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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

ぎゅうぎゅうに詰まった箱の蓋を無理やり閉めたい。 『ひかりをあててしぼる』

2016年12月10日 00時00分51秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1005回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『ひかりをあててしぼる』

 

 

 

 

 

『こぼれる月』、『官能小説』の坂牧良太監督が2011年に手がけた自身の舞台劇を映画化したドラマ。

 

実際の事件をモチーフに、ドメスティック・バイオレンスを巡る夫婦の愛憎が辿り着いた悲劇の顛末を描く。

 

 

 

 

 

物語。

ごく普通のサラリーマンの谷中浩平は、合コンで知り合った美女、木下智美と結婚、幸せな新婚生活を送る。

しかし、虚栄心の強い智美はワガママ放題で浩平を振り回すようになり、浩平は精神的に追い詰められていく。

やがて浩平の不安と不満は激しい暴力となって智美に向かうようになる。

 

脚本は、宮崎大祐、坂牧良太。

 

 

 

 

 

出演。

派谷恵美が、谷中智美。

彼女の芝居が圧倒的。

 

忍成修吾が、谷中浩平。

それを受けるのも難しいのよ。

 

永山たかしが、友人。

そこをきちんと引き戻していて、彼の視点で語られていく。

 

桜井ユキが、妹。

 

ほかに、真田幹也、など。

 

 

 

 

 

 

スタッフ。

音楽は、下石奈緒美。

主題歌は、小南泰葉の『白闇』

撮影監督は、古屋幸一。

スクリーンによるのかもしれませんが、少し色が弱いです。

 

 

 

 


人も羨む夫婦がDVでたどり着く、果て。坂牧良太が自作の実話を基にした舞台劇を映画化。
外と中の二つだけで境界を取り去った世界が攻撃と逃避の逆転を描き出す。
背を腹に変えて派谷恵美が箱の中をびっしりと埋めていく。
『悪魔のような女』の反転の構図を受けきる忍成修吾と永山たかしが左右の扉。
アンダープレッシャーを歌いたくなる圧作。

 

 

 

 

 

おまけ。

上映時間 83分
製作国 日本

 

 

キャッチコピーは、「世界一残酷で 世界一ピュアな夫婦の物語――」

 

 

 

 

受賞歴。 

2016年の アメリカの批評サイト「Hollywood Investigator」が主催するホラー映画賞 Tabloid Witch Awards で、最優秀作品賞と最優秀女優賞をダブル受賞。

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

撮影の色味が薄く、スクリーンにもやがかかったようで、雰囲気があるようで、もやもやする。

ある意味では、不幸中の幸いにも受け取れる。

 

 

最初の手の意味が象徴的すぎて、見終わった後で少々モヤモヤする。

 

 

基本、編集が切り返しとポイントでのカットなので、単調なので、芝居は見やすいが、単調ではある。

最初に友人の語りで始まるはずが、視点が3つになるのがうまく処理されてはいない。

そこを妻の狂気に感染したという見方もできる。

妹の存在が実は重要だが、そこは突っ込まない。

章立ては視点の整理に役立つので、そこは巧い。それにアメリカではウケる手法。

 

 

妹の関係で始まるのに、姉と妹の関係が希薄。

そこは父との関係をトラウマで使用しているのに薄い象徴として使っているが、突っ込まない分、想像を掻き立てるが、物語としてはもう少し描いてほしいところではある。

 

 

実景の入れ方は象徴的で、それは素晴らしい。

 

象徴の使い方が厚くも薄くも映画を調えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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