【俺は好きなんだよ】第1853回
『エクストレモ』(2021)
原題は、『XTREMO』。
『過激』、『極端』、『エクストリーム』。
製作国:スペイン
上映時間:112分
Netflixで配信。
スタッフ。
監督:ダニエル・ベンマヨール
原案:テオ・ガルシア
ストーリー:テオ・ガルシア・ジェナロ・ロドリゲス
脚本:イバン・レデズマ
撮影:フアン・アスピロス
編集:ピーター・アムンドソン
音楽:ルーカス・ビダル
出演。
テオ・ガルシア (マックス/兄)
オスカル・ハエナダ (ルセロ)
オスカル・カサス (レオ)
アンドレア・ドゥーロ (マリア)
セルヒオ・ペリス=メンチェータ (フィニト)
アルベルト・チョ・リー (モー)
ルイス・サエラ (ウルクイザ)
ヨハン・ディエゴ (リカルド)
アンドレス・エレーラ
ナオ・アルベット
セサル・バンデラ
イサ・モンタルバン
物語。
現代スペイン、バルセロナ。
元孤児のマックスは、ギャング組織の理事の一人である養父リカルドの下で殺し屋として腕を振るっていた。
弟と呼ぶのはリカルドの実子ルセロと二人でリカルドの仕事を助けていた。
いよいよ、リカルドが組織のボスとなる審議会(コンクラーヴェ)で有力となり、リカルドは、自分のチームの後継者にルセロではなくマックスを選ぶ。マックスと同じ立場の殺し屋の義妹マリアも喜ぶ。
マックスは、これで殺し屋は引退、愛するひとり息子アンダーとの暮らしに時間をさけると思っていた。
しかし、ルセロはこの父の決定に全く納得がいかず、コンクラーヴェの前に父へある行動をとることにする。
貧困母子家庭に居て、ドラッグ売人をして金を稼ぐ不良学生レオは、マフィアにいいように顎で使われていた。
ついに、コンクラーヴェが行われる。
家族を愛する殺し屋が壮大な復讐計画を遂行する中、かつての自分のような青年と出会うサスペンス・アクション。
監督は、『アンリミテッド』『アウェアネス -超能力覚醒-』のダニエル・ベンマヨール。
日本の任侠映画やカンフー映画へのオマージュを感じる作品で、スペインのマフィアものというよりは、スペイン任侠アクションという趣。
なにしろ、敵役のルセロは日本帰りという設定で日本人の最強ボディガードを連れていて、ヤクザに憧れている(といっても映画的な思想で侍的な感じでとらえているが)という設定。
多少、日本的な道具が出てくる程度で日本自体の描写はないが、片言の日本語は出てくるし、タトゥーは完全に倶利迦羅紋紋だの刺青だし、日本刀でのバトルもある。
そう考えると、タイトルの『XTREMO』は、『極道』という意味で使ってる可能性は高い。
あえて邦題をつけるなら、『エクストレモ -スぺイン極道(GOKUDO)兄弟無情-』といったところ。
原案は主演のテオ・ガルシアなので、彼が好きなんだろうか。
三池崇史とか『新・仁義なき戦い。』、高倉健ものとか、『ザ・レイド2』とかの匂いがする。
ドラマは無理やりくっつけたところがあるので、ベタであらすじにあるような政治的な要素や作戦は緻密さはなく、ひたすらバトルとアクションで押してくる。
展開はなかなかひねりもある。うまいシナリオではないが、見せ場でつなぎ、外連味たっぷりでやりたいことを十分に受け取れるし、重みのあるアクションはなかなかの見応え。
マックスもつよいが、それより義妹のマリアの方が技術的には強く賢い設定なのも、現代的で彼女の方がリーダーなのも愉快。もちろん、ある点でマックスの方が実戦では強いのは体力とバトルセンスというあたりも考えられている。
主演のテオ・ガルシアがボスというよりは武闘派のヘビーウェイトの格闘家という感じですんどえ、その重量感あるアクションをもっさりと見るか、重みがあるとみるか。
敵役のオスカル・ハエナダがかなり動けるし、独特の風貌なので、新味がある。『アウェアネス -超能力覚醒-』でも強烈なキャラを演じてました。
NETFLIXで2021年6月4日から配信。