で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2319回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『コヴェナント 約束の救出』
2018年、米軍小隊を率いる辣腕曹長が誰も信じられない中、かつて敵と働いていたアフガン人通訳と敵の爆弾基地探しで絆を築いていく、実話を基にした戦場アクション・サスペンス。
原題は、『GUY RITCHIE'S THE COVENANT』。
『ガイ・リッチーによる<その約束>』。
製作年:2022
製作国:アメリカ
上映時間:123分
映倫:G
配給:キノフィルムズ
物語。
2018年、アフガニスタン。
タリバンの武器庫を探す小隊を率いる辣腕の米軍曹長ジョン・キンリーは、基地に物資を運んできたアフガン人運転のトラックによる爆弾で仲間を失った。
ジョンの部隊は、都市部に配置換えされ、新たにタリバンと働いていた反抗的なアフガン人通訳アーメッドを雇う。
知らない場所で誰も信じられない中での捜索でジョンの部隊は成果を上げることができない。
ジョンはその辣腕を発揮し、タリバンの武器庫の情報を持つ男を見つける。
だが、アーメッドがジョンの指示を無視し、その男と交渉を始め出す。
アフガニスタンの米軍に協力していた現地人通訳には、アメリカ移住の特別ビザを与える報酬が約束されていたが、実際は、多くのアフガン人通訳には発行されず、しかも、タリバンからは裏切り者として標的にされたという。
監督(共同脚本・共同製作も)は、『スナッチ』『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー。
原題では自身の名を冠して、この実話の映画化に取り組んだ。
主演は、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』『ナイトクローラー』のジェイク・ギレンホールとTVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のダール・サリム。
スタッフ。
監督:ガイ・リッチー
製作:ガイ・リッチー、アイヴァン・アトキンソン、ジョン・フリードバーグ、ジョシュ・バーガー
製作総指揮:サマンサ・ウェイト、オルガ・フィリプク、ロバート・シモンズ、アダム・フォーゲルソン
脚本:ガイ・リッチー、アイヴァン・アトキンソン、マーン・デイヴィス
キャスティング:ダン・ハバード
撮影:エド・ワイルド
プロダクションデザイン:マーティン・ジョン
衣装デザイン:ルールー・ボンテンプス
編集:ジェームズ・ハーバート
音楽:クリス・ベンステッド
出演。
ジェイク・ギレンホール (ジョン・キンリー/曹長)
ダール・サリム (アーメッド/通訳)
エミリー・ビーチャム (キャロライン・キンリー/妻)
ショーン・サージャー (ジェジー)
ジェイソン・ウォン (JJ)
ライズ・イェーツ (トムキャット)
ジェームズ・ネルソン・ジョイス (ジャックジャック)
クリスティアン・オコラ・ラヴァーニア (チャウチャウ)
ジョニー・リー・ミラー (カルロス・ヴォークス/大佐)
アントニー・スター (エディ・パーカー/民間軍事会社兵士)
アレクサンダー・ルドウィグ (デクラン・ブレイディ)
ボビー・スコフィールド (スティーヴ・カーショー)
Hadi Khanjanpour (エドリス)
Ash Goldeh (ファラジ)
『コヴェナント 約束の救出』を観賞。
2018年、米軍小隊を率いる辣腕曹長が誰も信じられない中、かつて敵(タリバン)と働いていたアフガン人通訳と敵の爆弾基地探しで絆を築いていく、実話を基にした戦場アクション・サスペンス。
敵地の真ん中で窮地に落ちいった、信用しきれないアフガン人通訳と辣腕曹長が逃げ延びようとする男の持つ信念とも違う使命に向かう姿を描いている。
宣伝で描かれるのは後半だが、そこよりも前半の方に重きが置かれている。そこには信頼できない同士が共通の障害に向かって、絆を築く出来事を丁寧に追っている。
なにしろ、タリバンもアフガン人も区別がつかないのだから。孤立無援で120キロを敵に追われながら、たった二人で逃げ続けるのだから。
なにしろ、タリバンは、アフガニスタン内でも支持者と不支持者が強く分かれており、タリバンは同じアフガン人の米軍協力者を裏切り者として、標的にしていたので、米軍はアフガン人通訳を軍へ協力させるため、アメリカ移住ビザを発行するという報酬を出したが、その約束は多く守られなかった背景がある。
そう、これはタイトル通り、約束の物語。
監督(共同脚本も)は、『ジェントルマン』などのガイ・リッチー。
『GUY RITCHIE'S THE COVENANT』と、原題では自身の名を冠し、いつもの作風を抑えめにして、この実話の映画化に取り組んだ。
戦闘シーンが激しくも丁寧で見ごたえあり。現代的な高度の高い俯瞰映像とリアルさを素早過ぎない編集できっちりと見せていく。実話の心情に寄るため、激しいけど残酷過ぎないギリギリのラインで見やすいのもかなり計算されている。
その二人の絆をガイ・リッチーならでは熱くスマートに描き出す。通訳の話なのに、会話よりも無言d根交わす視線で描き出す硬質がある。ゆえに会話のサスペンスが映える。
主演は、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』『ジャーヘッド』のジェイク・ギレンホールとTVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のダール・サリム。
それぞれの感情の激しい変化(撮影では、長くとって、編集で切ったんだろうなぁ)を見せる、熱がこもりまくり。
でも、情に流されて、智にもちゃんとナイフを突き刺して、ただ熱いってだけに済まさない。劇中では、それをある言葉で刺してくる。もはや怖いし、だからこその人を信じ合うことの価値が見えてくる。
手っ取り早い家族の苦悩に焦点を当手過ぎず、削ぎ落とし過ぎずに、戦場を描き続けるのも好み。
ぞれぞれの背負ったものに力入って、座席でさえ筋肉ががちがちになります。
分かりやすい友情物語でなく、戦友の持つ絆というものの太さをぶち通してくる一本。
ネタバレ。
命を救われたことを「呪い」だという考え方はなかなか強い。