で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2268回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
古希を迎えた考古学者にして秘宝を求める冒険家“インディ・ジョーンズ”の60年代の冒険を描くアクション・アドベンチャー。
大ヒットしてきたレジェンド・シリーズの5作目。
主演は、ハリソン・フォード
共演は、マッツ・ミケルセン、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、トビー・ジョーンズ。
監督は、『LOGAN/ローガン』、『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド。
物語。
40年代に手に入れた人類の歴史を変える力を持つといわれる究極の秘宝“運命のダイヤル”を巡って、60年代に再び悪名高き元ナチスの科学者フォラーと争奪戦を繰り広げる。
脚本:ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース、デヴィッド・コープ、ジェームズ・マンゴールド
出演。
ハリソン・フォード (ヘンリー・ジョーンズJr/インディ/インディアナ・ジョーンズ)
フィービー・ウォーラー=ブリッジ (ヘレナ・ショー/ウォンバット)
イーサン・イシドール (テディ)
マッツ・ミケルセン (ユルゲン・フォラー/シュミット)
アントニオ・バンデラス (レニー/レナルド)
ジョン・リス=デイヴィス (サラー)
トビー・ジョーンズ (バジル・ショー)
カレン・アレン (マリオン)
ボイド・ホルブルック (クレバー)
ショーネット・レネー・ウィルソン (メイソン)
トーマス・クレッチマン (ウェーバー大佐)
スタッフ。
製作:キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル、サイモン・エマニュエル
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス
撮影:フェドン・パパマイケル
プロダクションデザイン:アダム・ストックハウゼン
衣装デザイン:ジョアンナ・ジョンストン
編集:マイケル・マカスカー、アンドリュー・バックランド、ダーク・ウェスターヴェルト
音楽:ジョン・ウィリアムズ
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を鑑賞。
69年アメリカ、古希を迎えた考古学者で冒険家インディ・ジョーンズの冒険を描くアクション・アドベンチャー。
レジェンド・シリーズの5作目、にして、映画としては最終作。
1作目は1981年で、劇場で見たのが懐かしい(まだ7才でした)。実は、日本では、あまりヒットしなかった。
再びナチスの残党と超常の力を持つであろうアルキメデスの遺物の争奪戦を繰り広げる。宗教絡みのオカルト色の魔法から4作目から超科学にしたのが、作品と合っていないのは、しょうがないところだが、あくまでマクガフィン(意味のない争奪の目的物)なので、肩ひじ張らずに受け止める。この古典的技法こそが、このシリーズの語り口だが、古典の語り口を復刻させたシリーズ自体が古典になったことによるメタ化が作品尾輝きを減らしてもいる。
そして、それは、この作品感、世界観を醸成していた。それはコミカルさであり、それが今作は少々弱い。
主演は、ハリソン・フォードが80歳を超え、70歳のインディを演じ、レジャンドキャラクターのインディの有終を飾った。CGで首がすげ変えられる時代ではあるが、けっこう自身で演じたとのこと。
インディは年齢ごとではあるが、リヴァー・フェニックス(『最後の聖戦』での少年時代)、TVシリーズ『ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ』ではコリー・キャリアー幼少期、ショーン・パトリック・フラナリーが青年期、ジョージ・ホールが老人期を演じている。
ハリソン・フォードは、『スターウォーズ』でもハン・ソロ(主演ではないが)をきちんと有終させている。他に、『ブレードランナー』のリック・デッカード、ジャック・ライアンなどの有名キャラがある。
共演は、マッツ・ミケルセンがその魅力で悪役を憎たらしくさせ、フィービー・ウォーラー=ブリッジが怪しげな女性を、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、トビー・ジョーンズがインディを助ける、いくつになっても頼れる仲間を見せてくれる。
監督をスティーブン・スピルバーグから引き継いだのは、『LOGAN/ローガン』、『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド。
その真面目にキャラを描写していく手腕がと、このシリーズん男ゆるさが少しかみ合わせの悪さを見せるところはあるが、丁寧にシリーズの要素を拾い上げて、オールドファンを喜ばせる。年老いたインディの活躍に道具で説得力を持たせる手腕は流石。40年続く人気作を引き受けた負け試合をなんとか引き分けに持って行けたのは、そもそもスピルバーグの手による4作目『クリスタル・スカルの王国』がまぁまぁだったことが影響している。ファンにも多分送り手にも、あれでは終わって欲しくないという思いがあったのだ。
チェイスはたっぷりで満足だが、遺跡冒険シーンは少なめなのが、少々寂しいか。満足なのは、これでもかと流れるテーマ曲や音楽。ジョン・ウィリアムズのいい仕事は歴史を超える。ノスタルジーは音楽によって熱を帯びる。
なにより圧巻なのは、69年の月帰還パレードの中でのアクションで、CGI力も相まって、大スクリーンに広がる光景に、陶酔する。
老いたヒーローを語るのは、アメコミが70年代につくり上げた作劇。『リーサル・ウェポン4』ぐらいからそこを映画界も取り込んでいき、現在、それでレジェンドの新作と終わりを描いている作品が増えた。映画の歴史が新たな地平を見ているようで、嬉しくもあり、切なくもある。
商業的ではあるが、それでもきちんと終わらせたいんだという取り組みを私は支持する。だって、おいら自身が、もう中年の終わりが見ちゃうから。
これは、エルダーアクションというジャンル。
直線と回転と回り道。
いつまでだって冒険に出られる、いつだって冒険をやめられる、時作。
おまけ。
原題は、『INDIANA JONES AND THE DIAL OF DESTINY』。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』。
この「と」でコミカルさを出すのに失敗しているのがわかる。
2023年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:154分
映倫:G
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
ハリソン・フォードは現在、MCUにて、サディアス・“サンダーボルト”・ロス将軍を演じており、2作に出演が決まっている。
80年代は、1980年『SW 帝国の逆襲』、1981年『レイダース』、1982年『ブレードランナー』、1983年『SW ジェダイの帰還(復讐)』、1984年『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』、1985年『刑事ジョン・ブック 目撃者』、1986年『モスキート・コースト』と驚異のラインナップが並ぶ、脂がのりまくって滴っていた頃だった。しかも、今作撮影当時78歳でアクションスターとして1977年の『スターウォーズ EP4』の30代から45年現役でい続け、今作が全米ランキングで一位を獲得したことは驚嘆に値する。
他には前を進むクリント・イーストウッドがいるが、アクション映画では今作の方が年齢が上での主演となる。後に76歳でシルベスター・スタローン、74歳のサミュエル・L・ジャクソン、71歳のリーアム・ニーソン、69歳のジャッキー・チェン、67歳のメル・ギブソンがいる。
クリント・イーストウッドがアクション映画主演といえる作品は『ブラッド・ワーク』で71歳頃の作品。ただし、ちょっとアクションがある『クライマッチョ』は90歳頃の作品。
ややネタバレ。
インディは、ヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ・ジュニア博士(Dr. Henry Walton "Indiana" Jones, Jr.)が本名。
これは3作目で明かされる。
今作でも当然、正式な場所ではヘンリーと呼ばれている。
ちなみに、インディアナは飼っていた犬の名前。
マクガフィンそのものも言葉の意味は特にない。
ヒッチコックによると、マクガフィンの語源は2人の男が汽車で交わした小噺に由来する。「棚の上の荷物は何だい?」と聞くと、「あれはマクガフィンさ」と答えた。「マクガフィンとは何だい?」と聞くと、「あぁスコットランドのハイランド地方で使われる、ライオンを捕まえる罠さ」と答えた。「でもハイランド地方にライオンなんていないぞ」と問うと、「じゃあ、あの荷物はマクガフィンではないな」と答えた。
なお、MacGaffin または McGaffin(人名の場合、Gの直後はuではなくaと綴る)はイギリスおよびアイルランド系に見られる苗字で、ゲール語に由来する。
ヒッチコック曰く「私たちがスタジオで「マクガフィン」と呼ぶものがある。それはどんな物語にも現れる機械的な要素だ。それは泥棒ものではたいていネックレスで、スパイものではたいてい書類だ」
つまり、マクガフィンとは単なる「入れ物」のようなものであり、別のものに置き換えても構わないようなものである。たとえばヒッチコックは『汚名』(Notorious、1946年)を企画していたとき、ストーリー展開の鍵となる「ウラニウムの入ったワインの瓶」に難色を示したプロデューサーに対して、「ウラニウムがいやなら、ダイヤモンドにしましょう」と提案している[12]。ヒッチコックにとって重要なのは、ウラニウムという原子爆弾の材料ではなくてそれをきっかけにして展開されるサスペンスだったのである。物語にリアリティを与えようとシナリオライターやプロデューサーはそうした小道具についても掘り下げようとするのだが、ヒッチコックはそれは単なるマクガフィンだからそんな必要は無いという態度をとった[13]。ヒッチコックによれば、マクガフィンに過ぎないものに観客が気を取られすぎるとそれに続くサスペンスに集中ができない。だから、マクガフィンについては軽く触れるだけで良いというのがヒッチコックの作劇術であった。(Wikiより)
戸田奈津子の日本語訳が古い。
吹き替え版の方がいいのかも。
あと、これは疑問なのだが、声の出方がちょっと違う感じがした。
再生方法か、録音方法か。
ネタバレ。
TVシリーズ『ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ』で90歳頃まで生きていたことになっているので、今作のオチは決まっている。
アンティキティラは、実際にある装置。
アンティキティラ島の機械(希: Μηχανισμός των Αντικυθήρων, Mechanismós ton Antikythíron)と呼ばれ、アンティキティラ島近海の沈没船から発見された古代ギリシア時代の遺物で、天体運行を計算するため作られた歯車式機械であると推定されている。
かつてはオーパーツと言われていたが、実際は当時の最新技術で作られた歴史的遺物である。(Wikiより)
アンティキティラは、時空を超えて、アルキメデスが助けを呼ぼうという働きがある。
てことは、どういう分析で、あれを回して、狙いの時代に行けると判断したのか。
てことは、装置自体に罠が仕掛けてあったってことよね。
3作目の列車アクション、1作目の中東、2作目の虫いっぱい、3作目の空中脱出、などいままでの変奏のネタが多い。
老体に鞭打って、老体が鞭を打つ映画。