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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

日本のゾンビ映画のはじまりを探る。

2016年06月02日 00時00分43秒 | 映画のあれこれ

日本最初のゾンビ映画ってなにか?

 

ちょと広いかも、日本初の実写の長編でザッツなゾンビ映画ってなんだろう?

あ、ザッツ・ゾンビ映画とは、ジョージ・A・ロメロの1968年の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の系譜にあるリビングデッドの登場した映画ってことね。

ただ、ロメロ前にもヴードゥーゾンビ系があるので、、大きくは死体が蘇り、感染していくタイプのものとする。


だから、ゾンビ映画は、1968年以前にもあります。

世界史的には、アメリカの1932年の『WHAITE ZOMBIE』を元祖とするようだ。

これは、27年にアメリカで起こったヴードゥー教に関する本の出版でにわかにゾンビがフューチャーされたことから作られたもののようだ。

(同年にインドでも作られた記録(『THEZOMBIE<CHALTA PULZA>』)はあるようだが、映像が発見されていないなど内容が不明なため)

そもそも、ゾンビとは、ヴードゥー教の死体を蘇らせた労働者のことであり、蘇った死体が全てゾンビではないが、いろいろ値経緯があって、ゾンビは蘇った死体を指すようになった。

死体が蘇る話自体は古代の伝承からあり、ミイラもそのひとつになる氏、フランケンシュタインだって蘇った死体になる。

アジアではまたいろいろある。

だから、ロメロ前とロメロ後がありえるわけだ。

モダンゾンビという言い方もされる。

今やその定義は広がっている。

ロメロを基準にするなら、

1、甦った死体であり、

2、感染し大勢になり、

3、素早い動きはできず、

4、人間としての意識は薄く、

5、生きているものを本能的に襲う、

ということになろう。

この5つの基準に4つ満たしていれば、モダンゾンビとしていい、と、規定する。

(ロメロの『ゾンビ』で、子供のゾンビは素早く動き、4つまで基準を満たすことから)

(解説として、ロメロはゾンビではなくあくまでリビングデッド(生ける死体)としている)

なので、『WHITE ZOMBIE』は、蘇った死体、素早い動きはできず、人間としての意識は薄いが、感染しない、生きてるものを本能的に襲わないので、モダン・ゾンビと扱わない。

(自作でなんですが、『フジミ姫 あるゾンビ少女の災難』では、ユーフロジーヌは3つしか満たしていないが、眞子は4つを満たしている。あるゾンビ少女とは実は眞子のことを指している。原作かた脚色)

 

ということで、この4つを満たすモノが出てくる、劇場用のゾンビ映画をザッツ・ゾンビ映画とする。

この日本初はなんだろうか?ということだ。

 


おいらが、映画館で見たので、覚えてるのは、2001年の『VERSUS ヴァーサス』かな。

この作品のゾンビは、素早く動く、以外を4つを満たしている。(銃を撃ったりするので、人間として意識が薄いかどうかの判断は難しいところだが)

あと、『ワイルド・ゼロ』 は2001年にVHSで見た記憶がある。

これは、5つを満たすザッツ・ゾンビ映画だ。

公開は1999年なので、これが今のところ、一番古いゾンビ映画ということになろう。

 

 


映画でないものであれば、おいらの記憶をたどると、キョンシーものではあるが、1987年のTVの長編で『キョンシーズ』がある。

いわゆる、『霊幻道士』とか『幽幻道士』モノのヒットから日本版として日本人キャストで作られたドラマ。

(香港の『幽幻道士』のテレビシリーズを吹き替えしたものをテレビ放送していたものも)

キョンシー、中国の古代から存在するモンスター。宗教的でもあり、東のゾンビのようなもので。

蘇った死体で、生きてるものを襲い、人間としての意識は薄く、動きは遅いと4つの基準を満たす。

(だが、モダン・キョンシーなどでは、素早く動くので、ここではゾンビとはしないものもある)

映画ではないが、長編ゾンビ実写ものとしては、この1987年以前があるかも探ろうと思う。

 

あと、ちょいと調べると、ゾンビとタイトルに入っているものでは、1990年に、TVシリーズ『極楽ゾンビ』というのがあったようだ。

 

 

 

ネットと大著『ゾンビ映画大辞典』(編著:伊東美和)を引いたり、色々な方に尋ねると・・・。

 

どうやら、実写の日本ゾンビの始まりは、TV『恐怖劇場アンバランス』内の『死骸(しかばね)を呼ぶ女』のようだ。1973年放送(製作は1969年)。監督は神代辰巳(脚本:山崎忠昭)。単独でソフト発売もされている。

これ、死体が蘇り、復讐に人を殺す話で、意識があり、感染しないので、モダンゾンビとはしないが。

このシリーズでは、同じく一人の死体が蘇る『死体置場(モルグ)の殺人者』(監督:長谷川安春/脚本:山浦弘靖)があるが、こちらは第9話でタッチの差で初の座を譲った。
 
こちらも、意識があり、感染しないので、モダン・ゾンビとはしない。
 
この番組の第一回は『木乃伊の恋』で、即身仏なので、死体が蘇った話のようだ。
(これも、意識があり、感染しないので、モダン・ゾンビとはしない)
 

ソフト単独(オリジナルビデオ)での最初のゾンビ作品は、1986年の『ギニー・ピッグ3 戦慄!死なない男』(監督:久住昌之)としている。
だが、不死者的な感じで、死んでいない、感染しないので、モダン・ゾンビとはしない。
作り手側も、不死者として描いたと言っているそうです。
 

他には、1987年の『代官山HORROR/悪魔の棲む街』(監督:石井てるよし/脚本:野沢尚)。(ゾンビも出てくるけど、他にも色々怪物が出てくるホラー・バラエティな感じで、これに出てくるゾンビは、見れていないのですが、感染したかが不明なのだが、ゾンビバンドなので、素早く動けているので、4つを満たしていないとする。

どうやら、長編実写としては、『キョンシーズ』が初になりそうだ。
 
 

 

ソフト単独だと、1988年の『ザ・ギニーピッグ2 ノートルダムのアンドロイド』(倉本和比人)がフランケンシュタインものですが、これもゾンビ映画というには少々難しいようです。

(ネットの情報では、3つほど満たしてないよう。見れていないので、判断できない部分も多く言及できない・・・)

 ということは、19991年のソフト作品『バトルガール Tokyo Crisis Wars』(監督:ガイラ)が、宇宙からの菌で感染なので、蘇った死体ではないが、それ以外は満たしており、ソフトでは日本初のモダン・ゾンビといっていいようだ。
 
ちなみに、今作の番外編で、1995年からソフト作品で『HOW TO KILL ZOMBIES act.1 室内戦闘編』(監督:亜蘭墨志)というのを発見。未完成の続編とビハインドシーンを無理やりつなげて、ソフト化したもので出来はかなりひどい(監督名からもわかる)そうだが、ゾンビ・サバイバルガイド物としてもパイオニアの作品と言えるかもしれない。
 
ほかに、1992年の『ゴースト刑事』(監督・脚本:水川淳三)というのがある。
これ、ゴーストとあるが、死体のままで蘇るので、ほぼゾンビ。しかも蟹江敬三である。
感染せず、意識があるので、モダン・ゾンビとしない。
 
Vシネで、この90年代前半に何本か作られているが、劇場映画はまだ現れない。


ようやく、1999年に、劇場公開映画として、3本の映画が公開されたようだ。
『ワイルド・ゼロ』(竹内鉄郎)、『JUNK/死霊狩り』(室賀厚)、『死国』(監督:長崎俊一/脚本:万田邦実と仙頭武則)だ。

まず基準を満たすのか。
 
『ワイルド・ゼロ』は基準を満たす。
『JUNK/死霊狩り』は、ぎりぎり基準を満たす。(動きがやや早い)
『死国』は、感染せず、意識があるので、満たさない。
 
となると、2本の内、どちらかを、劇場公開日の早い順で日本初のゾンビ映画の称号を与えたいと思う。(2016年菱沼調べ)


『ワイルド・ゼロ』は、8月28日。
『JUNK/死霊狩り』は、1月22日。
 
おお、ということは、日本初のザッツ・ゾンビ映画は、『JUNK/死霊狩り』だ!!
 
おめでとう!!!!

日本初はまさかの室賀厚! 
彼はゾンビへの思い入れはないと発言しているんだよね。
まぁ、でも、そういうものかもしれないね。
 
(ちなみに、『死国』は1/23公開)


 

ただ、実は、考えてみると、日本には傑作ホラーの1963年の『マタンゴ』(監督:本多猪四郎/脚本:木村武)がある。

蘇った死体ではないが、感染、意識薄い、生きているものを襲うし、動きは遅いわけではないが、着ぐるみのせいで映像上は鈍いので、これが最初のザッツ・ゾンビ映画としてもいいのだけどね。

本当の和製ゾンビ映画の原点はこれとしたい気持ちはあるんだけど、見た目がキノコの化物だから、どうしてもね・・・。

(原作はウィリアム・ホープ・ホジスンの米国の小説『闇の声』)

 

 

なので、現時点では、おいらは・・・。

1963年の『マタンゴ』(でも、キノコの化物)を日本ゾンビ映画の原点。

1990年の『キョンシーズ』(キョンシーもの)を日本初の長編実写ゾンビドラマ。

19991年の『バトルガール Tokyo Crisis Wars』を日本初のソフトによるゾンビVシネマ。

1999年の『JUNK/死霊狩り』を日本初の長編実写ゾンビ映画。

とします。

(違う違うそうじゃない、という情報をお持ちの方は、ご一報ください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけの情報。

ほかにも、1968年の宇宙からの侵略ものの『吸血鬼ゴケミドロ』(監督:佐藤肇/脚本:高橋進と小林久三)がある。

これ、吸血鬼とあるが、いわゆるヴァンパイアではなく、宇宙生物ゴケミドロに人が体(本体は死ぬ)を乗っ取られるタイプの冬虫夏草な感じで、動きが早いのと、人は死んでいるので、基準を満たさない。

 

 

ゾンビへの思い入れなら、たぶん日本最強の一人、友松直之によるゾンビ映画『STACY ステーシー』(脚本:大河原ちさと)は2001年。

同年には、長編でゾンビが初めてタイトルに入った『実録外伝 ゾンビ極道」(監督:佐々木浩久/脚本:佐々木浩久と田口洋)もある。
 


すごいのは、『代官山HORROR~』の石井てるよしは、前に書いたJホラーの原点である『サイキックビジョン 邪願霊』を監督していたり、のちのウルトラマン・シリーズ(『ウルトラマン・ティガ』など)の監督で名を残してるが、日本のホラーシーンにおいて、けっこう重要人物なんだよなぁ。

まぁ、作品の出来がアレなんで、アレなんですけど。

 


映画サイト『映画野郎』の副編集長の小川さんから、「 『仮面ライダー(スカイライダー)』の1980年7月18日放映第42話にゾンビの怪人ゾンビーダが出て来る」という情報をいただきました。

 

 

平井和正の小説『ゾンビーハンター』は1969年に漫画『デスハンター』(漫画用に書かれた原作で、これは桑田次郎の『デスハンター』となった。ゾンビーではなくデスとい呼称になっている)として連載開始。


 

言葉だけなら、1989年の『映画ドラえもん のび太の日本誕生』に、ギガゾンビという悪役が出てくる(ドラえもんもドラゾンビを名乗る)が、これはどういう意図でつけたのか、ちょっと不明。(映画の内容で気には、呪術師の意味っぽいが)

 

日本ではタイトルに、あまり、ゾンビもオブ・ザ・デッドを入れない傾向。

それでも、『新選組オブ・ザ・デッド』、『ニート・オブ・ザ・デッド』がある。

ロメロへの敬意はあれど、土葬と火葬の差があるので、いわゆるリビングデッドをやりづらいため、オリジナルな設定になりがちだからね。

世界でもゾンビ復活の狼煙をあげたのは、日本発のゾンビゲーム『バイオハザード』。

これもロメロなタイトルはついていないのは、逆に恐れ多くて、ロメロゾンビを名乗れない経緯なのかもしれない。

(でも、デッドとかZはけっこうある)

 

 

リビングデッドという呼称に関して。

『THE LIVING DEAD』というイギリス映画が1933年に作られていて、これがあるから、『NIGHT OF THE LIVINGDEAD』とつけた可能性もある。

だが、この作品の生ける死体は、仮死状態にする薬なので、死んでいるように見える生きてるであり、このリビングデッドは仮死状態が解けて動き出しただけ、なので、真逆の設定。(ただ、本来のヴードゥーのゾンビパウダーも同様の効果なのだが)

しかも、あまり面白くないとのこと。

 

 

 

落語だと意外と死体が蘇るのはないんですね。

『粗忽長屋』がドッペルゲンガーって感じはしますが。死体を踊らせる『らくだ』も違うなぁ。

 

 

 

邦画の大作ゾンビ映画は 、『東京ゾンビ』、『Zアイランド』、『アイアムアヒーロー』以外にあるだろうか?

おいらは、『超能力者』のリメイク『MONSTARZ』もある種のゾンビ映画だと思う。

そして、実はゾンビ映画である『リアル 完全なる首長竜の日』を忘れてはならない。

でも、ヒットしたのは、『アイアムアヒーロー』だけなのが、日本のゾンビ映画事情です。

 

とはいえ、ゾンビ漫画で大ヒットしたのも、ほぼなくて、『アイアムアヒーロー』ぐらいなものなのよね。

(『バクマン』の劇中漫画で、『ZOMBIE☆GUN』がヒットしたってネタはあるけど)

あ、『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』と『さんかれあ』もヒットに入れるべきかな。

3巻で終了の『Z ‐ゼット‐』はどうなのかな?


ゾンビ漫画で10巻超えたのは、『アイアムアヒーロー』(既刊20巻)と『さんかれあ』(全11巻)以外にあったかな?

(『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』は7巻で休載中。連載中で7巻超えの『ゾゾゾ ゾンビ~くん』が可能性アリ)

 

ゾンビ漫画から実写映画化したのは『東京ゾンビ』、『ライフ・イズ・デッド』、『Z ‐ゼット‐』が代表になるのかな。

願望としては、八木 教広の短編『UNDEADMAN』、樹崎聖の『ZOMBIEMAN』を映像化したいな。

『フードンビ』も面白くなりそう。

 

 

 

 

 

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