で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2352回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『リバウンド』
廃部寸前の高校バスケ部を新人コーチが寄せ集め部員と全国大会出場を目指す青春スポーツ・コメディ・ドラマ。
2010年代の釜山(プサン)中央高等学校バスケットボール部の実話を実写映画化。
原題は、『리바운드』。
英語題は、『Rebound』、『REBOUNd』。
『反発』、『期待外れ』。
『リバウンド』という邦題の映画は、他にいくつかある。
製作年:2023
製作国:韓国
上映時間:122分
映倫:G
配給:KADOKAWA=KADOKAWA Kプラス
物語。
2010年韓国の釜山(プサン)。
元バスケ部のカン・ヤンヒョンは、用務員として母校で働いていたが、廃部の危機の釜山中央高校バスケ部の新任コーチに経費削減のために抜擢される。
しかし、彼はこれを人生の好機と、部を再建しようと情熱的に取り組む。
目を付けた選手に声をかけていく。注目された天才選手だったがスランプに陥ったガードのキボム、怪我で逃げたオールラウンダーのキュヒョク、高い身長だけのサッカー選手スンギュ、3人制のストリートバスケ経験だけのパワーフォワードのカンホを勧誘する。
いい選手には断られ、ソウルの高校などにとられてしまったが、数名が入部する。
けれど、ヤンヒョンには奥の手があった。
地元中学のエースで、彼が子供の頃から教えてきたハン・ジュニョンが彼がコーチならと入学するというのだ。
新しい年を迎え、さらに、バスケットボール経歴7年目だが万年ベンチのチェユン、バスケットボールへの情熱だけは高熱の自称<第2のマイケル・ジョーダン>チヌクも入部。
寄せ集めのポンコツチームにたった一本の柱。
誰もが不可能だと言うが、彼らは<リバウンド>をつかみに跳ぶ!
監督は、『記憶の夜』『ライターをつけろ』のチャン・ハンジュン。
スタッフ。
監督・脚色:チャン・ハンジュン
PD:パク・ユノ
脚本:クォン・ソンフィ、キム・ウニ
助監督:ソン・ドンギュ
撮影:ムン・ヨングン、カン・ジュシン
照明:パク・チソン (ライトリアクション)
美術:イ・ミギョン
武術:パク・ヨンシク
編集:ホ・ソンミ、チ・ヒョンジン (PARAN)
音楽:カン・ネネ
字幕翻訳:根本理恵
出演。
アン・ジェホン (カン・ヤンヒョン/釜山中央高校バスケットボール部コーチ/公益勤務要員)
イ・シニョン (チョン・ギボム/ガード)
チョン・ジヌン (ペ・ギュヒョク/スモールフォワード)
キム・テク (ホン・スンギュ/センター)
チョン・ゴンジュ (チョン・ガンホ/パワーフォワード)
キム・ミン (ホ・ジェユン/ベンチシックスマン)
アン・ジホ (チョン・ジヌク/シューティング ガード)
イ・デヒ (ハン・ジュニョン/パワーフォワード)
イ・ジュニョク → イ先生 プサン(釜山)中央高校
ソ・ヨンサム → 校長 プサン(釜山)中央高校
キム・ジンス → 教頭 プサン(釜山)中央高校
キム・フェジン (もじゃもじゃ頭/パク・ユノ/シューティング ガード)
ホン・ソンピョ (くりくり坊主頭/チャン・ウォンソク/パワーフォワード)
キム・スジン (キュヒョクの母)
カン・エシム (校長の妻)
ミン・ムジェ (キボムの父)
チェ・ジョンユン (キボムの母)
ペ・ソンイル (先生1 プサン(釜山)中央高校)
カン・シンチョル (先生2)
ユ・イネ (先生3)
ソン・チャンギュ (先生4)
イ・サンウォン (イム・ホジュン/釜山中央高校バスケットボール部コーチ)
チャン・ヒョンソン (龍山(ヨンサン)高校 コーチ)
カン・ヤンヒョン (焼肉屋 社長/本人)
ペ・ギュヒョク (スヨン(水営)湾 野次馬/本人)
ホン・スンギュ (ラグビーチーム コーチ/本人)
ホ・ジェユン (観客1/本人)
チョン・ガンホ (観客2/本人)
チョン・ジヌク (中学校 資料写真/本人)
パク・チェミン (協会長旗 中継)
チョ・ヒョニル (協会長旗 解説 SPOTV NBA解説委員)
『リバウンド』(2023)を観賞。
2010年韓国釜山、廃部寸前の高校バスケ部の新人コーチが寄せ集め部員と全国大会出場を目指す青春スポーツ・コメディ・ドラマ。
2010年代の釜山(プサン)中央高等学校バスケットボール部の実話を実写映画化。
ダメ部が新たなコーチで再建されていく『ルーキーズ』などの定番ネタをバスケで。
前半はコメディ味で、後半は熱血スポーツものになっていきます。試合をきっちり見せるためにドラマ部分が展開早めなのがいいんです。
事実は小説より奇なりの全国大会の実話の熱が伝わってくる。
それはスポーツもののよさである動きで見せるのを前半後半に何度もしっかりやってくれているから。バスケの興奮をガッツリ味わえます。
脚本は、実話頼りで少々ゆるめ。コメディ味だとこういうの多いですよね。
ただ脚本がゆるく見えるのは、少し字幕が弱いためかも。
バスケのルールが説明が韓国字幕で入るが、日本語では省略されている。バスケのルールわかる人ならいらないレベルの説明ではあるが、それを筆頭にセリフも少し足りない感じになっている。いいセリフが少々ぼやけたりする。得点板もハングルだけなので一瞬理解しづらいところがあるので、中央高校は4文字と覚えるといい。まぁ、試合と物語展開でわかることではあるが、スポーツものとしての面白さが削がれる。
動きと展開が早いのもあって、たまに顔が判別できなくなることもあります。名前も覚えにくかったりします。出てくる人数が少ないんですけどね。眉毛濃いめのギボムと目が離れて少し怖いギュヒョクだけ覚えておけば、あとはじょじょに入ってきます。あとは身長の違いもありますしね。
生徒は定番キャラ多めですが、コーチに新しい人間味があっていい。生徒の成長はもちろんありますが、コーチの成長ものなの。生徒の成長がコーチの成長を促す展開がいいんです。
アン・ジェホンは本来のぽっちゃりでコメディアン的演技が得意ですが、『狩りの時間』で怖くてワイルドな様を見せたのと、うまくかみ合って、いいバランスの演技になっています。
なんといっても生徒役の動きにとにかく拍手を送りたい。
それをとらえる撮影と照明もいいのです。やっぱ映画ですもの、ここ大事。
劇場はそこまで埋まってないですが、試合中の熱は『THE FIRST SLAM DUNK』に迫る勢いですぜ。
映画を見た後、本人たちが映画にちらっと出ていたのを知って、もう一度見て、確認したくなる。
実話で、笑って、怒って、泣いて、というエンターテインメントの王道をぶちかましてきます。
そして、最後の現と夢にぐっとくる一本。
ややネタバレ。
韓国映画あるあるですが、日本の著名人に見えてきて、脳に違うぞと言い聞かせることがちょいちょいあります。
六角精児や若い向井理、坂口涼太郎とかね。
ネタバレ。
屋上で話すスンギュ(サッカー選手)とガンホ(ストリートバスケ)の会話、「俺たちは大人になる」とはどういうことか。
このチームから4名が韓国プロバスケ選手となり、コーチのカン・ヤンヒョンはオリンピック韓国代表チーム(3人制バスケ)のコーチに就任した。