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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

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幽霊は、信じてないけど、怖い。 『シェラ・デ・コブレの幽霊』

2022年10月23日 00時00分01秒 | 俺は好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第1628回

 

『シェラ・デ・コブレの幽霊』(1964)

 

原題は、『THE GHOST OF SIERRA DE COBRE』。
『コブレ山の幽霊』。


製作国:アメリカ
上映時間:81分

 

スタッフ。

監督:ジョセフ・ステファノ
脚本:ジョセフ・ステファノ
撮影:ウィリアム・A・フレイカー、コンラッド・L・ホール
音楽:ドミニク・フロンティア

 

出演。(キャスト)<>TV版の日本語吹替(初回放送1967年8月20日『日曜洋画劇場』)

ネルソン・オライオン (マーティン・ランドー)<穂積隆信>
ヘンリー・マンドール (トム・シムコックス) <田中信夫>
ヴィヴィア・マンドール (ダイアン・ベイカー) <二階堂有希子>
ポーリナ (ジュディス・アンダーソン) 
マリー・フィンチ (ネリー・バート)
ベネデイクト・スローン  (レナード・ストーン)

 

 

物語。

著名な建築家ネルソン・オライオンは、心霊調査員というもうひとつの顔を持っていた。

ある日、盲目の資産家ヘンリー・マンドールから「死んだはずの母親から毎晩電話がかかってくるので調査して欲しい」という依頼が舞い込む。調査のため、ヘンリーの美しき妻ヴィヴィアと共に母親の眠る納骨堂に行くと、棺の蓋は開き、そばには電話が置いてあった。その時、恐ろしげな女の幽霊が現れて禍々しい悲鳴を浴びせ、ヴィヴィアはショックのあまり気絶してしまう。

そのままネルソンの家に運ばれ、目覚めたヴィヴィアは、ネルソンの家の壁に教会の油絵が飾られていることに気付く。その教会のある村の名は「シェラ・デ・コブレ」(コブラ山の意味)と言った。かつてその村では、女の幽霊によるアメリカ人女教師殺害事件があり、村から依頼を受けてネルソンはその事件の調査をしたことがあった。

ネルソンは、体調が回復したヴィヴィアをマンドール家に連れて行き、そこで初めて依頼主のヘンリー・マンドールと、異様な雰囲気を持つ家政婦のポーリナに会う。実はこの家政婦のポーリナも、シェラ・デ・コブレ村の出身であった。アメリカ人女教師殺人事件とネルソンによる心霊調査を覚えていたポーリナは、事件を解決できなかったネルソンを非難し、今回の電話事件の解決も無理であると主張する。それに対してネルソンは、あの事件は心霊現象によるものではなかったと反論する。その直後、ネルソンとマンドール夫妻は超常現象を経験する[12]。自宅に戻ったネルソンは、自宅の家政婦フィンチと一緒にこれまでの経緯を整理し、アメリカ人女教師殺人事件の資料を最初から読み返し始める。明け方になり、マンドール夫妻と家政婦ポーリナが、町を離れることにしたので挨拶したいと言ってネルソンの家にやって来る。そこで遂にネルソンは、マンドール家と幽霊の関係、アメリカ人女教師殺人事件の真相を知ることになる。

 

心霊調査員がある幽霊事件を調査していくうちに、ある女性の死の真相にたどり着くホラー・ドラマ。

テレビシリーズのパイロット版として撮影されたものに映像を追加して、劇場版に。

 

監督・脚本は、ジョセフ・ステファノ。
監督作はほぼなく、脚本家として、『サイコ』、『黒い蘭』『天国の約束』などで知られている。

『サイコ』もそうだが、今作も二つの軸で語られていく。

アメリカ映画としては珍しい「足の無い幽霊」が登場する。

 

主演は、マーティン・ランドー。

 

撮影には、若きコンラッド・L・ホール(『明日に向って撃て!』、『アメリカン・ビューティー』ほか)も参加している。

 

 

今作は、元々はアメリカの放送局CBSによるテレビシリーズ『The Haunted 』のパイロット版として製作された54分の中編作品『The Haunted』であった。
その後、この54分版『The Haunted』に未採用となったエピソードシーンを追加し、1時間21分版の『シェラ・デ・コブレの幽霊』として完成したが、その時はお蔵入りとなり、上映および放送されることはなかった。
上映中止となった理由については、あまりに恐ろしい映像描写ゆえに試写で体調を悪化させる者が続出したためであるとも伝えられている。
その後、一部で上映されるが、多くのフィルムが破棄されていたため、幻の作品と言われるようになった。

 

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ネタバレ。

自動車が崖から落ちるシーンがあるのは『シェラ・デ・コブレの幽霊』(1時間21分版)であり、『The Haunted』(54分版)にはない。
両版の結末は全く異なっている。

 

 

好みのセリフ。

「幽霊は信じてないけど、怖い」

「私は、仕掛けがあると考える人間です」

「生きる者はすべて呪われている。生きるという呪いに」

「例がする悪さより犯罪の方が問題だ」

「独占欲が強い。生きている時よりも。娘のすべてを支配したかったんだろう(死ぬ)」

 

科学的な探偵要素と超常要素が混じる。

 

タイトルになっている「シェラ・デ・コブレ村」は、登場人物の会話の中で語られるだけで、本作には登場しない。
本作の結末で明かされる真相は、本作の監督ジョセフ・ステファノが脚本を書いた1960年の映画『サイコ』との類似性を感じさせるものとなっている[9]。
ネルソンが現代建築家である一方で心霊調査員であったり、ネルソン邸の外観はモダンアート風でありながら内部はゴシック調であったり(厳密には1階がゴシック調で、2階は設備の整った近代住宅)、ネルソン邸の家政婦フィンチは幽霊を信じない徹底した現実主義者である一方で、マンドール邸の家政婦ポーリナは魔女の風体であるなど、さまざまな対比(極端な二面性)を随所に盛り込んでいる。
「The Haunted(54分版)」、「シェラ・デ・コブレの幽霊(1時間21分版)」ともにパイロット版であるためか、編集が粗く、理屈に合わない部分がある。「The Haunted」のラストで知人のスローンが運転する車に轢かれる小瓶は、なぜそこに落ちていたのかはっきりしないが、「シェラ・デ・コブレの幽霊」では地面に落ちていた理由のわかるシーンがある。また「シェラ・デ・コブレの幽霊」の中盤、ネルソン邸の崖下の海岸にやってくる若い女性とネルソンが会話を交わすシーンは本編と全く関係がない。

 

 

 

 

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