高密度天体同士の合体で起こる“キロノヴァ”を初観測

宇宙の彼方からやってくる高エネルギー放射“ガンマ線バースト”。

この“ガンマ線バースト”は宇宙のあらゆる方向に見られる現象で、
2秒以上続く“ロングバースト”と、それより短い“ショートバースト”があります。

“ロングバースト”は、
超大質量星が一生の最期を迎える“極超新星爆発”によるもの、という証拠がほぼ揃っているのですが、
“ショートバースト”の起源は謎のままなんですねー

中性子星かブラックホールの衝突で起こる っと考えられているのですが、
まだ十分な証拠は揃っていませんでした。

今回、イギリスのレスター大学が“ガンマ線バースト”の残光から、
その起源として最有力とされてきた説を決定的に裏付ける証拠を見つけました。





“ガンマ線バースト”が起こった
銀河の観測画像
バースト検出の10日後に、
同じ場所が近赤外線で明るくなる
“キロノヴァ”がとらえられた




これは、ガンマ線監視衛星“スウィフト”が、
わずか10分の1秒光った40億光年彼方の“ショートバースト”を検出し、
ハッブル宇宙望遠鏡を向けて分かったことです。

ハッブル宇宙望遠鏡は、新星“ノヴァ”と超新星“スーパーノヴァ”の中間の明るさの“キロノヴァ”と呼ばれる、
近赤外線の残光を観測しました。

さらに、およそ1週間後に、この残光がひじょうに強くなるのが観測され、
“ショートバースト”の起源が高密度天体の合体とした場合に見られる、と予測されていた現象だったということです。