で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2276回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ヴァチカンのエクソシスト』
ヴァチカンの悪魔祓い師が子供に憑りついた悪魔を祓おうとするホラー・スリラー・サスペンス。
長年にわたってヴァチカンの正式なエクソシスト(悪魔祓い師)として活躍した実在の神父ガブリエーレ・アモルトの自伝を映画化。
主演は、ラッセル・クロウ。
共演は、ダニエル・ゾヴァット、フランコ・ネロ。
監督は、『オーヴァーロード』、『サマリタン』のジュリアス・エイヴァリー。
物語。
1987年7月。
アモルト神父はローマ教皇から直接依頼を受け、スペインの改修中の修道院へ向かう。
シングルマザーの母と反抗期の姉に迎えられる。憑りつかれたのは幼い弟だった。
アモルト神父は、少年の尋常ならざる容姿と言動から、悪魔の仕業と確信する。
若き神父トマースを助手にして、本格的な悪魔祓いに乗り出す。
原作:ガブリエーレ・アモルト 『バチカン・エクソシスト』
原案:マイケル・ペトローニ、R・ディーン・マクレアリー、チェスター・ヘイスティングズ
脚本:マイケル・ペトローニ、エヴァン・スピリオトポウロス
出演。
ラッセル・クロウ (ガブリエーレ・アモルト神父)
ダニエル・ゾヴァット (トマース・エスキベル神父)
アレックス・エッソー (ジュリア)
ピーター・デソウザ=フェイオニー (ヘンリー)
ローレル・マースデン (エイミー)
コーネル・ジョン (ルムンバ神父)
フランコ・ネロ (教皇)
スタッフ。
製作:ダグ・ベルグラッド、マイケル・パトリック・カチュマレク、ジェフ・カッツ
製作総指揮:ジョー・ホームウッド、ソフィ・キャシディ、エディ・シーバート
撮影:カリッド・モタセブ
プロダクションデザイン:アラン・ギルモア
衣装デザイン:ローラ・マリー・マガン
編集:マット・エヴァンズ
音楽:ジェド・カーゼル
『ヴァチカンのエクソシスト』を鑑賞。
87年スペイン、ヴァチカンの悪魔祓い師が子供に憑りついた悪魔に挑むオカルトホラー・スリラー・サスペンス。
長年にわたってヴァチカンの正式なエクソシスト(悪魔祓い師)として活躍した実在の神父ガブリエーレ・アモルトの自伝を映画化。
アモルト神父を貫禄たっぷりのラッセル・クロウが演じている。エクソシストもので、コンスタンティンなど特殊な人物以外でキャラの立った人物がようやく誕生した。(あまり知られていない作品では『ドクター・エクソシスト』のセス・エンバーなどいいキャラはいたことはいたのだけど)嬉々として演じてるように見えます。
定番の構造に思わせて、ジャンルをぎゅっと圧縮。頼りないダニエル・ゾヴァットもいいキャラ。ピーター・デソウザ=フェイオニーが悪魔憑きの少年をやり切る。CGなども相まって迫力満点ですぜ。そこに、ちょいとスパイスの教皇役にフランコ・ネロ。
脚本の構成は、ジェームズ・ワン系のホラージャンルミックスをしているのがよくわかる。
監督は、ジャンルものに新たな風を吹き込んでいるジュリアス・エイヴァリー。空の『プライベートライアン』とも言われるオープニングで知られる『オーヴァーロード』に異色アメコミヒーローの『サマリタン』ともに評価は割れてもいるけど、それこそ新しい挑戦をしているからとも言えます。今作も評価は割れていますが、ジャンルもの好きはおおむねよく評価しています。
今作の新しさはホラーなのに主人公がパワーキャラで、ヒーローものにしたこと。80年代ヒーローっぽいのよね。
美術や画面も内容に合っていて、充分。
パワープレイで夏にもぴったりで、応援上映でも見たくなる。
西洋で好まれる悪魔ものは日本だと怖さが通じにくいところもあるので、このヒーロースタイルは受け入れやすい。(同タイプの『コンスタンティン』もリブート計画中だしね)
まだまだジャンルものにも新視点はあるものです。
けっこう謎解きなんかもあって、シナリオの面白さもあるので、まさに秀作。
宗教が邪魔しない分、日本人こそ楽しめる人が多そう。
悪魔が来りて、悪態をつく豚作。
おまけ。
原題は、 『THE POPE'S EXORCIST』。
『教皇の悪魔祓い師』。
2023年の作品。
製作国:アメリカ / イギリス / スペイン
上映時間:103分
映倫:PG12
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ややネタバレ。
アモルト神父は、けっこう眉唾。
生涯の悪魔払い回数もころころ変わっている。