森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

「アロハ・オエ」ヒットの功績者

2022年11月14日 | 歴史


金曜日の地元紙のコラムに、とっても興味深い逸話が紹介されていたのでシェアしますね。ハワイ王国時代のドイツ人音楽家ヘンリー・バーガーと、「アロハ・オエ」にまつわるお話です。

ヘンリー・バーガーといえば、ロイヤルハワイアンバンドで40年以上も指揮者を務めた著名な音楽家。私はハワイ王国の国歌(現ハワイ州歌)の「ハワイ・ポノイ」に曲をつけた人として記憶していました。同曲の作詞をしたのは、ご存知カラカウア王ですね。

ヘンリー・バーガーに関してはそれぐらいしか知らなかったのですが、コラムによれば、彼こそがリリウオカラニ作の「アロハ・オエ」を世に知らしめた人なのだそうです。

それはロイヤルハワイアンバンドが、1883年にサンフランシスコのコンテストに参加した時のこと。コンテストには全米のバンドが出場していたそうですが、そこでロイヤルハワイアンバンドが(ハワイ外で)初披露したのが「アロハ・オエ」でした。

演奏は聴衆から絶賛され、何度もアンコールがかかり、コンテストでも見事、優勝。ロイヤルハワイアンバンドはそのまま全米ツアーもしたので、あの名曲が広く知られるようになったということです。

ちなみにリリウオカラニがこの曲を書いたのは王女時代の1878年。コンテスト時にもまだ王女でした。ヘンリー・バーガーはきっと「この曲はハワイの王女によって書かれたものでして…」などとリリウオカラニに言及したでしょうし、きっとその編曲も美しかったに違いありませんね。

…1929年に死去するまでに、75曲を作曲したというヘンリー・バーガーですが、記事の中で一番の功績と紹介されていたのが、ハワイの古いメロディを書き留め、それを曲として仕上げることで記録していったということでした。彼がルアウや街角で耳にしたハワイ語の歌の美しい旋律を日常的に書き留めていたお陰で、ハワイの古いメロディが失われなかったと高く評価されているそうです。

そんな功績もあってのことでしょう。リリウオカラニはヘンリー・バーガーを「ハワイアン音楽の父」と称していたということです。
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11月のアラモアナビーチ

2022年11月13日 | 歴史


このところ、少しだけ朝晩が涼しくなってきたホノルル。ダウンタウンでは朝から雨が降っていましたが、アラモアナビーチには青空が広がっていました。

その後曇ったと思えば、虹がお出まし。海には入れなかったけれど、ただ海辺に立つだけで気分はアゲアゲに! 雨のなか出かけてよかったです。

物価は高いけれど幸福なホノルル暮らし。タダで楽しめることがイッパイです。でもその後、$14のラーメンを食べ豪遊?してしまいました…。
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久々のイオラニ宮殿

2022年10月25日 | 歴史


久々に行ってきました! イオラニ宮殿に。

コロナ禍中、この1年くらいは宮殿にご無沙汰だったので、久々の宮殿訪問は嬉しく懐かしかったです。見学のルートが変わっていたり、新たにカラカウア王のユニフォーム(複製)が加わっていたりと、新たな発見も。

…ということで、まだ先になりそうですが、ボランティア復帰も思案中。たまには宮殿の息吹というか、マナにふれていないといけませんよね。ハワイの歴史を学ぶものとしては…。

また、ご報告します!
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ハワイ史にみる「写真の功罪」

2022年08月23日 | 歴史


この週末、ハワイでは3連休でした。金曜日はアドミッションデー(またはステートフッドデー)という、州の祭日だったのですね。

アドミッションデーとは、ハワイがアメリカ50番目の州となった日を記念して設けられた祝日です。ハワイ王国が1893年に倒れ、ハワイは共和国時代を経てアメリカの準州に(1898年)。それが1959年に州になりました。

でも私はこの日を祭日とか祝日と呼ぶことに、大変な抵抗を感じます…。なぜって、別にハワイアンが懇願してアメリカの一部になったわけでなく、アメリカによって領土を奪われ、最終的にその国の一部になったのがこの日、と私は解釈しているからです。「ハワイが準州から州に昇格した」という表現も、私的には大NG。

…ご存知のようにハワイ王国最後女王、リリウオカラニは、白人勢力のクーデターによって退位しました。それは流血の事態を避けるための苦肉の策で。この時リリウオカラニは、事態の判断をアメリカに委ねるといって一時、退位したのですが、その後あれよあれよという間にハワイは準州としてアメリカに併合され、1959年には州になってしまったわけです(その間の経過は思いきりはしょっています)。

実際、1898年のアメリカ併合に対しては反対運動が起き、2万1000人のハワイアンが「併合反対!」の嘆願書に署名しました。その年の国勢調査によるとハワイアン人口が3万9000人でしたから、軽く半分以上のハワイアンが署名したことになります。嘆願書はクエ・ペティションと呼ばれる有名なもので、今では貴重な史料に。2万1000人分の手書きの署名は1冊の本にまとめられ、出版されています。本ではないけれど、その署名のコピーを、私も司法歴史センターというところで見たことがありますよ。

アドミッションという英語は入会とか入会許可、承認などの意味があり、まるっきり上から目線といいますか。アメリカ本土の人々をはじめ一般の人々が、まるでハワイがアメリカ50番目の州になりたくてしょうがなかったかのような印象を覚えるのは…冒頭の新聞少年の写真の影響も大きかった気がします。

「Statehood!(州に!)」と大書された新聞を持つ少年の写真は、とても有名な写真ですよね。皆さんも、見たことがあるかもしれません。でもこの少年は、別にハワイが州になるのが嬉しくて二カッと笑ったのではなく、いつもそうして新聞を売っていたのではないでしょうか? それを後年、政治利用したのがこの写真だと思うのです。このコラージュ内の写真全部が、かなり政治的なものに感じています... 。

ああ、今日はいつになく大辛口になってしまって失礼! でもでも、アドミッションデー、そしてアメリカ独立記念日が巡ってくるたびにこのことが書きたくて、ウズウズしていた私。辛口の独り言、読んでくださって有難うございました~。


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王家の霊廟で、久々に「ゾ~!」

2022年03月10日 | 歴史


もう2週間前になりますが、久々に、ヌウアヌの丘の王家の霊廟に行ってきました! ハワイ王朝の50人以上の王族が眠るこちらの霊廟については、あちこちに書いております。

たとえば、ハワイ州観光局のアロハプログラムでも書いていますので、ご覧くださいね。

この王家の霊廟、大変な聖地でありスピリチュアルな場所ですから、まあいろいろな出来事があるようですが…。今回も、なぜかカメラがおかしくなりました。画面におかしな柄のようなものが入ってしまったり(レンズが汚れているの? と思ったら、その後消えました)、なぜか動画モードになってしまったり。カメラに続き、携帯電話での撮影でも動画モードになったりして、なんだかおかしな感じでしたよ。

「え? カメラがおかしい!」と騒いでいた私に、「ここではそんなことがよくありますよ。想像以上に」とおっしゃったのは、霊廟の管理者のカイさん。実は私にとっても、カメラがおかしくなるのは2度目でした。

このカイさんも王族の末裔の一人であり、世が世なら…という方。その日はカイさんに、ちょっと衝撃的なことを聞きました。ふだんは施錠されているチャペル(上の写真)を見せていただいた時のことです。カイさんが、「1976年にチャペル周辺の溝の工事をした時、19体の古い遺体が出土した」というのです!

何でもその19人は人身御供のようなものではなく、やはり王族。王族だけがつけられる羽毛のケープなどが一緒だったので、そうわかったそうです。ただしやや位の下の王族なので、昔のハワイの埋葬の慣習にのっとって、位の高い王族の墓の回りに葬られたのだろう、との推測でした。

(あ、言い忘れましたが、このチャペルの建物こそが、最初は霊廟として建てられた建物です。ですがそのスペースがいっぱいになったため、チャペルの外に別途、カメハメハ王朝の霊廟、カラカウア王朝の霊廟などが造られたという経緯です)

チャペルの周囲から遺体が出たという話が初耳だった私は驚愕し、「ではその19体は、今どこにあるのですか?」と聞くと…。「また元に戻されてそのまま眠っていますよ」とカイさん。え? このチャペルの回りの土の中に?

「そう…。その角のあたりに4体、そちらに3体…」と、カイさんは詳しく教えてくれました。

…このチャペルに入ったのは、今まで何度くらいあったでしょうか。5,6回? でも! チャペルの回りにグルリと遺体が埋葬されているという話は知らなかった~! 正直、衝撃を受け…ちょっと怖くなってしまいました。

王家の霊廟は、本当に奥が深いと言いますか。訪れるたびに驚きの発見があり、何度も訪れてしまう自分がいます。皆さんもぜひ!




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