森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

カウアイ島のマニニホロ・ケーブとメネフネの関係

2014年01月16日 | 神話・伝説


何だか他島を旅した後も、あまり旅先の話をしていませんでしたね。話は前後しますが、昨年11月に訪れたカウアイ島のお話を少しシェアさせてください。

カウアイ島では滞在していたポイプビーチから遠征して、島の北の果て、ハエナまで行ってきました。ヒッピー文化栄える?ハナレイを過ぎていくハエナは素朴な雰囲気のエリアですが、美しいビーチとユニークな自然の造形が見られる、いかにもカウアイらしい所です。

ここには少なくとも3つの大きな洞窟があり、名所になっていますが、今回はうち2箇所に行ってきました。1つは、マニニホロ・ドライケーブ。もう1つが、蒼い水をたたえたワイカナロア・ウェット・ケーブです。今回は、マニニホロ・ドライケーブについてお話ししましょう。

カウアイ島はメネフネ伝説の本拠地ですが、マニニホロ・ケーブはその1つ。昔、この地に、メネフネ族の漁師の獲った魚を盗んだ悪魔を、メネフネ達がここに閉じ込めた、という伝説が有名です。メネフネ族の漁師の頭領の名が、マニニホロだったとか。閉じ込められたのは悪魔とも悪霊とも言われていますが…。悪霊が洞窟に閉じ込められた? …ずいぶん恐ろしい伝説ですね!

ですがハエナ在住でカウアイ島のメネフネ伝説の第1人者ともいえる郷土史家で著述家、フレデリック・ウィックマン氏のお話では、悪魔の正体が微妙に異なります。メネフネ族の魚を盗んだのは、エエパ族だそうです。その結果エエパ族が、この洞窟に閉じ込められてしまった、としています。

エエパ族とは、メネフネと同じくハワイの小人族。メネフネと同一視されることもあり、たとえばホノルルのヌウアヌにも、エエパ族の伝説は残っています。ウィックマン氏は、エエパ族のことを小悪魔、と説明していますが、問題の悪魔がエエパ族だったとすると。エエパ族はメネフネと同様、いたずら好きの小人族という感じなので、ちょっとニュアンスが異なる気がしますね。何でもその1件が起こったのは、昔カウアイ島にたくさん住んでいたメネフネが、この洞窟の前に集結してカヌーで島を出る直前の出来事だったとか。もしかしたらこの伝説の背景には、カウアイの2部族間の争いのような状況があったのかしら? なァんて、勝手に推測してしまう私でした。

…真相が気になるところですが、いずれにしろ。中に入れば入るほど天上が低くなり、その先には闇が広がるマニニホロ・ケーブ。私が見学した時は真っ昼間で、大勢の観光客と一緒だったのでOKでしたが、やはりこの手の洞窟は…ブ・キ・ミ、です。閉じ込められているのが悪魔にせよ、エエパ族にせよ…。




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