森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

カワイアハオ教会の壁に何が起こったか

2012年08月15日 | 不思議譚


ちょっと上の写真をご覧ください。重厚な塀が盛大に壊れ、瓦礫が散乱していますね。これ、なんとハワイ最古のキリスト教会、カワイアハオ教会の外塀なのです! あの、ハワイ王国時代には国王の戴冠式や結婚式、葬式も行われた、由緒ある教会の…。

ダウンタウンの中心、キングストリートとパンチボールストリートの角に位置しているカワイアハオ教会。まあふだんから車の往来は多い交差点なのですが、今年4月2日、なんとその壁に市バスが突っ込むという、奇怪な事故が起こりました。

どうやらドライバーは持病を持っていたらしく…。意識を失ったのかもしれませんが、左折専用車線にいたのにそのまま直進してしまい、教会の壁にフルスピードで突っ込んでしまったのでした。バスには客が乗っていなかったので、ドライバーだけが大怪我。ちょうど事故現場に通行人がいなかったのも、後から考えれば不幸中の幸いですね。 

その直後に取ったのが上の写真です。その後も壁の修繕作業が全く始まらず、長らく放置されている状態でした。が、昨日の新聞報道で壁の修繕がやっと近いうちに始まると知り、ホッとしています。由緒ある立派な教会の壁が崩れているというのに、数ヶ月間、放置されていたのはなぜなのか? といぶかしんでいたホノル市民も多かったのではないでしょうか。

新聞の報道によると、この壁は1843年に建設されたもの。その3年前、教会はカカアコ沖の海底から切り出した珊瑚を材料に建てられました。当時のハワイでは珊瑚が、一番頑強な建築素材だったからです。もちろんこの壁も、珊瑚で造られています。

こういった特殊な壁ですから、工事はなるたけオリジナルの珊瑚を集める形で修繕すべく、こういった歴史ある建築の修繕を専門にしている会社が請け負っているそうです。まずはハワイ州の歴史保全課、みたいな部署から修繕計画の許可を得なければならなかったそうで、許可が下りるまでにずいぶん時間がかかったということでした。その間、勝手に珊瑚のかけらを持って行ってしまった人もいるため、欠けている部分については新しい材料で補強することになるよう。

なんとかクリスマスシーズンには間に合うように修繕する計画と言いますから、これから急ピッチで工事を進めるのでしょう。頑張って欲しいものです!

それにしても…。聖なるカワイアハオ教会(のある角)で起きたこの事故、なんだかミステリアスな印象を受ける事故でもありました。幸い死者は出ませんでしたが、一歩間違えれば大惨事でしたからねえ。

近年、カワイアハオ教会を巡ってはとあるきな臭い問題が起こっていたので(古い時代に埋葬された遺体の処遇に関して、なんですが)、勝手にそれと関連ずけて、あれこれ考えてしまった私…。長くなるので、続きはこの次に! 少々お待ちください。

コメント (2)
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