前回は「鳥肌のたった話」なんちゃって編―をお届けしたのですが…。本当はカイさんから、ホンマものの不思議譚を聞きたいなと、一応トライはしてみたのです。
…話は、カイさんのお父さんであるビルさんに遡ります。すでに記したように、数年前に亡くなったビルさんには私、本当にお世話になりました。ビルさんは歴史家でもあり、特に王族関係の知識の深さは相当なもの。王族秘話、みたいなお話をたくさんしてくださったので、私はしょっちゅう、ビルさんを訪ねたものでした。
カメハメハ大王の墓の秘密など、とにかく第一級の秘話を見ず知らずの私にシェアしてくださるアロハスピリッツたっぷりの方でしたが、1度だけ。ノーコメント、と言われてしまったことがあります。私が王家の霊廟での不思議体験について尋ねた時のことでした。
ビルさんは優しく言いましたっけ。「悪いけれど、それについてはノーコメントなんだ。霊廟で起きたことは、霊廟の中にとどまるべきだからね」。
ビルさんが質問に答えてくれなかったのは、前にも後にもその一度だけ。なので私はすぐ引き下がりました…。確固たる意思を感じましたからネ。
それなのに私ときたら、今回、同じことをカイさんにも聞いてみようかと思ったのです(ごめんなさい!)。「カイさんのお父さんはいつも何でも私の問いに答えてくれたのに、一度だけ、ノーコメントと言われた時がありました。それは」と話はじめたところ。「スピリットの話?」とカイさんに先を越され、驚きました! なぜ、言おうとしていることがすぐにわかったのでしょう?
「そうです、そうです! ここでスピリットを見たことがあるかと聞いたけれど、ノーコメントと言われたのです」。そう興奮して説明したのですが、カイさんもまた、次のようにおっしゃったのです。
「僕も、そのことについてはノーコメントなんだ。子供の時からここに住んでいるから、それはいろいろなことがあるよ。でもそれは、あくまでも僕ら一族に関わる出来事だ。一般の人には関わりのない種類の経験なんだ。わかってほしいんだけど…」。そして最後に教えてくださったのは、そういった経験は全くネガティブなものではなく、よい経験ばかりだったということでした。
…もちろん詳細はわからないのですが、何だか…いい話ですよね。高貴な方々がたくさん眠る霊廟を護っているのですもの。しかもご自身も王族の末裔です。きっとササ~ッと腕にたつ鳥肌以外にポジティブな徴しが、いろいろご先祖からもたらされているのかもしれませんね。あくまでも想像ですが…。
カイさん、そしてビルさん、興味本位でおかしなことをしつこく聞いて申し訳ありませんでした。もう聞きませんので、お許しください…!