一期一会

日々是好日な身辺雑記

ギリシャ(の)悲劇

2012年06月17日 | 日記

ギリシャ悲劇、古典の話しではない。ギリシャの悲劇、債務危機による庶民の生活が大変らしい。
失業率は22.6%と過去最高の水準が続いており、これは1930年代の大恐慌時代の
米国の失業率25%に匹敵する水準らしい。銀行からの預金流失も1日あたり500億~800億円で、
自宅に現金を置くタンス預金や、食料品の買いだめも行われているらしい。
そういえば1年半前にトルコを旅行した時に世界遺産パムッカレの町で、
半年間の予定で世界一周をしているという日本人の大学生のカップルと知り合った。
そのカップルがアテネに行った時にバッグを奪われ、その中にパスポートが入っていたので、
大使館に再発行しに行ったら、そういう被害にあっら日本人旅行者が多く来ていたとのこと。
その話を聞いてアテネまで足を伸ばすのを止め、ギリシャはロードス島だけにしておいた。
2008年のリーマンショック以降マイナス成長の経済下で治安も悪くなっていたのか。
まぁ~日本人が海外で無用心過ぎるということもあるのだろうけど。

さて、いよいよ今日17日夜(日本時間18日朝)にギリシャ再選挙の結果が出る。
前回躍進した反緊縮財政を掲げる急進左派連合が勝ってEU離脱までいってしまうのか?
この急進左派連合の党首は最近「緊縮合意を撤回する一方でEUからの金融支援は
受け続ける」という(いいとこ取り)の公約を掲げ選挙戦を闘っている。
こういうのをポピュリズム政治(衆愚政治)というのだろう。
ギリシャ危機の原因の確かなところは分からないが、報じられていることから推測すると、
税徴収システムの欠陥や国家公務員の多さ、その年金の負担等の行政の効率の悪さも
一因としてあるのだろう。それは現与党の責任だろうから、その対極にいる急進左派連合が
前回躍進した要因なのだろうが、(いいとこ取り)が出来るというのは、読み違いだと思う。
支援国であるドイツや北欧諸国の国民は納得しないだろう。

いづれにしても、もう暫くしたら結果がでる。
EUの首脳は固唾をのんで見守っているのだろう。
唯、選挙結果がどうでても、この問題は数年続くのだろう。
スペインも何か危うくなってきているし、他の近隣諸国に飛び火しないでほしい。

日本も対岸の火事と言ってられない状況のはずだが、相変わらずの(決められない政治)である。
その一因である衆参ねじれ国会について、今日の日経新聞に衆参統合一院制という対談記事が大きく載っていた。
出される方にも問題はあるが、何でもかんでも問責決議で国会を空転させている参議院は要らないし、
良識の府からはほど遠い!

今月の(文藝春秋)に塩野七生の対談記事「日本はなぜ改革できないのか 」が載っていて興味深く読んだ。
イタリアも財政赤字が酷く、現在は経済学者のマリオ・モンティが内閣を組織し、
閣僚も全員大学教授や経済人などの非政治家で構成されている。
そして財政再建のための法案を次々通している。
固定資産税も復活させ、消費税も上げた。イギリスもキャメロン政権樹立の2ヶ月で消費税を上げた。
日本では(消費税増税が税収アップに繋がらない)といういっけん尤もらしい意見を言う
政治家がいる。
それならば(入るを図れなければ出るを制す)で、マニュフェスト原理主義を捨てるべきである。

今朝の時事放談で野中広務が、沖縄を訪問した鳩山元総理と
震災後に選挙区岩手県に寄りつかなかった小沢元代表を痛烈に批判し小気味良かった。

引退すると言った前言を翻し、出馬するらしい元総理の選挙区の人達には
総理在職中の功罪を考え一票を投じてほしいものである。