森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

カカアコ沖での出来事

2012年04月28日 | 日記


私がワイキキで豪華なランチを楽しんでいた頃…。ハワイアン夫はカカアコ・ウォーターフロント・パーク前のボディサーフィンの名所、ポイントパニックで、ボディサーフィンを楽しんでいたようです。昨日は波が高かったですからネ。

そんな時、ある事件が起こりました。いえいえ、クラゲの事件ではありません。カカアコ沖でいつもパラセイリングのツアーを催行しているボート、ラッキー・レディ号のエンジンが故障し、10人以上のツアー客&2人のスタッフを乗せたまま、海で往生。折りしもの高波で、岸にぐんぐん押し流されてきたのですって。

ご存知の方もいると思いますが、カカアコ沿いの海は、砂浜ではなくて岸壁なのです。だからそうやって壁に叩きつけられた場合、ボートがひどく破損するのは必至。荒い海では、ボートはコツン、と壁に当たるわけではないですからね。観光客はライフベストを付けていましたが、皆ひきつっていたそう。中でも一番パニックしていたのがキャプテンだったそうです。気が動転して何もできず…。錨を降ろすことも忘れていたようでした。

そこに居合わせた夫は、もう一人のボート・スタッフに頼まれて彼と一緒に、泳ぎながらボートを沖のブイへと引っ張ったのですって。ロープを抱えて全力で泳ぎ、もう一人のサーフィン仲間も加わって、3人で…。なんとかブイにボートのロープを括りつけた時には、足ひれを付けていた両足の甲の部分がひどく擦り切れてしまいました(今日もまだ、生々しく赤く血がにじんでいます)。

その後ようやく、消防艇と消防車がダウンタウンから、そしてライフガードのジェットスキーがワイキキから到着。夫は、「来るのが遅いよ…」とぼやいていました。

とまあ、結果的にはボート&ツアー客には何の被害はなく、一件落着だったわけですが。問題はココです。夫ら3人がボートを引っ張ってブイを目指していたその時。もう1つのパラセイルのツアーボートが、横を通りかかりました。と、そのボートはどうしたと思いますか? 困ったボートを助けてくれた? 

…それが違うんです。ただ素通り。しかも真横を通る時そのボートのキャプテンったら、子供がよくやるように右手で拳銃の形を作り、困っているボートのキャプテン&お客さん一行を一人一人、バキューン! バキューン! と撃つ真似をしていったそうなのです。つまり「死ね~」ってことでしょうか?

「ひどいキャプテンだなあ、あいつ。もしもあのボートが手助けしてくれて、壊れたボートを曳航してくれてたら、ずっと簡単だったのに」。足のひどい擦り傷を家族に見せながら、日頃温厚な夫は大憤慨していました。

…それがどこのツアーのなんというボートかは知りませんが、きっと同じカカアコ沖でパラセイルを行うツアー同士、競合しているのでしょうね。敵・味方というか。それにしても、こんな、レスキュー隊が駆けつけるような場面で、それはないですよねー。

あまり言いたくないことですが、ハワイといえども皆がアロハスピリットを持って共存共栄し、仲良く暮らしているワケではないんですよね。狭い島なだけに、時には日本以上にお互い競争心が剥き出しになり、同業者の足を引っ張ったりも。しかも同じ業界の日本人同士、中国人同士、のように、時に同胞とはさらにいがみ合うことがある気がします(あ、話がよけいな方面に膨らんでしまいました。失礼!)。

長くなりましたが、以上が美しいカカアコの海での昨日の顛末でした。ネガティブな話でごめんなさい~。そしてハワイアン夫、お疲れさま~。



コメント (6)
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