で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2127回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『バッドガイズ』
盗みの天才ミスター・ウルフ率いるコワモテ個性派怪盗集団“バッドガイズ”のある盗難計画を描くクライム・コメディ・アニメ。
アーロン・ブレイビーによるベストセラー児童書シリーズをアニメ映画化。
監督は、本作が長編デビューとなるピエール・ペリフェル。
物語。
狼のミスター・ウルフはじめ、いかにもワルそうな蛇、鮫、ピラニア、蜘蛛の5人組怪盗集団“バッドガイズ”。
彼らは、新しい市長にバカにされたことで、市の宝である“黄金のイルカ”を狙う。
黄金のイルカは、街の名士でモルモットのマーマレード教授に贈られることになっていた。
原作:アーロン・ブレイビー
脚本:イータン・コーエン
声の出演。(キャスト)
ミスター・ウルフ (サム・ロックウェル)
スネーク (マーク・マロン)
シャーク (クレイグ・ロビンソン)
ピラニア (アンソニー・ラモス)
タランチュラ (オークワフィナ)
マーマレード教授 (リチャード・アイオアディ)
ダイアン・フォクシントン (ザジー・ビーツ)
ティファニー (リリー・シン)
署長 (アレックス・ボースタイン)
声の出演。 (日本語吹替版キャスト)
ミスター・ウルフ (尾上松也)
スネーク (安田顕)
ピラニア (河合郁人)
シャーク (長田庄平)
タランチュラ (ファーストサマーウイカ)
マーマレード教授 (山口勝平)
ダイアン・フォクシントン (甲斐田裕子)
ティファニー (高橋真麻)
署長 (斉藤貴美子)
スタッフ。
製作:デイモン・ロス、レベッカ・ハンフリー
製作総指揮:アーロン・ブレイビー、イータン・コーエン、パトリック・ヒューズ
編集:ジョン・ヴェンゾン
音楽:ダニエル・ペンバートン
『バッドガイズ』を鑑賞。
盗みの天才ミスター・ウルフ率いるコワモテ怪盗団のある盗難計画を描くクライム・コメディ・アニメ。
強盗計画から、方向転換して違う捻り脇道展開のミッションになったかと思うと軸がブレない王道展開。
ベストセラー児童書シリーズをアニメ映画化。原作由来の動物と人間が同じレベルで存在している、児童書ならではの内容で一瞬戸惑いますが、まぁそういうものかと見ている内に飲み込ませます。擬人化というか擬動物化というか、意外と難しいよ、これ。で、それがうまく行って、米国ではサプライズヒットとなった。
見れば、すぐにわかるんですが、これ、もろ、『ルパン三世:カリオストロの城』の影響とオマージュを感じ取れます。というか、これもらいすぎだろレベル。実際、つくり手側もジャパンアニメからの影響を公言している。他にも『BEASTERS』などからも、だそう。
ストーリー的には『オーシャンズ』シリーズも。なので英語音声版だとサム・ロックウェルはジョージ・クルーニーに声を寄せていたり、「クルーニー的」なる言葉も出てくる。他に確実に『ブルースブラザース』とかも入ってるよね。
でも、公開はほとんど吹替版なので、字幕版を見づらいのだけど。
ここのところ、吹替版でちょっとがっかりしていたので。やはりオリジナル版は芸達者揃いで画とあってて不満無し。
絵のトーンなどが絵本的で特徴的。画面ごとに少しずつトーンを変えていて、これは『スパイダーマン:スパイダーバース』を参考にしたそう。アニメは影響元がはっきりするので、そのセンスとその組み合わせやオリジナリティが作品のパワーを決めるよね。その点、今作は、題名に反して優等生。こういうのがきちんとあるのは層の厚さや技術の高さを感じさせる。こういうのをきちんとコンスタントに送り出せてこそ商業娯楽ってもんよ。
監督は、本作が長編デビューとなるピエール・ペリフェル。この王道ぶりは次回作に期待できます。
5人組の軽いミュージカルとヒップホップのノリがアニメならではのパーフェクトな揃い方も相まって心地よい。これぞ、アニメで児童書ならではという感じだし、この映画のオリジナリティ。ただ、もしかするとゴリラズのMV辺りか、『ファンタスティックMrフォックス』の影響かも。でも、この気のいい仲間感はなかなか味わえないですよ。あと、あの映画のあの感じをファンが真似してるような楽し気な雰囲気の微笑ましさ、これを描けたのはなかなかないです。これって、日本の小劇場っぽさもあったり。
OKGO感と言ったら伝わるかしら。
その実、テーマは物語や現実で悪とされているマイナスのイメージに本人たちも囚われるというけっこう深いものを描こうとしていたり。動物キャラはすべてそれを背負ってます。
イメージを使ってイメージと戦ってみせる鉤作。
おまけ。
原題は、『THE BAD GUYS』。
『悪い奴ら』。
ちなみに、ジョン・マイケル・マクドナー のは『バッドガイズ!!』(2015)。マ・ドンソクの韓国映画は『ザ・バッド・ガイズ』。
2022年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:100分
映倫:G
配給:東宝東和=ギャガ
キャラクターとテーマは、『オーシャンズ』シリーズ、『ルパン三世』、『パルプ・フィクション』、『BEASTARS』などのさまざまな犯罪映画やアニメシリーズからインスピレーションを得ており、映画のアニメーションスタイルのインスピレーションは、ソニー・ピクチャーズ アニメーションの『スパイダーマン:スパイダーバース』から得ている。
声の収録はCOVID-19パンデミックのためにリモートで行われた。
ネタバレ。
峰不二子的なキャラもクレムリン・パウとして入れているしね。
モルモットもその弱さというイメージを利用して覆そうとする。
キツネもそう。