葱の味噌汁のことだという。
池波正太郎の「剣客商売」に度々出てくる。主人公の息子が剣道場を開くが、なかなか弟子が集まらなくて、貧乏暮し。安い葱を味噌汁にいれて、それと沢庵だけをおかずに何時も食事をすませる。昔、浅草から押上あたりは葱の産地だったと、と書いていたと記憶するが、間違いかもしれない。いま文庫本を引っ張り出して調べる気はしない。
ともかく、その描写が美味そうなので、池波正太郎の小説に出てくる食べ物はみんなうまそうだが、何度かねぶか汁を作ってみた。身体にも良さそうだ。身体を悪くしてから、暇な自営業のせいもあるが、食べ物には気を付けて、割と自分で料理する。
ところが、この葱を入れただけの味噌汁というのが案外厄介だ。葱の煮え具合が上手くツボにはまらない。早く火を止めると葱が硬いままで口に入れると筋が残る。少し煮すぎるとクタクタを通り越してグズグズになり、形が崩れて全く歯ごたえがない。
こんな簡単な料理、レシピもなにも無いだろうと思うが、そうでもないのかも知れない。その内旨そうな葱があったらまた挑戦してみよう。
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