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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

wanna be.  『罠』(2015)

2018年10月29日 00時00分19秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1070回は、『罠』(2015)

 

 

 

原題は、『함정』。
『陥穽』ですね。

英語題は、『Deep Trap』。

邦題は、『罠-Deep Trap-』とも読めます。

『罠』というタイトルはいくつもあるので、もうちょっと考えて欲しかったところ。
英語題を直訳した『深い罠』とかさ。

 

 

製作国:韓国
上映時間:98分
映倫:R-18相当

 

 

スタッフ。

監督:クォン・ヒョンジン
製作:ソン・ジョンウ、キム・ソンジン
脚本:ハン・スボン
撮影:ハ・ギョンホ
照明:シン・デソプ
美術:キム・ジス
武術:イ・ゴンムン
音楽:モク・ヨンジン、キム・ジナ

 

 


出演。
チョ・ハンソン (ジュンシク)

キム・ミンギョン (ソヨン)

マ・ドンソク (ソンチョル)

チアン (ミニ)

ほかに、カン・スンワン、ユンジュ 、ミン・ギョンジン、チョン・ギソプ、クォン・ボムテク、キム・ギョンヒ、キム・ドンヒョン、チュ・ソクチェ、ホン・ジェソン、ソン・テユン、キム・ヨンビ、キム・ジェイン、キム・ボムジュン、など。

 

 

 

 

物語。

現代韓国。
結婚3年目で、妻ソヨンは流産してしまった。

2年が過ぎたが、あれ以来、夫ジュンシクはEDになってしまい、子供を授かれていなかった。このすれ違いを交わらせるため、ソヨンは久しぶりに夫婦で旅行へ行こうと仕事に打ち込む夫を誘う。目的地はネットで見つけた離島にある格別に美味い水炊きを食わせるという宿付きのサンマル食堂。
人の気配のない島の携帯電話も圏外となる深い山道を辿り、なんとかたどり着いたさびれた宿。その店は店主ソンチョルが口のきけない女と二人で切り盛りしていた。

 

 

 

実際にあった事件からインスパイアされ、虚構化したエロティック・サスペンス。

 

 

主要人物一桁、舞台もほぼ山の中の宿という切り詰められた状況。ストーリーはあえて淡泊にしてあり、心理を丁寧に描き出すので、この手の追い込まれていく雰囲気が好きなら、たまらない。

極限の演技合戦を楽しめます。
後半はがっつりの肉体芸。
音もいい感じでえぐる。
なにより、怖いマ・ドンソクを堪能できる。

いい意味でイヤな気分になれます。

 

クォン・ヒョンジンは、『私のちいさなピアニスト』など、どちらかと言えばいい話タイプを手がけてきた方なので、描写が細かくて、ジャンル的なサービス精神旺盛なのがよい。
ただ、そのせいで、ちょっと大味になってるというアンバランスさは玄人向けってことで。

 

 

 

『罠 -少女の誘惑-』(2015)という韓国映画もあるので注意。
(おいらは、未見です)

 

 

 

 

 

似た系統だと『黒く濁る村』、『極楽島殺人事件』、『パーフェクト・ゲッタウェイ』、『ルームズ・フォー・ツーリスト』、『悪魔のいけにえ』、『テキサス・チェーンソー』、『マーダー・ライドショー』、『ペット 檻の中の乙女』もオススメです。

 

 

 

 

ややネタバレ。

『アンチクライスト』 (2009)の雰囲気もあったり。

 

こてのネタが多いので、もはや、韓国の田舎、村、島は『悪魔のいけにえ』的な世界しかないのではないかとさえ思えてきます。

 

 

もしかすると、同じ韓国映画『失踪』(2009)で題材にしていた事件と同じ事件を基にしているのかも。
田舎の鶏の水炊き屋、カラオケ、警官二人、監禁など出てくるものがとても似ているので。
比較してみると面白いとは思う。

エロとグロのバランス、田舎描写など。特に『失踪』の方は見る限り実録寄りで、『罠』は寓話的になっている。
展開が早く、テンポがよく物理的なアプローチをとるのは『失踪』なのだが、『罠』はじっとりと攻めてきて、ファンタジックの濃密、精神的なアプローチをとっている。
ところが、どちらもクライマックスで、その方向性は逆に働き、『失踪』は精神的アプローチに転調し、『罠』は物理的に転調する。
ただ、『失踪』(2009)は雰囲気は悪くないのだが単調なうえに少々ご都合が過ぎるのと、ここぞ!って所を端折るので、ちょいとオススメしきれない。一応、役者もいいんだけど、機能してないキャラも多めのなのよ。
それでも、比べてみる楽しみはありますけどね。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

濡れ場で味わいを消すボカシががっつり入ります。

 

今作にも、韓国映画はだいたい一人は日本の有名に似ている人が出ているという法則というか罠があります。今作は羽住アナ。

 

終わりは、ちょっと『道』 (1954)感さえある。

あっさりしすぎたかなとも思う。
少しだけでも、あの口のきけない女の謎も見せたり、最後に夫婦の関係の変化を見せていたら、あの二組の関係をうまく重ねていたら、満足度は高くなった気もしないでもない。

 

 

 

 

 

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