びた一文の「びた」とは何か?
ひらがななのかカタカナで書かれるが、漢字がある。
そもそも、びた一文の意味は、「ほんの僅かなはした金」の意味で、「びた一文も負けれない」などと使うことが多い。
「ほんもわずかも安くできない」ってことですね。
語源ははっきりしてます。
びた一文の「びた」は、「鐚銭(びたせん・びたぜに)」の略。
「鐚」の漢字は、「金」と「悪」(「惡」は悪の旧字体または異字体)を合わせた国字で、価値の低い粗悪な銭貨のこと。不純物が多いものや、欠けや変形、削れなどの損傷があるもののことを指します。
室町中期から江戸初期にかけて、出来の悪い私鋳銭(政府が作った公の銭ではなく、私的に偽造された銭のこと)が多かった、特に、中国の永楽銭以外の私鋳銭や、寛永通宝鋳造後の鉄銭のことをそう呼ぶようになったそうです。
「悪貨は良貨を駆逐する」なんてのを思い出したり。
これ、wikiによると、名目上の価値が等しく、実質上の価値が異なる貨幣が同時に流通すると、良貨はしまい込まれて市場から姿を消し、悪貨だけが流通するという「グレシャムの法則」のこと。 転じて、悪がはびこると善が滅びるというたとえにも使われる。
とのこと。
悪貨で経済が悪化するということやね。
これぞ、行きかけの駄賃。
さて、戻る。
こういった粗悪な銭が平べったく、薄べただったことから、「べた」と呼ばれ、それが「びた」に転訛したものという説が一般的。
だから、「びた一文」とは、出来の悪い一文より価値が低い粗悪銭の分だて負けられない、ってことです。
てことは、昔、銭は出来によって価値が変わったのか。
書くときに、カタカナで「ビタ一文」って書くと一瞬、「ビター(苦い)な文」とも読めちゃったり。
文は「ぶん」じゃなくて「もん」で苦い金。
わずかでも価値が低くなるなら、そりゃ苦いよね。
ジェネリックならぬゼニリックならよかったのにね。