シネマート新宿でやってる<韓流映画祭2023>で1996年の大作『アルバトロス』は実話を基にしたなかなか奇妙な作品。プロパガンダ映画でもあるので、当時兵役についていたスター、チョ・インピョとイ・ジョンジェが主演した軍事サスペンス・ドラマで、韓国版『パピヨン』の趣き。
かなり古臭い語りなのだが、とんでもないほどの残酷シーンがきっちり描写されている。中国残酷ものの影響なのかしら。
そこだけでも好きものは見る価値あり。
老けメイクがイマイチなので、ちょっと笑っちゃうのはご愛敬。
ベテラン監督の野暮ったさはあるけど、そこまで悪くなり上がりです。
年数示すときの下地画面がなかなかショッキングなのも好み。
政治的なことも影響したのか、当時、韓国ではコケたそうです。
現在の映画で、多くテーマになっていることの一つは、「痛みを自分だけで抱える」「助けを求められない」「自分のことを親密な人にさえ話すことが出来ない」「コミュニケーション恐怖」。
コミュケーションツールが発達しても、SNSに一方通行で吐き出せることは出来ても。
人間社会においては、いつだってコミュニケーションが問題なのだ。
(赤ん坊をあやすように)
「他界他界(たかいたかーい)」