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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

歌うわけではないけど、歌いたくなる。  『シンシン/SING SING』

2025年05月07日 09時20分45秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2440回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『シンシン/SING SING』

 

 

 

 

ニューヨークで最も厳重なセキュリティが施されたシンシン刑務所で行われている収監者更生プログラムで舞台演劇に取り組む冤罪で収監された男と収監者たちとの友情を描くドラマ。

実話を基にしている。

 

 

物語。

現代アメリカ、ニューヨーク。
冤罪で収監された男ジョン・“ディヴァインG”・ホイットフィールドは、刑務所内更生プログラムである<舞台演劇>に参加しており、演技力を発揮し、ご意見番となっていた。
収監者仲間たちと日々演劇に取り組むことで、わずかながらの生きる希望を見いだしていた。
新しい出し物をすることになり、参加人数を増やすことになり、ディヴァインGが参加希望を出した収監者を面接することに。
その中には、刑務所で一番の悪人として恐れられている男、通称ディヴァイン・アイことクラレンス・マクリンもいた。
ディヴァインGとディヴァイン・アイは同じ役を巡ってオーディションを受けることになる。

 

 

監督は、『ザ・ボーダーライン 合衆国国境警備隊』のグレッグ・クウェダー。

主演は、『ラスティン ワシントンの『あの日』を作った男』でアカデミー賞にノミネートされ、本作の演技でも見事アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたコールマン・ドミンゴ。

クラレンス・マクリンをはじめ、共演者にはシンシン刑務所の元収監者で、現在は舞台演劇プログラムの卒業生及び関係者である俳優たちが多数参加している。

 

 

実話を基にしたシンプルなストーリーを彩るのは、3つのポイント。
第一ポイントは、俳優陣。ほぼ実際に収監されていて、この演劇更生プログラムの関係者である、圧倒的な実在感。その中心にいるアカデミー賞ノミネートのコールマン・ドミンゴの繊細さ。こrねいよりアカデミー賞に2度目のノミネートも納得。
第二ポイントは、ストーリー。刑務所ものだが、アメリカ一厳しい刑務所の実話を基にしているので迫力はあるが、暴力的な出来事は、ほぼ起きない。そこはリアルさが補っている。そして、演じられる劇の内容も魅力的で、オリジナルの舞台はそれぞれが言ったやりたい役を全部入れたSFで、リア王、海賊、グラデュエーターに『エルム街の悪夢』のフレディなどごった煮で娯楽要素が満載で、これまとまるのというほんわかサスペンスもあったり。
第三のポイントは、題材。これは三つあり、サブストーリーに、主人公のジョンと古参の友人マイク・マイクの友情があり、このマイク・マイクは実際に創作のパートナーでここにもリアルな関係が反映されていて、二人のあるシーンは刑務所ならではの設定で響く。そして、もう一つは新人とベテランの演技合戦。それはそのあっま、囚人として、人生においても重ねられ、師匠と弟子の関係にもなっていき、相互の教え合いの関係が沁み入る。もう一つは後半に。
狭い舞台ならではの、濃い人間関係で、横の広さではなく縦の深さに広がるのです。
「潜水艦ものにハズレなし」なんていう言葉が映画界にはあります。それは一か所に集まった立場が明確な人間関係で生まれる濃いドラマに加え、ずっと命が危機にさらされているという緊迫感があるから。そして、それは潜水艦を撮るのが大変なのでたやすく手を出せないという点もあります。
実は、潜水艦ものと刑務所ものは似ている。一か所の濃い人間関係と立場が明確で、さまざまn犯罪者という緊迫感という点が近いから。撮影場所の点では、たやすく手を出せますし、動きはないですが、動けないことは、映画鑑賞とシンクロするし、カメラワークを凝れるので、動きをつくりやすい。この動けるのに動けないという相反する要素が映画的なダイナミックにつながるのです。
「刑務所ものにハズレ少なし」と言いたい。
そこに今作は、実話と本物と高い力のあるの俳優の圧倒的な掛け算がされているのです。
一番ぐっと来たのは、それぞれが自信があったものが崩れていく中で立ち直っていく姿。(これが題材のもう一つ)
そこに見えるのは、生き甲斐について。
だって、人生は厳しい。でも、こういう輝きをもてることは、救いになる。
もちろん、おいらにはそれが映画を見ることであり、こういう映画に出会えること。
映画館の扉を開けて出ていくときの歓び。朗らかに歌いたくさえなる気分。
内の気圧差で生まれる外の風を感じる一本。




 

原題は、『SING SING』(『シンシン』)
刑務所の名前です。

 

 

製作年:2023年
製作国:アメリカ
上映時間:107分
映倫:G

 

 

スタッフ。

監督:グレッグ・クウェダー
製作:モニーク・ウォルトン、クリント・ベントリー、グレッグ・クウェダー
製作総指揮:テディ・シュウォーツマン、マイケル・ハイムラー、コールマン・ドミンゴ、ラウール・ドミンゴ、ラリー・カラス、ラリー・ケリー、ナンシー・シェイファー、クラレンス・マクリン、ジョン・“デヴァイン・G”・ウィットフィールド
原作:ジョン・H・リチャードソン、ブレント・ビュエル
原案:クリント・ベントリー、グレッグ・クウェダー、クラレンス・マクリン、ジョン・“デヴァイン・G”・ウィットフィールド
脚本:クリント・ベントリー、グレッグ・クウェダー
撮影:パット・スコーラ
編集:パーカー・ララミー
音楽:ブライス・デスナー

公開情報:ギャガ  

 

 

出演。

コールマン・ドミンゴ (ジョン・“ディヴァインG”・ホイットフィールド)
クラレンス・マクリン (ディヴァイン・アイ/クラレンス・マクリン)
ショーン・サン・ホセ (マイク・マイク)
ポール・レイシー (ブレント・ビュエル)

デビッド・“ダップ”・ジローディ (デビッド・“ダップ”・ジローディ)
モーシ・イーグル  (モーシ・イーグル)
ショーン・“ディノ”・ジョンソン (ショーン・“ディノ”・ジョンソン)
コーネル・ネイト・オルストン (チャーリー)
ミゲル・バランタン  (ミゲル・バランタン)
ジョン=エイドリアン・“JJ”・ベラスケス (ジョン=エイドリアン・“JJ”・ベラスケス)

 

 

シンシン SING SING : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com

映画『シンシン/SING SING』公式サイト

シンシン/SING SING」場面写真 - 刑務所の問題児が俳優に、本人役クラレンス・マクリンに焦点当てた「シンシン」新映像 [画像・動画ギャラリー  6/10] - 映画ナタリー

シンシン SING SING | CINE QUINTO|渋谷ロフト横/シネクイント

本当の絆に心惹かれる」『シンシン/SING SING』が描く“美しい友情と切実な願い”を、映画のプロたちが語りつくす - Ameba News  [アメーバニュース]

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