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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

コップンカー。 『COP CAR/コップ・カー』

2016年05月14日 00時02分11秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第899回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

 

 

『COP CAR/コップ・カー』

 

 

 

 

 

出来心でパトカーを盗んだ少年二人で、絶対に関わってはいけない男から追われる身となってしまった少年たちの危険な冒険の行方を、ブラックなユーモアを織り交ぜスリリングに描くサスペンス。

 

 

監督は、前作『クラウン』の勝手に作った予告編でクレジットに<製作:イーライ・ロス>と入れたことから、話題になり、それを聞きつけた、イーライ・ロスが気に入って、実際に彼のプロデュースでデビューしたジョン・ワッツ。

 

この2本の出来栄え(それ以前にもコメディ番組やクレイアニメ、PVが多数ある)から、次回作に、ソニーとマーベルが手がける再リブートする『スパイダーマン:ホームカミング』の監督に大抜擢された。

 

 

 

 

 

物語。

家出した悪ガキ、トラヴィスとハリソン。

空き地でパトカー(コップ・カー)を発見する。

誰もいないので、乗り込むと、ラッキーにも車のキーまで置いてあった。

恐る恐るアクセルを踏む。

大騒ぎの二人は、世界を手に入れたように、サイレンを鳴らし、疾走させる。

しかし、そのコップ・カーの持ち主ミッチ・クレッツァーはただの保安官ではなかった。

 

 

脚本は、ジョン・ワッツとクリストファー・フォード。

 

 

 

 

 

出演。

ジェームズ・フリードソン=ジャクソンが、トラヴィス。

ヘイズ・ウェルフォードが、ハリソン。

二人の存在感、お互いの立場の空気感とか、まさに物語を超えた実在感がある。

 

 

ケヴィン・ベーコンが、ミッチ・クレッツァー保安官。 

この50歳を超えたおいた保安官の体のついてこない感じ、だからこその狡猾さと迫力が代表作になるといえるほど、素晴らしい。

脚本に惚れ込んで、エグゼクティブ・プロデューサーも買って出ている。

口ひげや歩き方は自身のアイディアだそう。

 

 

カムリン・マンハイムが、おばさんのベヴ。

このおばちゃんがもたらす雰囲気は素晴らしいコメディ リリーフになっている。

 

シェー・ウィガムが、トランクの中の男。

 

キーラ・セジウィックが、無線係。

 

 

 

 

 

アタッフ。

製作は、コディ・ライダー、アリシア・ヴァン・クーヴァリング、サム・ビスビー、アンドリュー・コートシャック、ジョン・ワッツ。   

製作総指揮は、ウォルター・コートシャック、ランス・アコード、ケヴィン・ベーコン、ジャッキー・ケルマン・ビスビー、フランク・ブレナー、ビル・ペリー、トム・ヴァレリオ。             

 

撮影監督は、マシュー・J・ロイド、ラーキン・サイプル。

 

 

プロダクションデザインは、マイケル・パウスナー。

衣装デザインは、ルビー・カティリアス。      

 

 

編集は、メーガン・ブルックス、アンドリュー・ハッセ。

 

 

音楽は、フィリップ・モスマン。

この不協和を鳴らす音楽が実にいいのよね。

 

音楽監修は、マーク・ワイク。

 

 

 

 

家出少年二人が盗んだパトカーのトランクにヤバい品が入っていて、持ち主の保安官に追われるオフビート・サスペンス。
ユルく凝縮させたミニマムなつくりで、邪な子供心が引き起こす最悪の一日を描き出し、映画の本能的な娯楽に浸らせる。
受ける二人の少年のたたずまいが物語のハンドルを切り、映画史上でももっとも恐ろしく情けない悪役である老いた悪徳保安官でケビン・ベーコンがアクセルを踏む。
なんといっても、サスペンスをベースにしたジャンル・ミックスが小気味いい。
たった一台の車があれば劇場をオーバーヒートさせられると告げるサイレンが夜を切り裂いて、見終えたら「コップンカー」と言わせる優作。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ。

原題も『COPCAR』。

劇中では、コップカーともパトロールカーとも言ってます。

保安官なので、車の側面にはSHERIFFと書かれてますね。

記事のタイトルの「コップンカー」は、タイ語のありがとうの意味の女性言葉で、男性言葉は「コップンカップ」になる。

  

 

 

上映時間は、88分。

製作国は、アメリカ。

映倫は、PG12。

 

 

 

キャッチコピーは、「ガキども――遊びは終わりだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

制作費は、80万ドル=9000万円くらい。

アメリカではかなりの低予算映画です。

でも、ケヴィン・ベーコンが入ったから、制作できたというわけではないそうですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

さすがに、あのトランクの中のヤツの拘束を解くのは、ちょいご都合すぎるかなぁ。

例えば、銃の使い方教えるから、と銃を受け取る時に、子供に噛みつくなり、首をつかむなりして、脅して解かせるとか、どうかしら。

子供だから、結束バンドされた手でも首をつかめるということで。

でも、実は、これって、この映画のモチーフでもあるので、アリなのです。 

なんといっても、この映画、サスペンスやスリラーのくくりになりますが、ジャンル・ミックスがいくつもあり、コメディであり、青春ものでもある。

全体を貫くモチーフは執着、うっかり、視野の狭さ。

最悪になるかもしれないのに、やってしまう無知でもいい。

だから、少年二人だけでなく、保安官もトランクの男もおばさんも無線係もみな、そのうっかりを披露し続ける。

うっかりの挽回というスリルとユーモアがこの映画を貫く。

そこを見抜かないと、この映画の本質は見えない。

そのうっかりを乗り越えていくことが成長につながる。

ついうっかりは後先顧みないからで、それは勇気ともいうのだ。

ラストシーンにそれが集約していくのが素晴らしいのだ。

友を救うために、無線で助けを求めずに走らせる、ライトをつけず視野狭いまま、保安官は執着して追ってくる。

だが、そこにもアクセルを踏み込む勇気、冷静な判断で相手を事故らせ、パトライトに気づく、という成長がある。

後追いで、繰り返していた少年が友のために自分が先導していく映画ならではの解決がある。

 

映画をデザインし、コントロールして、面白く見せること。

ストーリーや雰囲気だけでなく、こういうデザインされた映画を作れるヤツは信用できる。

日本では、見た目ばかりに囚われるけどさ。

『スパイダーマン』への抜擢もそういう実力を買われてのことなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカの車は、時速/キロ表示ではなく、時速マイル表示。

時速30マイルは、時速50キロ程度。

時速100マイルは、時速160キロ程度で、アメリカの高速道路とかだと通常速度くらい。

 

ちなみに、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、時速88マイル(時速140キロ程度)でタイムスリップします。

 

 

 

 

そういえば、1987年に『ビッグ・ショット』という白人と黒人の少年二人がギャングの車を盗んで旅に出る映画がありましたね。

あれ、好きだったなぁ。

 

 

 

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