一期一会

日々是好日な身辺雑記

トトロの森から菖蒲田へ

2012年06月12日 | 日記


日曜日は前日の雨降りから一転して晴れたので、朝食後カミさんと(ウォーキングをしよう!)ということになり、
ちょうど家から歩いて30分程の東村山の北山公園で菖蒲まつりが開催されているので、そこへ行くことにする。

私にはいつものジョギングコースとウォーキングコースがある。
ジョギングは航空公園内の2キロのコースを周回するのと、もう一つは花小金井駅前からの狭山・境緑道を
スタート地点として多摩湖を一周する20キロのコースで、どちらも緑が多く走っていて気持ちの良いコースである。
そしてウォーキングコースは(トトロの森)のモデルとされる八国山緑地から多摩湖へのコースである。



八国山緑地は狭山丘陵の東端に位置し、コナラやクヌギ等の雑木林で、
野鳥の鳴き声や四季おりおりの花々が楽しめる。
雑木林の中の2キロの尾根道が東村山市と所沢市の境で、東京都と埼玉県の境でもある。

因みに「トトロの森」の作者の宮崎駿氏は40年前から所沢市に住んでいるらしいが、
何処にお住まいなのかは分からない。
氏は市内の雑木林の保護運動等もしている。
「トトロの森」は見ていないが、八国山緑地近くにある病院や公園が出てくるらしい。

そんな八国山緑地をウグイスの鳴き声を聴きながら尾根道を歩くと15分程で北山公園に着く。
そこに6,300平方メートルの菖蒲田が広がる。菖蒲まつりは6月9日(土)から6月24日(日)まで開かれており、
飲み物、焼きそば、お好み焼き、焼き鳥等の各種模擬店が出ている。



花菖蒲は四分咲きだった。ちょうど昼近くだったので、
模擬店で紙コップでの生ビールと焼き鳥を買い、ベンチで菖蒲田を眺めながら飲む。
基本的にアルコールは陽がおちてからと決めているので、昼ビールは久しぶりである。
そういえば1年半前のトルコ旅行中はカッパドキアやエーゲ海の町でよく昼ビールを飲んだ。
イスラム教の国なので観光地以外ではアルコール飲料を売っていなかったのだ。

生ビールの後はカミさんが買ったノリ巻きとお好み焼きを食べ、そして私だけデザートとして柏餅を食べる。
そこでしばらく過ごした後、開基が執権北条時頼とか北条時宗とも言われている正福寺に廻る。



室町時代の応永14年(1407年)に建立されたという地蔵堂は
建造物として国宝に指定されており、鎌倉の円覚寺舎利殿に似ている。

そこから東村山駅まで歩き電車に乗り帰宅する。10時半出発の
14時戻りだから休日の手頃なウォーキングである。

八国山緑地、多摩湖、西武ドームという主要ポイントへの道は、
熱中症が報じられる真夏のジョギングに替えてのウォーキングのお決まりコースである。

今年の梅雨はどうなんだろう?
いくら暑くても梅雨の時期よりガンガンと陽がふりそそぐ夏が良い。



雨の休日の過ごし方

2012年06月10日 | 日記


昨夜は日本vsヨルダンのワールドカップサッカーアジア地区最終予選を家でビールと
芋焼酎のロックを呑みながらTV観戦する。
日本の圧勝に気分良くして寝たせいか、今朝はすっきり5時半に目覚める。
ベランダから外を見ると天気予報通り雨。いよいよ関東も梅雨入りかと思いながら、
ジョギングも出来ないので日経新聞を読み始める。1時間程すると胃腸も活動してくるので、
毎朝の定番メニューのフレーバーコーヒー、パン、バナナ、オレンジの朝食を摂る。
そして今日は雨降りだし何処にも外出せず、午後からの囲碁にも行かず、本を読んで過ごそうと決める。

今週は3日(日)から読み始めた宮本輝の「流転の海」が面白く、通勤車中で、家の風呂にも持ち込み・・・
という具合に読みふけり、文庫本5部作の第二部まで読み終え、
昨夜サッカー観戦後から第三部を読み始め、正に久し振りのページターナーとも言うべき本である。
この本は最近カミさんが買い、読み終えた本で、盛んに(面白い!)を連発するので読んでみた。
宮本輝は「優駿」や「泥の河」の作者として知ってはいたが読むのは初めてである。
第一部「流転の海」が1984年、第五部「花の回廊」が2007年の出版という具合に
長い間書き続けられた小説である。

宮本輝の父母がモデルとされる松沢熊吾とその妻の房江、そして著者自身がモデルという一人息子伸仁を中心に
戦中、戦後の動乱期に生きた人達の人間模様を描いた物語である。
この三人を取り巻く人達との濃密な人間関係は昔の日本にあったものだろう。懐かしい感じがする。

また主人公の熊吾の口から語られる人間の見方や息子伸仁への説教調の言葉が、
人生哲学というか生き抜く知恵とも言うべき言葉で含蓄があり面白い。
その中にこんな一文がある。

男子は思春期が難しい。それは「型崩れ」の時期なのだ。子供から大人へと急速に移行していく際、
人相や体型だけでなく、精神も「型崩れ」を起こす。
肉体は放っておいても成長するが、「精神の型崩れ」には手当てが必要だ。
そしてその「精神の型崩れ」が度を過ぎないようにさせるには、
幼い頃の育ち方であり、周りにまっとうなおとなや、友達に恵まれているかによる。

朝食を終えて、ソファーに横たわりながら、第三部を読みふけっていたら、
あっという間に昼になる。
流石に4時間近く読み続けると、少し休みたくなり昼食の蕎麦を食べ終えた後、
iPodを手にとりYouTubeで音楽を聴く。これが日常生活の中でのジョギング、テニス、
囲碁、読書以外の楽しみの一つである。

YouTubeの楽しさは思いつくままに、聴きたい音楽を検索すると殆どの曲があり、
動画で観れるところだ。1時間聴いていても飽きることがない。
お気に入りに登録し、最近何回も聴いているのがエリック・クラプトンの
ハイドパークとマジソンスクゥェアガーデンでのコンサートで、
その中でも「レイラ」と「ワンダフルトゥナイト」をよく聴く。
その他にもジョージ・ハリスンの「While my guiter gently weeps」、
このクラプトンとのエレキギターの競演は圧巻!

ビリー・ジョエルの東京ドームでのコンサート、ローリング・ストーンズ等々。映像も音も良い。
唯、お気に入りに登録していても、著作権の問題からか削除されてしまうのもあるのがYouTubeの特徴か?
ヘレン・メリルの「You'd be so nice to come home to」も削除されている。
今日はクィーンの「We are the champions」や、ビージーズの「マサチューセッツ」
「ステイン・アライヴ」を新しくお気に入りに登録した。ポップスの懐メロである。

そんなYouTubeを1時間位楽しんだ後、雨が止んだので気分転換の意味で駅近くの本屋まで
散歩に行き雑誌の立ち読みをして戻り、また第三部の「血脈の火」を読み始める。
間に夕食を挟み、22時には読み終える。一週間で文庫本3冊は速過ぎると思うし、
いくら雨の休日とはいえ、この過ごし方は体が鈍るなぁ~とも思う。

でもそのくらい面白い本なのである。


日本近代史とタンゴステップ

2012年06月02日 | 日記

GW明けから日経新聞の書評でのお薦め本「日本近代史」を読み始め、
10日程で読み終えた。
その後で知人から借りた「タンゴステップ」(上)(下)を読む。
5月に読んだ本はこの2冊(3?)プラス「BORN TO RUN」の読み返しだった。
日本の歴史に対する知識は年表程度しかなく、その他には歴史小説を読んで知った部分が多いのだが、
小説はあくまでフィクションなので・・・ということから、日経お薦め本の「日本近代史」を読んでみることにした。
2年程前に半藤一利の「幕末史」を読んだが、講談調で(ちょっとなぁ~)という感じだった。
その点「日本近代史」は多数の参考文献から構築された歴史解説書だった。

日本の歴史上、最も激動期だった1857(安政4)年から1937(昭和12)までの80年間を
「改革」「革命」「建設」「運用」「再編」「危機」という六つの時代に区分し、
明治維新後数十年の間に目覚ましい近代化を成し遂げながら、やがて崩壊へと突き進む
根本原因が参考文献を元に、著者の視点で語られている。

その参考文献の引用の中に木戸孝允が坂本龍馬に裏書きさせたという薩長同盟に関する
確認文書や、西郷隆盛の腹心だった伊地知正治が大久保利通に宛て書かれた
徳川慶喜が大政奉還したにも関わらず、領地没収等で追いつめる薩摩藩の政策に対する
反対意見書など興味深かった。
唯、その書簡が候文なので読み進めるのに時間がかかった。
それと日清戦争に勝利し、当時の国家予算が8000万円の時に3億3000万円の
賠償金を清国から取り、その内2億8000円を軍備拡張予算に廻し、公共事業費(10年)は4000万円という
明治政府の「富国強兵」の強兵に力をいれるその背景とかが興味深い。

私の歴史に関する少ない知識は殆ど歴史小説から得たものである。
司馬遼太郎の幕末から明治維新の時代の正月は殆ど読んでいる。
読んでないのが新選組と土方歳三を描いた「燃えよ剣」くらい。
「竜馬がゆく」も「坂の上の雲」も初版本で買っている。
どちらも40年以上前の出版である。
司馬遼太郎のこの2作品に代表される歴史観「司馬史観」について
評論家の佐高信あたりから批判的意見が出ているがどうなんだろう?
司馬遼太郎の愛読者は歴史小説として読みながらも、その中で展開される司馬史観を
歴史として受け止めてもいるのは確かだろうが、それを云々するのは如何か?

太平洋戦争時の海軍を描いた阿川弘之の三部作「米内光政」
「山本五十六」「井上成美」は絶対のお薦め本である。

「日本近代史」から外れてしまったが、正直なところ歴史解説書より
歴史小説のほうが面白い。
定年退職の時に社内有志の方々から5万円分の図書券を頂いた。
その図書券は有効に使わせて頂いたが、その内の2冊、山川出版社の「詳説 世界史研究」「詳説 日本史研究」
(計4800円)が積読状態になっているので、今年の夏休みの旅行中には読もう!

「日本近代史」を読み終え、ようやく4月に知人から借りた「タンゴステップ」を手にとった。
この警察小説・ミステリーは「ミレニアム」と同じくスウェーデンの小説である。
癌が発見された37歳の警察官ステファン・リンドマンがその日に病院の
カフェーで手にとった新聞で定年退官した元同僚警察官のヘルベルト・モリーンの
殺害事件を知る。癌治療の開始まで3週間あることから休暇をとり、遠く離れた地に
向かい、その地の警察官ジョゼッペ・ラーソンと事件の解決にあたるという筋である。

プロローグでナチス戦犯を絞首刑にする話から始るこの本は、その54年後の事件を
書いているのだが、当然その関連はある。題名の「タンゴステップ」もである。
タンゴと言えばアルゼンチン、アルゼンチンと言えばナチス戦犯が逃れた地
としても知られている。これ以上は書きません。ミステリーの筋書きを書くのは
マナー違反ですから。この本はナチス発祥の地ドイツでベストセラーになったらしい。
ドイツの懐の深さですね。事件を追っていく過程でのステファンの体調の変化と
心理状況も丹念に書かれている。癌の結果についても書きません。
もし関心がでてきたら読んで見て下さい。創元推理文庫 ヘニング・マンケル著
「タンゴステップ」(上)(下)です。
なかなかミステリーとして面白く、途中推理しながら読むと言う典型的な本です。

これから図書館に行き、次に読む本を探してこよう。