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森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

ハワイ島キラウエア火山 de ハイキング!

2013年04月29日 | 自然


3月末に家族でハワイ島のキラウエア火山を訪れた際。キラウエアの火口の一つである、キラウエア・イキ・クレーターを縦断するハイキングを楽しみました。



キラウエア・イキ・クレーターは直径約6.4キロ。1959年の噴火でできた火口だそうで、それ以前、この火口は森で覆われ、今の倍の深さがあったそうです。それが1959年に火口が爆発して、なんと1200度というキラウエア観測史上最高の熱い溶岩が噴き出し、森を埋め尽くしてしまったそうです! 火口内ではほぼ平らな溶岩平原が続きますが、場所によっては、まだ少~しだけ、スチームが吹き出していました。

一帯はほぼ溶岩の野原なのですが、オヒア・レフアの木はもちろん、いくつかの植物がたくましく育っていました。ベリー状の実がなっているのは、オヘロベリー。ハワイではジャムの材料になったりしています。元々オヘロベリーは火山の女神ペレに帰属する植物だそうで、最初の1粒はペレに捧げてから食べないと、ペレが怒って火山が噴火する、と信じられています。





オヘロベリーは以前、ハレアカラ火山の火口でキャンプした際に見たことがあったのですが、キラウエアでこれを見たのは、恥ずかしながら今回が初めてでした。

そんな溶岩性?の植物を見たり、きてれつな溶岩の形状を楽しみながら、けっこうアッという間、2時間のハイキングで火口を縦断。今度はきつい登り坂を登って、クレーター・リム・ロードに到着しました。計2時間30分の、別世界のハイキングを楽しみました。いい汗かきました~。



最後の登り坂の30分は、シダなどが鬱蒼と茂る森の中を歩くので、なんだかドクター・スウスの絵本に出てきそうな不思議な植物もあちこちに。



ハワイは海もいいですが、山もまた深いので、ハイキングも楽しいですよね。ああ、写真を見ていたらまた、キラウエアに戻りたくなってきました。女神ペレが私を呼んでいる…のでしょうか?
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ハワイのマグロ哀歌

2012年10月13日 | 自然


先日の続きで、「ハワイ・フィッシュ&シーフード・フェスティバル」での出来事を簡単に紹介させていただきますね。

あるブースで、写真のようなマグロの図を展示していました。「アヒ(キハダマグロ)の漁獲最少サイズは変えられるべきか?」をテーマにした展示でした。主宰は西太平洋漁業マネージメント委員会で、1人の男性が熱心に人々の参加者の質問に答えていました。

私はこの展示を見てショックを受けました…。展示で勉強したことによると、現在ハワイでは3ポンド(1.4キロ足らず)のマグロから、捕獲OKなのだそうです。1.4キロというと、生後わずか8ヶ月、体長40センチ。まだ赤ちゃんですよ! もちろん、そのサイズでは性的に未熟。そう、生まれて、子孫も残さず、死んでいくだけ…(左端の絵)。そんな赤ちゃんアヒを、私ももしかしたら、喜んで食べていたのかもしれません。

それが生後19ヶ月になると体長70センチ、6.8キロに。このサイズの0.5%だけが繁殖できるそうです。ただし一度このサイズになるとほかの魚から襲われることも少ないため、以降、死亡率はグ~ンと低くなるそう。

生後26ヶ月では体長87センチ、13.5キロ。6%が性的に成熟。そして生後30ヶ月では体長102センチ、22.2キロ、25%が繁殖可能。これ以降、アヒは急激に大きくなり、生後32ヶ月で体長112センチ、27キロ、50%が繁殖可能なそうです。

キハダマグロはこの後、平均して135キロまで大きくなり、大きいものでは180キロにも及ぶそうですよ。しかも近年の調査の結果、ハワイで生まれたキハダマグロの大半は生涯、ハワイの海を離れないこともわかっています。

展示で訴えていたのは、簡略に説明すると、「ではなぜ、赤ちゃんマグロを獲ってしまうの? ハワイでしばらく成長した後、ほかの海に逃れてしまうわけではない。ここで生涯生きるのだから、大きくなってもらって、じゃんじゃん子供を残して、その後で魚屋さんに並んでもらってもいいんじゃないの? そのほうが消費者にとっても、益が大きいんじゃないの? キハダマグロがハワイの海から消えたら困るでしょ?」ということでした。

…これ、けっこう衝撃の内容でした。ものすご~く的を突いていたからです。私も日本人としてマグロは大好き。マグロ屋という和食店が繁盛するほど、ハワイでは一般にマグロの需要は高いですよね(同店がオープンした時、地元紙のフードライターが「それにしてもなぜマグロをフィーチャーするの? なぜサーモンとかじゃないの?」と書いているのを見て、私は嗤いました。アナタ、日本の食文化を全く理解してないのね、と)。

なので、たまにマグロを乱獲するな!とか、マグロの資源が危うい、なんて新聞で騒がれることがあると、私は憤ったものです。「何でもかんでも資源保護とかって…。マグロ漁を禁止したりしたら、日本人は怒るワヨ。これだけは譲れない」と…。

ですが今回このハワイの数字を見る限り、マグロの乱獲は本当だった模様…。生まれたての赤ちゃんマグロまで食べていたのじゃ、ハワイのマグロに将来はない! 巡り巡って、自分の首(腹?)を絞めることになりかねません。マグロの乱獲、反対~。捕まえてOKの最少サイズ、見直さなければなりませんね。

それにしても、日本ではどうなんでしょう。日本の規定はずいぶん違うのでしょうか? …どなたかもしご存知だったら、ぜひ教えてくださいね。
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カエナポイント再訪でハワイアン・モンクシール目撃!

2012年07月24日 | 自然


7月も終盤に入り、メキメキと暑くなっているハワイ。そんな中、この日曜日は、またもオアフ島最果ての地、カエナポイントに出かけてきました! 前回出かけたのは、5月。あの時は息子の学校の課題のため、州&連邦政府の双方から自然保護区として守られているカエナポイントで、ハワイ原生の鳥や植物、ハワイアン・モンクシールを写真に収めるべく、出かけたのでした。詳しくは5月6日から3連ちゃんで書いていますので、どうぞ読んでみてくださいねー。

今回は、前回よりもグッと早く家を出発し、朝8時過ぎにはハイキングを開始。別に行かなければならない学校の課題などはなかったのですが、何せ5月に訪れたカエナポイントがあまり美しかったので。家族4人で再訪したわけです。

終点であるカエナポイントの灯台まで、早朝から1時間半、元気に歩いたのですが、オアフ島でも最も乾いた地域であるカエナは、暑かった! 5月に比べて日の出が早くなっているし、今や真夏ですから、日差しの強さが前回とは違いました。往復3時間プラス、あちこち寄り道して4時間後に駐車場に戻ってきた時には、家族全員、へとへと。

ですが今回は、前回を上回る素晴らしい経験が待ち受けていました! モンクシールを目撃したのです! そのモンクシールは体長約1メートル。浅瀬で昼寝の真っ最中でした。鼻を水面ギリギリに出し、プスーッ、プスーッ、と寝息が遠くまで聞こえてきて可愛いいこと(下の写真の中央、灰色の丸太みたいなのがそれ。わかりますか?)。「きっとこういう浅瀬でなら鮫に襲われる心配もなく、寛げるんだろうなあ」と、ハワイアン夫。



そういう夫は沿岸でシュノーケルも楽しみ、「オアフ島でこんなにたくさんの魚を見たのは初めてだ!」と大興奮。エンジェルフィッシュ、パニニその他、透明度の高い海にはトロピカルフィッシュが五万?と泳いでいたそう。次は私も泳ぎたい!





ちなみにカエナポイント周辺には磯溜りのような場所がたくさんあり、透明な浅瀬には藻や海藻が生え、蟹や魚が泳ぎ、まるで天然の水槽のよう(どうぞ冒頭の写真をご覧ください)。…クタクタに疲れたカエナポイント遠征でしたが、そういう自然美に遭遇するたび、また出かけたくなるのです!


コメント (2)
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カエナ・ポイントの塩田

2012年05月11日 | 自然
もうそろそろカエナ・ポイントの話は終了~と思うのですが、最後に塩の話を。

今回、出発前にカエナ・ポイントについての本を読んでいたら。波打ち際近くの岩場には塩田にも見える箇所がある、自然にできたものだが、1900年頃までハワイアンはここで塩を採取していた…みたいなことが書いてありました。

へえ~、昔はここで塩を採ったんだ…と、興味深々だった私。ぜひ見つけたいと思っていたら…。ある、ある。歩きはじめて比較的すぐのエリアに、真っ白な塩が溜まった天然の塩田らしきものが散らばっていました。




さっそく塩を舐めてみると…。純粋な塩の味がして、すごく美味しい。塩味も強いというか深いというか、とにかくピュアな塩味なのです。これで調理したら…たとえば鍋の味付けとか塩むすびとか、さぞかし美味だろうナ、と、娘と二人であちこち味見。昔のハワイアンが重宝しただろうことは、容易に想像できました。

とはいえ、乾ききった辺境の地であるカエナ・ポイントに、ハワイアンが多数暮らしていた可能性はあまりないようです。確かに幾つかの住居跡や、漁業のための祭壇跡は見つかっていますが、淡水があまり得られないのがその理由。山に近いエリアには泉も少しあるようですが、その供給量から判断して、タロイモやサツマイモをここで大々的に作って、大人数の生活を支えることはできなかっただろう、と考えられています。

一帯は確かに乾いたエリアではありますが、ここにはイリマやナウパカ、パウオヒイアカなどなど、ハワイ固有種の花々、そして私が遠くから「あれがカエナ・ポイントの有名なフェンス?」とバカな勘違いをした不思議な木の林(冒頭の写真。白樺をごく細にして枯れさせたような真っ直ぐな木なのです)をはじめ、初めて見る植物がいっぱいでした。また早くカエナに出かけられるのは、いつになるでしょうか? 出かけたらまた、ご報告しますね!
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最果ての地カエナ・ポイント

2012年05月06日 | 自然
昨日は老体に鞭打って、ノースショアのカエナ・ポイントのハイキングに行ってきました。カエナ・ポイントといえば、オアフ島最西端。ハレイワからさらに車で30分近くかかるモクレイア・ビーチ近くに車を止め、約1時間半ほど歩いて到着する辺境の地です。あるいはワイアナエ沿岸のヨコハマ・ベイからも同様に、徒歩でアプローチが可能です。

カエナ・ポイント周辺には様々な神話・伝説が残り、ホントに興味の尽きない場所。詳しくは追々書いて行くとして、今日はカエナ・ポイント近くのフェンスについて少しご紹介。一帯はハワイ諸島でも指折りの手つかずの砂丘が残る地区として、州・アメリカ双方の自然保護区として指定されています。



そのため昨日のハイキングも、息子(日本でいうと高校1年生)のクラスの課題として出かけたもの。カエナ・ポイントに近づくと二重のゲートがあり、一帯はフェンスで囲まれ、犬など動物が侵入できないようになっています。学校の課題は、このフェンスの内外に生息する、ハワイアン・モンクシールやミズナギドリ、アホウドリ、そしてある種のハワイ固有植物を観察して写真を撮ること、というものでした。これらは全て絶滅の危機にある種。結果、ミズナギドリ以外を観察・撮影することができました(私はモンクシールは見過ごしました。涙)。



そんなわけで家族4人プラス息子の友人2人を連れ、スパムむすびを山のように作り、ホノルルを朝8時に出発。沿岸ハイキングを決行したのですが、これが楽しかった! カエナ・ポイントはひどく乾燥した地域なので、美しい入り江のほかに見たことがない植物があったり、(昔石切り場があったくらいですから)岩がゴロゴロしていたり。ハワイ最果ての地といったイメージそのままの場所でした。朝9時から午後1時まで長時間、暑い中を歩いたため、あまり各所でのんびりできなかったのが心残り。またゆっくり出かけたいと思います。



さて。帰りがけ、少し驚いたことがありました。車が入れる地点の近くまで戻ると、2台のハワイ州のパトロールカーが待機していたのです。それは州政府の環境保全庁、みたいな部署の車で。私達も声をかけられたのですが、この先で犬を連れた二人を見たか? とのこと。確かに、黒い犬を連れた男性二人がいました。なんでもフェンスの中だけでなく外も、この地区は犬や猫は禁止とのこと。誰かの通報を受けて、州の職員がやってきたのでした。その後、パトカーも1台やってきました。

いやあ…。ハワイも公園やビーチなど公共の場所によっては犬連れを禁じている場所はけっこうあるのです。でも現実は、そんな条例を無視する人は多く、かといってそれを通報する人もあまりいないよう。同様の状況でパトカーと見ることは過去なかったのです。ですが、あのカエナ・ポイントのような最果ての地に、通報を受けて車が3台もやって来たとは、驚きです! ホノルルから車で1時間かかるの場所なのですがねえ。これを見て、カエナ・ポイントがどれだけ重要視されているのかが、よ~くわかりました。真剣に保護されている地区なんですね。

カエナ・ポイントについては書きたいことがたくさん。とりあえず次回は、初めて目にすることができた! 伝説の岩レイナ・ア・カ・ウハネをご紹介します。古代ハワイアンが昔、死者の魂がこの岩からあの世に旅立つと信じていたそうな。伝説の巨岩は、噂通りの妖しいルックスの岩でした…。少々お待ち下さいね。
コメント (4)
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