【俺は好きなんだよ】第1473回は、『オキシジェン』(2021)
製作国:フランス・アメリカ合作
上映時間:101分
スタッフ。
監督:アレクサンドル・アジャ
製作:アレクサンドル・アジャ、ブラヒム・シウア、グレゴリー・ルバスール、バンサン・マラバル
製作総指揮:セルジュ・カトワール、ロランス・クレル、フランク・カルフン、クリスティ・ルブラン
脚本:クリスティ・ルブラン
撮影:マキシム・アレクサンドル
美術:ジャン・ラバッセャ
編集:ステファン・ロシュ
出演。
メラニー・ロラン (患者/オミクロン257)
マチュー・アマルリック (M.I.L.O=ミロ)
マリック・ジディ (レオ)
物語。
高度な医療用の極低温ポッドの中で目覚めた女性。
ポッドの副作用か、あやふやな記憶しかなく、状況が分からない。
だが、医療オペレーションインターフェースは酸素の残りが35%しかないことを無慈悲に告げる。
警報は送信されたというが、助けは来ない。
医療オペレーションインターフェースはしゃくし定規な受け答えしかしてくれない。
酸素がなくなる前に、どうにかして、ここから出なければ。
残り時間は72分。
極低温装置内で目覚めた女性がサバイバルを繰り広げるSFソリッド・シチュエーション・スリラー。
監督は、『ルイの9番目の人生』、『クロール』のアレクサンドル・アジャ。
公開情報:Netflixで配信
SF版の『[リミット]』。もちろん、リメイクではないけど。
ほぼほぼ設定は同じですが、SFなので、いろいろ膨らんでます。
脚本もしっかり凝ってるので、飽きさせません。
メラニー・ロランもうまいしね。
狭いですが、画の豪華さはがっつりありますしね。
記憶も探らねばならない、というのがSFだとベタにならずになにか科学的な理由を感じさせるので、物語を膨らませていいのです。
これ、アイディア次第で、世界中どこでも凝ったSFに出来るんだよなぁ。
治療装置の中とか近未来で出来そう。
『エイリアン』も続編はここから始まるしね。
隔離部屋にというのでは、日本でも伊藤沙莉主演の短編ドラマにブラックマターが題材でいいのがあったっけ。
逆に、まったく時代も星系も違うコールドスリープカプセルを開けるべきか、どうかって話もやれるな。(『パンドラム』、『デモリッションマン』もちょっとそんな感じあるね)
でも、日本だと、こういうミニマムさはメジャー映画にならないんだよなぁ。こういう映画をきっちりとつくれるようになったら邦画界もいいんですけどね。
この手のでは『ブレーキ』(2012)、『ジェラルドのゲーム』、『127時間』、『チャ・インピョはどこへ消えたのか?』、『サバイバル・ドライブ』、『刺さった男』、『アクシデント』があります。
『ソウ』もその代表作の一つですね。
出られない限定空間ものということでは『ルーム』(2015)、『ミザリー』、『ラブリー・ボーン』、『10クローバーフィールド・レーン』、『トンネル 闇に鎖された男』、『ライフ・オブ・パイ』も近いかな。
SFだと、宇宙船全体ではありますが、二人版の『パッセンジャー』てのもありましたね。『月に囚われた男』、『密航者』もある意味では同種。
空間は広いですが、地球重力圏外の『ゼロ・グラビティ』、火星の『オデッセイ』も同系統といえるんじゃないかな。
そこがメインではないですが狭さでは、『プリズナーズ』も地獄。
『ソウ』の狭い部屋に頭破壊装置が最狭かな。
『HAZE ヘイズ』も嫌だけど。
アネセシア・アウェアネス(術中覚醒)で動けないけど意識がある『アウェイク』(2007)なんてのも嫌よね。
『LOCK DOWN ロックダウン』のように閉じ込められた人をどう出すか映画も。
閉じ込められたわけではないですが、車内のワンシチュエーションでは、『オン・ザ・ハイウェイ』も形式としては似ています。
芝居で見せるところもね。
そうそう、複数人ですが、『ライフポッド』(『救命艇』のSFリメイク)、『ディヴァイド』もありましたね。