で、ロードショーでは、どうでしょう? 第495回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『セブン・サイコパス』
独特の脚本を引っさげ、イギリス演劇界ではシェークスピアに並ぶ記録も持つ、若き巨匠であり、新進気鋭の映画監督として、期待大のマーティン・マクドナーの監督・脚本の新作。
お話は、脚本家のマーティは『セブン・サイコパス(7人のキチガイ)』という脚本を執筆中。
ところが、タイトルと一行しか書けないまま締め切りは過ぎてしまった。
友人の俳優志望のビリーは、ハンスという男の下で愛犬誘拐詐欺のバイトにも精を出している、かなり危ないやつで、愛犬家のマフィア、チャーリーの愛犬に手を出してしまい、命を狙われている。
しかも、そのチャーリーもジャックキラーという殺人鬼に狙われ、部下が次々と殺されている。
ビリーは、友の手助けと新聞に“サイコパス募集”という広告を勝手に出してしまう。
マーティは七人のキチガイと銘打った脚本は書けないというのに、現実ではどんどんキチガイに囲まれていく。
マーティは彼らを脚本のネタにしようと思いつく。
それが命がけの執筆作業の始まりだった・・・。
当然、タイトル通り、サイコパスが7人出てきます。
勝機と狂気の間、いや、そもそも正気と狂気に境はあるのか?
と、ばかりに物語自体が狂ったようにうねっていきます。
主演は四人。
脚本家のマーティーに、コリン・ファレル
俳優志望のビリーに、サム・ロックウェル。
愛犬家のギャングのボスのチャリーに、ウディ・ハレルソン。
犬誘拐の主犯のハンスに、クリストファー・ウォーケン。
これに、トム・ウェイツ、アビー・コーニッシュ、オルガ・キュリレンコ、マイケル・ピット、マイケル・スタールバーグ、ヘレナ・マットソン、ハリー・ディーン・スタントン、ジェームズ・ヘバート、クリスチャン・バリジャス、ジョセフ・ライル・テイラー、ケヴィン・コリガン、ガボレイ・シディベ、ジェリコ・イヴァネク、ブレンダン・セクストン三世といった面々が画面を飾る。
妙に豪華な出演陣は、多くはゲスト出演的な登場の仕方なんですけど。
コントラストの強いt独特の構図の撮影は、ベン・デイヴィス。
『キックアス』、『レイヤーケーキ』、小品でピリリと辛味を効かせて、じょじょに大作も手がけつつある俊英。
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』などの感動ドラマでもその色で若々しく仕上げている。
脚本家が脚本家を主人公にするとき、深いかつどうしてもやりたかったしかけがあるもの。
しかも、自分と同じ名前までつけているくらいだし。
現実が物語になっていく、不可思議を描き出す。
妙に豪華なキャストの使い捨てもしかけの一つ、楽しみの一つ。
さて、7人目のサイコパスは誰か?
ひねりまくったストーリーに心地よくかつ不安を抱えて、ドキドキしながら揺られていくゾクゾク、ワクワクを堪能されたし。
おまけ。
ネタバレ。
一応映画では、7人目のサイコパスは示されますが、当然1人目と同じで、映画内でも7人目であり1人目と字幕が出ます。
ということは、7人のサイコパスとしては、一人足りなくなる。
1:ジャックキラー →サム・ロックウェル (劇中の実際の存在)
2:アーミッシュ・リベンジャーのハンス →クリストファー・ウォーケン(劇中の実際の存在)
3:愛犬家のボスのチャリー →ウディ・ハレルソン(劇中の実際の存在)
4:ベトナミーズ・リベンジャー(フィクションから、現実の存在の夢の中のフィクションに変わる)
5:ザカライア →トム・ウェイツ(劇中の実際の存在だが、その話が事実かは不明)
6:マギー(劇中の実際の存在か不明)
7:ビリー=ジャックキラー →サム・ロックウェル(劇中の実際の存在)
つまり、7と1は同じ。
では、真の7人目は誰だろうか?
脚本家のマーティ(コリン・ファレル)か、アーミッシュ・リベンジャーの妻(ヘレナ・マットソン)という線もある。
もしかたら、彼らに共感できる、あなた自身かもしれない。
そもそも、すべてはコリン・ファレル演じる脚本家の頭の中の話かもしれない。
ちなみに、兄ジョン・マイケル・マクドナーも監督脚本を手がけていて、賞などに絡み期待されている。
兄弟は、協力関係にもあるようだ。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『セブン・サイコパス』
独特の脚本を引っさげ、イギリス演劇界ではシェークスピアに並ぶ記録も持つ、若き巨匠であり、新進気鋭の映画監督として、期待大のマーティン・マクドナーの監督・脚本の新作。
お話は、脚本家のマーティは『セブン・サイコパス(7人のキチガイ)』という脚本を執筆中。
ところが、タイトルと一行しか書けないまま締め切りは過ぎてしまった。
友人の俳優志望のビリーは、ハンスという男の下で愛犬誘拐詐欺のバイトにも精を出している、かなり危ないやつで、愛犬家のマフィア、チャーリーの愛犬に手を出してしまい、命を狙われている。
しかも、そのチャーリーもジャックキラーという殺人鬼に狙われ、部下が次々と殺されている。
ビリーは、友の手助けと新聞に“サイコパス募集”という広告を勝手に出してしまう。
マーティは七人のキチガイと銘打った脚本は書けないというのに、現実ではどんどんキチガイに囲まれていく。
マーティは彼らを脚本のネタにしようと思いつく。
それが命がけの執筆作業の始まりだった・・・。
当然、タイトル通り、サイコパスが7人出てきます。
勝機と狂気の間、いや、そもそも正気と狂気に境はあるのか?
と、ばかりに物語自体が狂ったようにうねっていきます。
主演は四人。
脚本家のマーティーに、コリン・ファレル
俳優志望のビリーに、サム・ロックウェル。
愛犬家のギャングのボスのチャリーに、ウディ・ハレルソン。
犬誘拐の主犯のハンスに、クリストファー・ウォーケン。
これに、トム・ウェイツ、アビー・コーニッシュ、オルガ・キュリレンコ、マイケル・ピット、マイケル・スタールバーグ、ヘレナ・マットソン、ハリー・ディーン・スタントン、ジェームズ・ヘバート、クリスチャン・バリジャス、ジョセフ・ライル・テイラー、ケヴィン・コリガン、ガボレイ・シディベ、ジェリコ・イヴァネク、ブレンダン・セクストン三世といった面々が画面を飾る。
妙に豪華な出演陣は、多くはゲスト出演的な登場の仕方なんですけど。
コントラストの強いt独特の構図の撮影は、ベン・デイヴィス。
『キックアス』、『レイヤーケーキ』、小品でピリリと辛味を効かせて、じょじょに大作も手がけつつある俊英。
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』などの感動ドラマでもその色で若々しく仕上げている。
脚本家が脚本家を主人公にするとき、深いかつどうしてもやりたかったしかけがあるもの。
しかも、自分と同じ名前までつけているくらいだし。
現実が物語になっていく、不可思議を描き出す。
妙に豪華なキャストの使い捨てもしかけの一つ、楽しみの一つ。
さて、7人目のサイコパスは誰か?
ひねりまくったストーリーに心地よくかつ不安を抱えて、ドキドキしながら揺られていくゾクゾク、ワクワクを堪能されたし。
おまけ。
ネタバレ。
一応映画では、7人目のサイコパスは示されますが、当然1人目と同じで、映画内でも7人目であり1人目と字幕が出ます。
ということは、7人のサイコパスとしては、一人足りなくなる。
1:ジャックキラー →サム・ロックウェル (劇中の実際の存在)
2:アーミッシュ・リベンジャーのハンス →クリストファー・ウォーケン(劇中の実際の存在)
3:愛犬家のボスのチャリー →ウディ・ハレルソン(劇中の実際の存在)
4:ベトナミーズ・リベンジャー(フィクションから、現実の存在の夢の中のフィクションに変わる)
5:ザカライア →トム・ウェイツ(劇中の実際の存在だが、その話が事実かは不明)
6:マギー(劇中の実際の存在か不明)
7:ビリー=ジャックキラー →サム・ロックウェル(劇中の実際の存在)
つまり、7と1は同じ。
では、真の7人目は誰だろうか?
脚本家のマーティ(コリン・ファレル)か、アーミッシュ・リベンジャーの妻(ヘレナ・マットソン)という線もある。
もしかたら、彼らに共感できる、あなた自身かもしれない。
そもそも、すべてはコリン・ファレル演じる脚本家の頭の中の話かもしれない。
ちなみに、兄ジョン・マイケル・マクドナーも監督脚本を手がけていて、賞などに絡み期待されている。
兄弟は、協力関係にもあるようだ。