物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

物事の裏側からのアプローチ

2012年03月10日 | Weblog
 先日のM社主催の交流会では、他の塾の塾長ともお話することができた。その中のお二人から、少し似通った概念の面白い話を聞いた。

 一人は某ITベンチャー企業(と言っても今や従業員1,000人を超えている)の人事担当役員のSさん。同社は社長がメディアに頻出したり著書も多数出版されていることで有名だが、No.2であるSさんが人事や人材育成面でトップを支えている。たまたまSさん座長のセッションでは隣の席に座ることができた。
 キーフレーズは「シラケのシミュレーション」。新たに制度や施策を打ち出すときには、期待される効果に着目しがちであるが、同社では「これをやったときに誰がシラけるか」ということを必ずシミュレーションする。例えば、昇進や昇格で若い世代を抜擢する場合、当然先輩格の社員や同世代で抜擢されなかった人はマイナス感情を持つ。社内イベントやコミュニケーション増進策を実施すると、多くの人が喜ぶ中、それにはまらない人が必ず存在する。そういった「シラケる人」がどの層でどれくらいいるか、そのマイナスの影響は何か、そしてその人たちをどうフォローするかを徹底的に考えるそうだ。「シラける人」たちのケアが大切だと言う。そしてシラけるだろうと予想される人が「会社としてシラけてもらっても結構な社員」であれば、クールにその施策を実施する。ここでは書かないが実例も紹介してもらった。

 もう一人は某巨大外資系企業の役員Yさん。4月からは従業員数6万5千人の日本企業グループのトップに就任される予定。「同社を世界一の企業にする」と笑いながら豪語するカリスマチックな人物である。こちらもラッキーなことにYさん座長のセッションでは隣の席だった(自分からそこに座りに行ったということもあるけど…(^_^;))
 Yさんが言われた言葉で印象に残っているのは「違和感を排除する」ということ。話の中で、経営で大切なことは「本質的なことを追求する」ことだと言われたときに、他の受講生から「本質を追求するにはどうすればいいんでしょうか」という質問があり、それに対して答えた言葉である。
 これは経験則からも非常に腹に落ちる。上司の指示命令や、上流部門から下りてきた施策で「何かこれは違うなあ」とか「そんなにええと思わんけど…」みたいなものが少なからずある。個人の所感にとどまらず、複数の人が「う~ん」となっているとそれは大概“筋”が良くない。逆に、自分自身のアイデアなどで同僚や部下に「こんなことできないか?」と相談したとき「あ、いいね!」と直感的にピンときてもらえればそれはスムーズに進んでいく。一方、何となくリアクションが悪いなと思う時は、相手が違和感を持っているのである。これを察知して互いに思っていることをすり合わせていくことが大切なのだ。よく出来る人は、発言がきちんと芯を食っているし、筋の良いことを言っている。まさに周りに違和感を持たせない。

 SさんYさんともに共通しているのは「物事の裏側からアプローチしている」こと。
 自分の思考パターンにはあまりない。非常に参考になる。
コメント
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