私が卒業した1976年頃は、所謂新人類新入社員のはしりだったかもしれない。とにかく社畜となって終身雇用の会社で働くのが正しいと考える学生は少なくなって、そんな事に価値を見いだせない学生が増えていた。だから公務員になった奴は別にして、民間会社に入ったやつは短期間で辞める奴も多かった。私の友人などは面白い理由で辞める奴もいた。
〇入社一ヵ月で、朝の満員電車に乗るのが嫌になったと言って止めた奴。
〇毎朝朝礼で社歌を歌うのだが、社員の一人が毎朝前に出て音頭をとる。順番にまわって来ていて、明日は自分の番という丁度一週間目の日。耐えられなくて辞表を出したという奴。
〇同じく順番にまわってくる朝のスピーチが嫌で、自分の番がくる前に辞めた奴。
〇自分にサラリーマンは無理だったと言って半年ほどで田舎に帰って、農家を継いだ奴。
辞めはしなかったが、社内運動会と社員旅行は風邪で休むというのもいた。
もちろん一般には、給料が安い、労働条件が約束と違う(多くがサービス残業の押し付け)等、今と同じような理由でやめる人も沢山いたと思う。
ただ、今と違うのは、会社を辞めて暫くバイトで暮らしたり、やりたい仕事に就くためにバイトしながら専門学校に通ったりしても、その後就職する気になれば、たやすく正社員の就職口はあったことだ。
その頃は基本的に契約社員という概念は無かった。派遣法などまだなかったから、派遣会社の派遣社員という概念もない。あったのは正社員かアルバイト。何度転職しても就職しようと思えば基本的には社会保険完備の正社員になれた。
何時からこんなに労働者に不利な社会になったのか?労働者派遣法ができて、どんどん雇用に係る規制がなくなった頃からだと思うが、今の労働者は大変だ。一度正社員コースから外れると、なかなか元には戻れない社会になってしまった。もっとも日本人の有業者の約82%が被雇用者というから、全く同じではないにしても、有権者の8割がサラ―リーマン。つまり今の政治を選んでいるのはサラリーマン。労働者自身なのか?
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