で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1235回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』
アフリカで危険に晒された中国人たちを救出するために反政府勢力に立ち向かう主人公の無敵の戦いを、壮大なスケールで描き出すアクション巨編。
『SPL/狼よ静かに死ね』とその続編『ドラゴン×マッハ!』のウー・ジンが監督・主演を務めた2015年の『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』の続編で、中国で記録的大ヒットを果たした。世界興行記録(約900億円以上)で現在56位で非英語映画ではナンバー1の記録を残している上、監督・共同脚本・主演作品では史上一の記録である。
おまけ。
中国人民解放軍特殊部隊“戦狼”の隊員レン・フォンは、殉死した戦友の遺骨を届けるため、その家族の元へ行く。だが、そこで家族のため、一暴れして、逮捕され、刑務所へ。
収監されている間に恋人ロン・シャオユンがアフリカへ赴任。だが、そこで行方を断ってしまう。
3年後、レン・フォンは釈放された後、アフリカへ渡る。
その国では、政府軍と反政府勢力の戦闘が激化しはじめていた。
脚本は、ウー・ジン、トン・クン、リウ・イー。
出演。
ウー・ジンが、レン・フォン。
フランク・グリロが、傭兵のビッグダディ。
『パ^ジ:大統領令』も記憶に新しい主役級がちゃんとがっつり悪役とアクションをやっております。
前作でもスコット・アドキンスでしたから、ここはこのシリーズが対アメリカを意識しているのが伝わります。
セリーナ・ジェイドが、医師のレイチェル。
ウー・ガンが、元軍人のホー。
ハンス・チャンが、ボンボンのイーファン。
ユー・ナンが、ロン・シャオユン。
ほかに、ティン・ハイフォン、チュンユー・シャンシャン、など。
スタッフ。
製作は、グァン・ハイロン、チャン・ミャオ、チー・タオチン。
撮影は、ピーター・ンゴー。
音楽は、ジョセフ・トラパニーズ。
戦友のため特殊部隊を辞めた男が死んだ恋人の復讐に来たアフリカで内戦に巻き込まれるアクション。
90年代的展開が懐かしい中華『ランボー』。アクションは21世紀式の長城級。繰り返しとご都合はあるけど。
新世代の中華アクションスターのウー・ジンがついに花開いた主演・監督・脚本作の第2弾。世界興行で約900億円売り上げ、非英語圏映画ナンバー1の超ヒット。
ウー・ジンがとにかくよく動く。移動系と武器使いアクションで縦横無尽。表情がいい、笑顔にやられます。
ガン&カー&素手&爆発&ラブ&子ども、とアクション・エンターテインメント満願全席。戦車戦まで入れ込むもんなぁ。
暗黒大陸でスタジアムロックを鳴らす躍作。
おまけ。
原題は、『戦狼 II』。
英語題は、『WOLF WARRIORS 2』。
『狼戦士2』ですね。
『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』の続編だが、このタイトルなのは前作はほぼソフトスルーなので。
最初にさくっと回想シーンで描いてくれるので、『2』から見てもわかるけど。
『エリート・スクワッド』を思い出したり。あれも『2』が超ヒットで『2』から劇場公開されたのよね。
上映時間は、123分。
製作国は、中国。
映倫は、R15+。
キャッチコピーは、「男の居場所は戦場に変わる」。
わかるようで全然わからない雰囲気もの。
ウー・ジンは、ブルース・リー、ジャッキー・チェン、ジェット・リー、ドニー・イェンらに続くため、新たなスタイルに挑んでいるし、彼らのスタイルを丁寧に取り込んでいます。
ドニー・イェン直系(『ドラゴン×マッハ!』こと『SPL2』で主演)なのでハードアクション&描写なのですが、本質はシルベスター・スタローンの後継者と言っていい。
ツイ・ハーク的な過剰さをベタな語りでやっているともいえる。
ややネタバレ。
『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』は、2015年作品で、アクションはいいですが、出来はかなりまぁまぁです。
特殊部隊の戦狼のよさもなければ、敵が中途半端でね・・・。
ウー・ジンの笑顔はいいですが。
構成は一緒。最初の活躍、それが原因で辞め、別の場所へ、そこで活躍するが少数で戦う羽目になる。ちゃんと続編に引き継がれていると言えばいる。
敵の作戦の方が大変なので、敵にガンバレと思ってしまうのよね。もちろん、悪い奴なんだけど。
相手は、スコット・アドキンスが起用されております。
監督・脚本・主演作品でのヒット記録での2位は、どうやら主演とはいえ声と動きだけではあるがセス・マクファーレンの『テッド』(約560億円)のようだ。
一応、監督・脚本・キャプチャー出演だとジェームズ・ガンの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(約900億円)と監督・共同脚本・キャプチャー出演のタイカ・ワイティティの『ソー:バトルロイヤル』がある。(コメディアンで主演作もある)
今後、迫れる可能性のある人では、ケネス・ブラナー(監督と主演の『オリエント急行殺人事件』がヒット。脚本も上手い)、チャウ・シンチー(監督・脚本・主演のヒットメイカーといえばこの人。『少林サッカー』が有名だが、出演してない『人魚姫』が約570億円の世界的大ヒットをしている)、ベン・アフレック(『ザ・タウン』。復活できれば、アメコミ主演作で行けそう)、ドニー・イェン(最近は監督と脚本はやってないが)、ベン・スティラー(監督作には大ヒットはないけど)が浮かぶくらいか。
あとは、タイミング次第で、ジョージ・クルーニー、シルベスター・スタローン、メル・ギブソン、ジョン・ファブロー、デンゼル・ワシントン、アンジョリーナ・ジョリー、ジャッキー・チェンってのもあるかも。
まだ若いので、ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』は出てないがコメディアンで主演作『キアヌ』もスマッシュヒットしている)も入れておきたい。
あと、ラテン系が台頭しているので、そこにも潜んでいそう。インド系にもね。
だが、なんと言っても、すでに『戦狼Ⅲ』が待機中のウー・ジンが自分で記録を塗り替える可能性が一番高い。
敬意を表して、現代換算をすれば、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』も入るかと思われる。
世界興行成績は、現時点で56位。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2』をも上回っている。ヒットの理由は中華万歳の要素もあるけど。
ネタバレ。
ラストカットが中国のパスポートで「外国にいて、トラブルに巻き込まれた中国人の方たち、諦めないでください。中国政府はあなたたちを見捨てません」は凄まじい。国の映画なのだな。
この手の映画では、弾は敵には当たるが主人公には当たらないのです。