで、ワード近くのポイントポニックというサーフスポットによく出かけます。ある日クラゲに刺され、それで懲りればいいものを、全く同じ場所に翌日も出かけて行き。二度目に刺された後、あまりの痛みに海から即上がり、家に帰ってきました。

それまでに喉がぜいぜいする、大量の汗が出る、といったおかしな症状はすでに出ていて。しかも目に膜がかかったようにトロ~ンとしているし、着ていたワイシャツが、まるで豪雨の中を走ってきたように汗でビショビショなんです。すぐクイーンズ病院の緊急病棟に連れて行ったのですが、車の中で全身のけいれんが始まって。全身のぶるぶる、ガタガタが一向に止まらず、こちらこそ冷や汗をかき、心臓がドキドキしました。

後で知ったのですが、アナフィラキシーのアレルギーは血圧の低下や呼吸困難、粘膜の異常など全身症状が出るそう。それで死亡する例もあるのですって。

結局、夫は心電図や血圧を数時間モニターされながら、お酢などで痛みを和らげる手当を受けて、無事帰宅。ですが下手をすると死んでいたかも!? と思うと、無事でヨカッターと喜ぶと同時に、怒りもこみあげてきて。だって一度でもクラゲに刺されたなら、普通、その後は気をつけるものですよね? それを。のこのこと翌日も海に出かけるなんて。そして案の定、またクラゲに刺されて瀕死の目にあったのですもの。それが大人のすること? と憤ってしまいました、私。

その後、主治医にもたっぷり叱られた夫。私も知らなかったですが、ボックス・ジェリーフィッシュは満月の8日~10日後に発生するのだそうで。「だからボックス・ジェリーフィッシュ・カレンダーっていうのがあるんだけど、あなた知らなかった?」「それに、一度刺されたら、その場所にクラゲがいるということでしょ。それを知りつつ、翌日戻るのはどうして?」「こういうのは2度目以降が恐ろしいというのも知っているでしょ?」とその女医さんは、あなたバカじゃないの?とまでは言いませんでしたが、大変呆れた様子だったようです。それはそうですよね! 私は、夫にハッキリ言いました。「あなたバカじゃない?」

その事件以来、サイトでクラゲの出没する時期をチェックし、イスラエルで開発されたというクラゲ除けのサンスクリーンを塗り、ラッシュガードを着ることを条件に、海に出かけるようになった夫なのですが。もちろん、心配は残ります。が、ハワイアンに海に入るなと言っても、それは無理ですからね。万全を尽くして後は天に任せるしかアリマセン…。

それはそうと、今回の騒動で驚いたのは、日本ではごく普通に売っているクラゲ除けサンスクリーンが、ハワイではどこにも売っていなかったこと。サーフショップで聞いても、誰もその商品を知らなかったんです。結局、日本から買って来なければなりませんでした。1年中海で泳げるハワイなのに、これはいったいどうしたことでしょう???

ともあれ、ハワイで泳ぐ際は、一応、以下のサイトからボックス・ジェリーフィッシュ・カレンダーをチェックした方がいいかもしれません。
http://www.808jellyfish.com/
まず大丈夫だろう、とは思っても。夫のように、二日続けて刺される人も実際いたワケですからね。皆さんもどうぞお気をつけて!
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オペラ座ならぬハワイシアターの怪人

2012年04月19日 | 不思議譚


ホノルル・ダウンタウン在住の私。ほんの2ブロック先に、ハワイが誇る劇場、ハワイシアターが建っています。ハワイシアターでは、敬愛するブラザーズ・カジメロのコンサートを始め、年に3、4回はショーを楽しんでいるでしょうか。ですが毎週開かれているシアター見学ツアーに参加したのは、今回が初めてでした。

ツアーでは知識豊富なガイドさんに連れられてシアターの客席からステージの上まで歩き、その誕生秘話からゴージャスな内装の詳細までを説明してもらったのですが。シアターは1922年に建てられ、今年開館90周年! ですが、1980年代には老朽化したシアターが取り壊し&閉鎖の危機にさらわれたとか。危機一髪のところでホノルル市民有志の募金運動によって救われ、すっかりお色直しされて再オープンしたのが16年前。1996年のことでした。私が知っているハワイシアターは、あくまでもその、1996年以降の輝かしい姿のみ。ハワイシアターに、そんな波乱万丈?な過去があったとは、ツアーに参加するまで知りませんでした。

歴史ツアーの最後では、ガイドさんがこんな内緒話をシェアしてくれました。それは、ハワイシアターに出没するというゴーストのお話…。なんでもアジア系の中年男性の幽霊が出るのだそうで。もっともそのゴーストは人に何の危害も加えず、いつもひっそりと出没したり消えたりするのだそうです。ショーのリハーサルの際に、2階席にひっそり座っていたり、楽屋口にぽつりと佇んでいたり。「変な男の人が楽屋の前にいるんですけど」なんていう苦情を聞いてスタッフが駆けつけると、そこにはもう、誰もいないのだとか。

ツアーの最後でパイプオルガンを弾いてくださったオルガニストの男性も言っていました。深夜、一人っきりでオルガンの練習をしていると。空っぽなはずのシアターに、人の気配を感じることがあるそうです。たとえば誰も劇場内のスピーカーを操作する人はいないはずなのに、急にスピーカーから、ザーっという音が漏れたりも。

シアターに一人っきりでいてそんな目にあったら、それは怖いでしょうね! ですがそれはシアターの護り主のような、気配のごとき静かなゴーストのよう…。どこの古いシアターにも、一人や二人は? そんなゴーストが存在するのかもしれませんね。

ちなみにこの見学ツアーは、毎週火曜に催行。一人$10かかりますが楽しい逸話が満載の、楽しいツアーでした。ぜひ一度、お出かけください!


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ワッフル対決

2012年04月18日 | グルメ


遅ればせながら私…今日初めて、カイムキの人気カフェ、カフェ・カイラに行ってきました。すごく美味しいとは聞いていたけれど。「そう? でも並んでまでは食べたくないわ」と偉そうなことを言っていた私。評判のワッフルを食べて、ビックリ! 想像を超える美味しさだったからです。新鮮なイチゴ、ブルーベリー、バナナのトッピングをチョイスして、$11ちょっと。

この美味しさで思い出したのが、ハワイ島ヒロのダウンタウンのカフェ、ベアーズ・コーヒーのワッフルです。こちらもフルーツがチョイスできて、中がふんわり、外がサクサク! それだけ食べにヒロに飛んでいきたい。そんな気になるほどの私の好物なのでした。以下の写真では、バナナとパパイヤをチョイスしています。


今日、初体験したカフェ・カイラのワッフルは、そのヒロのワッフルと甲乙つけがたい美味しさで。しばらくはまってしまいそう…。フルーツが山盛りなのもいいですね! ワッフル好きの方、ぜひこの2つのワッフル、食べ比べてみてください。忘れられない素晴らしさですヨ。あなたはどちらがお好きですか?
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ダライラマとの3日間

2012年04月17日 | 日記


何とも大袈裟なタイトルをつけてしまいましたが、3日間連続でダライラマのお顔を拝見したのは本当です。最初の2日間はハワイ大学での講演で遠くから! 昨日はクアロアビーチでのセレモニー&記者会見で、ごく間近く拝見することができたのでした。

クアロアでは、最近、修理を終えて遠洋航海に再び乗り出すホクレア号のお清めが、ダライラマにより行われました。ホクレア号は古代ハワイの双胴船を再現したカヌーで、日本も訪問していますね。クアロア・ビーチパークが今、ホクレア号の母港?となっており、そこにカヌー関係やホノルル市長などお偉いさんが集まって、儀式が行われたのでした。

メディア関係者の集合はセレモニーの3時間半前でした! ところが、一帯の徹底したセキュリティチェックのため、ある一角で2時間近くも待たされて。でも私は幸せでした。目の前には世にも美しいクアロアの海。そしてこれから、あのダライラマにお会いするのですもの。「いつまで待たせるの?」なんて文句をたれるほど、私は罰当たりな人間ではありませんからネ。

それにしても、厳重な警備でした。夫が某ホテルで見たのと同じく、ジャーマン・シェパードを連れた一団も到着。ゲストにビュッフェの昼食を振る舞った豪華なテントがあったのですが(メディアは別テントで、ただお弁当が配られました。涙)、そのケータリング設備やトラックも、犬達はしきりにクンクン。海には多数のジェットスキー、モーターボートが走り回り、ちょい大きめなボートの上には人が立って、透きとおった海の底を覗きこんでいました。

おまけに。海から3人のダイバーがビーチに上がって来た時は、ド肝を抜かれました。これでも、米本土での警備よりはずっと軽いのだそうです。

記者会見のテントはごく簡素なものでしたが、ダライラマの座られたステージの横には、警備関係者、お付きのお坊さん、スーツに身を固めた同行者がずらり。会見場の最前列にいた私は、ステージ横のその関係者一行の中の一人を見て、口をあんぐり。なぜって、その方は昼食会場で見たウェイターの装いだったからです。エプロン姿の…。ウェイターさんのトップ? …いえいえ、私が想像するに、それはウェイターに身をやつした警護官だったのカモ。記者関係用のテントには、儀式のチャンターなどメディア以外の人もいましたが、その方々は席の後ろに座っていましたからね。

ともかく、この会見の後に私はダライラマと握手する機会があり、天にも昇る気持ちになりました、とさ。

話変わって。ハワイ大学では学生向けと一般向けと、2日間にわたってダライラマの講演がありました。家族と出かけた一般向けの講演にも、子供はたくさん来ていて。この日にも、15歳になる息子の友人に、数人遭遇しました。子供達も、ダライラマの飾らない人柄に、感銘を受けたよう。だって。「写真を見るといつも笑っていますね。人の見ていないところでも笑顔なのですか?」との質問に対し、ダライラマは、「私はトイレの中でも笑顔ですよ。ただし便秘の時は別」なんておっしゃるんですよ!

ですが、ほかの質問への返答の一部で次の言葉を聞いて、私はダライラマの真の黄金なる姿というか、崇高な魂を強烈に感じて、涙が…。ダライラマは繰り返し、物事に動じるな、自分の心の平和がよい現実を創りだすと言っていたのですが。「ある一面だけ見ればネガティブに見えるかもしれない。でも物事は角度を変えて右から左から、上から下から見なければ。遠くからも。そうすると、ネガティブに見えることにもよい意味、よい側面があるのが見えてくる。ある一面だけをごく近くから見ていたらダメ」と。

そして言ったのです。「私は一国を失ったんだよ。それでも。その出来事にもよい面があったと言える。あのことによって、チベット人は目を開いた。目が覚めたんだ。今、チベット人は中国内のいくつもの省に別れて暮らしている。それでも、チベット人全体の団結はそれは強い! それもあの、中国共産党のお陰なんだよ、と、私はインドを訪れるチベット人にいつも言っている」

…ダライラマはチベットの精神的最高指導者というだけではなく、チベットという一国の主なんですよね。この言葉を聞いた時、ユーモアたっぷりに人の道を解くダライラマの奥底に、真の王者の姿を見た気がしました。そしてその強靭な精神も。日頃、とかくネガティブな想いを抱きがちな私なのですが、これからはくだらないことで落ち込んだ時、必ずダライラマの言葉を思い出すことでしょう。「私は一国を失った。それでも」の言葉を。

あまりに崇高なダライラマの姿に打たれ、インドまでダライラマを追いかけていきたくなった3日間。また逢う日までお元気でいてほしいです。


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ダライラマと、ビーチに「遊ぶ」

2012年04月16日 | 日記


すみませーん、今日は写真だけで終了。
今日はクアロアで行われたセレモニーで、ダライラマに超接近。
なんと握手してもらっちゃいました。ああ、有難い。
胸いっぱいなので(言いわけ)、明日、またシェアさせてください。

おやすみなさい!
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