森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

フラダンサーの御守り

2012年04月13日 | 不思議譚


皆さん、お元気ですか~? 首都圏の桜は…もうそろそろ終わりなのでしょうか。
さて、フラ界のオリンピック、メリーモナーク・フェスティバルが、いよいよ始まりましたね。昨夜のミス・アロハ・フラ(18歳~25歳までの未婚のフラダンサーによるソロ部門)も見応えたっぷりでした。2012年度のフラの女王に輝いたのは、マプアナ・デ・シルバのハラウ所属のレベッカさん。フラだけでなく笑顔もとことん上品な、素敵な女性でした。おめでとうございます!

それにしてもイーデス・カナカオレ・スタジアムの大舞台で、超満員の観衆の中、フラを披露するのは、若いお嬢さん方にとってものすごいチャレンジでしょうね。舞台に登場する直前、会場の片隅での様子をTVで拝見していると、皆さん、緊張して震えている様子で。でもひとたびステージに出た後は、見事なフラを披露! ふだんの練習の賜物でしょう。

もう一つ、TV観戦で感じたのは、ステージの袖で震えながら、MCに名前を呼ばれるのを待っているダンサーを見る周りの観衆の目が、とても優しいことです。厳しい眼差しは皆無で、皆笑顔。どれも「頑張ってね!」「大丈夫よ!」と、無言で語っているかのような優しい笑顔で。きっと会場のそういったマナ(気、霊気)が、ステージ上のダンサーにも伝わって、皆が皆、素晴らしい演技を見せるのではないでしょうか。

…そんなことを考えながらフと思い出したのが、ホノルルの某ハラウのダンサーの女性がシェアしてくれたこんなお話です。そのハラウからも過去にはミス・アロハ・フラが誕生しているのですが。ある年の夏、クムフラから、次年度メリーモナークのミス・アロハ・フラ挑戦者が発表になったそう。本人は驚き大感激し、周りのダンサーも皆、彼女を祝福したそうです。ミス・アロハ・フラ挑戦といえば、ハワイのフラガール共通の夢ですからネ。

ところが、その女性が翌週のフラの練習に現れると。彼女は小柄で華奢な身体付きのダンサーなのですが、首周りと両腕に、直径数センチはありそうな大きな石のアクセサリーをゴロゴロとつけていました。「それ、一体どうしたの?」。周囲の質問に答えて、彼女は言いました。「おばあちゃんが、これからメリーモナークまで、ずっとこれを付けていなさいって…」。

彼女の説明はこうでした。なんでも、彼女がハラウのミス・アロハ・フラ候補に選ばれたことは、家族をも大喜びさせたそう。ですが祖母だけは、孫娘の誉れを喜んだだけでなく、ある種の心配も抱いたとか。「ハラウを代表するダンサーに選ばれたのは素晴らしいこと。でもそれを悔しく思い、嫉妬と怒りの涙を流す人もいる」。そしてこのゴロゴロとした石のネックレスとブレスレットを、彼女に手渡したそうです。つまり、それは彼女を邪気から守るパワーストーンだったわけですね。

う~ん。孫娘を愛するおばあちゃんらしい発想ですね。まさかァと笑う人もいるかもしれませんが、私にはそれが気苦労というだけではなく、一理あるな、という気がします。何百人というハラウのダンサーからクムフラに代表として選ばれたのですもの。中には嫉妬する人もいるでしょう。「次こそ私だと思ったのに!」とか、「なぜあの子が? 私の方がよっぽど巧いのに!」とかって。そういう時、霊的に敏感な人であれば、そういうネガティブな感情に感応してしまうことも多いにあり得る話。その結果、思わぬ急病に襲われたりということも、人によってはあるのではないでしょうか(そういえば元ミス・ハワイでもある美人フラダンサー、アリアナ・セイユからも、似た話を聞いたことがあります。その話は新著で紹介しております!)。

…昨夜のミス・アロハ・フラ競技を観戦しながら、そんな、空恐ろしいことをつい考えてしまった私。人の念というのは、ある意味、恐ろしいもの…。美女や名フラダンサーも辛いヨ、ですね。



コメント (2)
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